【防災士が解説】台風⑨|停電・通信障害・インフラ停止に強い家庭になるための実践対策

台風では、暴風・大雨だけでなく
停電・通信障害・ガス停止・断水・物流ストップ が同時に発生することがあります。

防災士として現場を見てきた経験からも、
インフラが止まると生活のストレスが急上昇し、体調不良や事故につながるケースが多い
という共通点があります。

今回は、台風時の「生活インフラ停止」に特化して、家庭が備えるべき実践対策をまとめます。


■① 停電の備えは“ランタンとモバイルバッテリー”が最優先

停電直後に必要なのは 光の確保通信維持

最低限そろえたいもの:

  • LEDランタン(部屋数ぶん)
  • ヘッドライト(両手が使える)
  • モバイルバッテリー
  • 乾電池(単3・単4)
  • スマホの予備充電

ロウソクは火災リスクが高く、台風時には不向きです。


■② 冷蔵庫を“少しでも長く持たせる”節電テクニック

停電時に最も困るのが 冷蔵庫の停止

生鮮食品を守る方法:

  • 停電前に冷蔵庫を「強」に設定
  • 冷凍庫は80〜100%詰めておく
  • ペットボトル水を凍らせて保冷剤に
  • 冷蔵庫は極力開けない
  • 肉や魚は前日までに冷凍へ移動

対策だけで“4〜6時間以上は保冷可能”になります。


■③ 断水に備えて“水の確保”を早めに

台風後の断水は非常に多く、
特に停電時は浄水場が停止する地域もあります。

準備すべき水:

  • 飲料水:1日1人2〜3L
  • 生活用水:浴槽にためておく

浴槽の水は、
トイレ・手洗い・掃除のための重要な“生活水” です。


■④ ガス・電気が使えない時の調理手段を確保する

台風後はガス停止・停電で調理が困難になることもあります。

家庭で備える調理手段:

  • カセットコンロ
  • カセットボンベ3〜5本以上
  • レトルト食品(温め不要タイプも)
  • 缶詰・乾麺
  • 水だけで作れる食品

特に子どもや高齢者のいる家庭では、
温かい食事が取れるだけで体力回復と安心感が大きい です。


■⑤ 通信障害が起きると“避難情報が届かない”

台風では基地局の停電や障害で 通信障害が頻発 します。

事前の対策:

  • スマホ満充電
  • モバイルバッテリー複数
  • 省電力モードON
  • ラジオを準備
  • 防災アプリ(まもるくん、Yahoo!防災)は通知ON

通信が途絶えるだけで、
「最新の避難情報が入らず避難が遅れる」という危険が生まれます。


■⑥ トイレ停止は“生活ストレスを最大化”させる

停電・断水によりトイレが使えなくなるケースは多いです。

備えておくべき物:

  • 簡易トイレ
  • ビニール袋、凝固剤
  • 消臭袋
  • ペット用トイレシート(応用可能)

避難所でもトイレは混雑しやすいため、
自宅対策が必須です。


■⑦ 物流ストップは“数日間の買い物困難”を招く

台風後は、

  • 道路冠水
  • 停電
  • 店舗閉店
  • 入荷遅延

により、買い物が難しくなります。

家庭で備えるもの:

  • 水・食料(3〜7日分)
  • お菓子・栄養補助食品
  • 乾電池
  • 衣類・タオル
  • 子どものミルク・おむつ

子どもがいる家庭では、
消耗品を多めに備蓄しておくと安心です。


■⑧ 健康面のリスクは“暑さ・寒さ”と“睡眠不足”

台風で停電すると、季節ごとの危険が高まります。

●夏台風

  • エアコン停止
  • 熱中症リスク
  • 部屋が蒸し風呂状態

●冬台風

  • 暖房停止
  • 低体温症リスク
  • 体力消耗

どちらにも共通して準備したい:

  • 保冷剤またはカイロ
  • 寝袋
  • 毛布
  • 飲料水確保

停電で眠れない家庭が多いため、
睡眠環境の確保も重要です。


■まとめ|インフラ停止に強い家庭は、台風後の復旧まで“安心して待てる”

台風で最も大切なのは、
停電・断水・通信障害への備えが生活の安定を守る ということです。

  • 光・通信の確保
  • 冷蔵庫対策
  • 水と調理手段
  • トイレの準備
  • 3〜7日分の備蓄
  • 熱中症・低体温症対策

結論:
防災士として、インフラ停止に備える家庭は台風後の混乱を最小限にし、家族が安心して復旧を待てる“強い家庭”になります。

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