【防災士が解説】高潮⑦|高潮後に起きやすい“停電・断水・通信障害”への備えと対応

高潮は一瞬で海水が押し寄せる災害ですが、
その後に続く 停電・断水・通信障害 が、生活を大きく不自由にさせます。

防災士としての経験から、高潮後に特に起こりやすい“ライフライン障害”と、
家庭での備え・行動をわかりやすく解説します。


■① 高潮は「停電」を引き起こしやすい災害

高潮で最も多いライフライン障害が 停電 です。

理由は以下の通り:

  • 海水で電柱やトランスがショート
  • 地下設備の浸水
  • 倒木や飛来物による断線
  • 風による電線損傷

停電は 広い範囲で長時間続く ことがあるため、
家庭での備えが必須です。


■② 停電時の家庭での基本行動

高潮で停電した場合は、安全のため次を徹底します。

  • ブレーカーは落とす
  • 感電防止のため、濡れた家電に触らない
  • 懐中電灯やランタンを使用(ロウソクはNG)
  • スマホのバッテリー管理
  • 冷蔵庫は極力開けない

停電復旧時の“通電火災”の危険を防ぐため、
とくにブレーカー処理が重要です。


■③ 高潮は“断水”も発生しやすい

高潮で浸水した地域では、断水が起きやすくなります。

原因:

  • 浄水場の浸水
  • 海水混入による機器停止
  • 送水ポンプの故障
  • 配水管の破損

断水は停電とセットで起きることが多いため、
事前の水の備えが重要です。


■④ 断水への備え|“3日分の飲料水”+“生活用水”を確保

高潮接近の前にしておくべきこと:

  • 飲料水は1日1人3L × 3日分
  • 風呂に生活用水をためる
  • キッチンで使うポリタンクの準備
  • 簡易トイレ・凝固剤を用意

高潮は泥や海水が混じるため、
断水復旧までの時間が長引く傾向があります。


■⑤ 通信障害も起きやすい|情報が遮断されると判断が難しくなる

高潮によって、

  • 基地局の浸水
  • 停電による電源停止
  • 光回線の断線
  • ルーターが使用不能

こうした通信障害が発生します。

家族の行動がバラバラだと危険なので、
通信が途絶えたときの集合場所と避難ルート を事前に決めておくことが大切です。


■⑥ 浸水した“ガス設備”の使用は非常に危険

高潮後にガスを使うと、

  • ガス漏れ
  • 腐食による破損
  • 接続部のゆるみ
  • 器具の故障

などのリスクがあります。

ガスの再開は必ず ガス会社の点検後 に。


■⑦ 高潮後の“生活再建”はまず衛生管理から

高潮で浸水した地域は、

  • 海水汚れ
  • 下水逆流
  • 泥の堆積
  • カビの繁殖

これらで衛生状況が著しく悪化します。

必要な対応:

  • 手洗い・消毒の徹底
  • ゴム手袋・マスクを着用
  • 濡れた床材の早期撤去
  • 換気と送風で乾燥

特に子ども・高齢者は感染症リスクが高いため注意が必要です。


■⑧ まとめ|高潮は“ライフライン障害”まで含めて備える

高潮は浸水だけでなく、
その後に続く停電・断水・通信障害が生活を直撃します。

  • 停電は広域で長期化する
  • 断水は海水混入で復旧が遅れやすい
  • 通信障害は情報弱者になりやすい
  • ガスは再開手順が必須
  • 衛生環境は最優先で整える

防災士としての結論:

高潮は「水が引いた後の生活」が本当の闘い。ライフライン障害を想定した備えが命と生活を守る鍵になる。

今日、飲料水と非常用ランタンを準備するだけでも、
高潮への備えは大きく前進します。

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