高潮は、わずかな情報の見落としで
避難のタイミングを失う災害です。
気象情報を正しく読み取ることで、
「いつ避難すべきか」「どれくらい危険なのか」が明確になります。
防災士としての経験から、高潮時に必ず確認すべき情報と
その読み方をわかりやすく解説します。
■① 高潮警報・高潮特別警報の読み方
高潮における最重要情報がこれです。
●高潮注意報
低い土地で浸水の可能性あり。
●高潮警報
大きな浸水の危険。避難準備段階。
●高潮特別警報
甚大な災害の恐れ。すぐに避難。
高潮特別警報が出る前に避難完了していることが理想です。
■② 満潮時間×台風接近のタイミングを見る
高潮は “満潮と重なるかどうか” で被害が全く変わります。
確認すべきは:
- 満潮の時刻
- 台風最接近のタイミング
- 大雨ピーク
この3つが重なると、
堤防越水の危険が急上昇します。
■③ 海面水位予測(潮位)を見る|数字で“危険度”がわかる
気象庁では、潮位をリアルタイムで公開しています。
見るべきポイント:
- 平常時より+○cm上がっているか
- 過去の最大潮位との差
- どの時間帯でピークを迎えるか
高潮は“数字で危険が見える災害”です。
■④ 台風情報(進路図・暴風域)で風の強さを把握する
高潮は“風の影響”が大きいため、
台風の進路図は以下をチェックしましょう。
- 暴風域の大きさ
- 台風の強さ(強い・非常に強い・猛烈)
- 台風の右側に入るかどうか(危険半円)
- 風向きが海側から吹く時間帯
風が海側から吹くほど、
海水が陸地へ押されて高潮が強まります。
■⑤ 大雨情報も同時に確認する
高潮と大雨はセットで起こることが多く、
大雨が重なると内水氾濫の危険が上がります。
確認すべきもの:
- 大雨警報・特別警報
- 土砂災害警戒情報
- 河川水位情報
高潮だけではなく、“雨の量”も必ず見ることが大切です。
■⑥ 河川水位の急上昇に注意|海へ流れ出なくなる
高潮で海水面が高いと、
河川の水が海へ流れにくくなります。
- 中小河川の水位の急上昇
- 排水路の逆流
- 内水氾濫の発生
河川のリアルタイム水位も、
高潮と同じくらい重要な指標です。
■⑦ 防災アプリ・自治体メールを“複数”登録しておく
情報は一つのアプリに頼ると危険です。
おすすめの組み合わせ:
- 気象庁防災アプリ
- 県・市町村の防災メール
- Yahoo!防災速報
- 国交省の川の防災情報
複数登録することで、
見落としがなくなり避難判断が早くなります。
■⑧ まとめ|気象情報を“複数組み合わせて判断”が高潮対策の鍵
高潮の危険度は、以下の情報を組み合わせることで正しく判断できます。
- 高潮警報・特別警報
- 満潮時間と台風接近の重なり
- 海面水位の上昇
- 風向きと風の強さ
- 大雨警報
- 河川水位の急変
- 防災アプリの通知
防災士としての結論:
高潮から命を守るには、“一つの情報だけ”を見て判断しないこと。複合して読み取ることで避難判断は劇的に早くなる。
今日から、必要な防災アプリをひとつ追加するだけでも
高潮への備えは大きく前進します。

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