【防災士が解説】高潮⑧|逃げ遅れないための“気象情報の読み方”|台風接近時に絶対に見るべきポイント

高潮は、わずかな情報の見落としで
避難のタイミングを失う災害です。

気象情報を正しく読み取ることで、
「いつ避難すべきか」「どれくらい危険なのか」が明確になります。

防災士としての経験から、高潮時に必ず確認すべき情報と
その読み方をわかりやすく解説します。


■① 高潮警報・高潮特別警報の読み方

高潮における最重要情報がこれです。

●高潮注意報

低い土地で浸水の可能性あり。

●高潮警報

大きな浸水の危険。避難準備段階。

●高潮特別警報

甚大な災害の恐れ。すぐに避難。

高潮特別警報が出る前に避難完了していることが理想です。


■② 満潮時間×台風接近のタイミングを見る

高潮は “満潮と重なるかどうか” で被害が全く変わります。

確認すべきは:

  • 満潮の時刻
  • 台風最接近のタイミング
  • 大雨ピーク

この3つが重なると、
堤防越水の危険が急上昇します。


■③ 海面水位予測(潮位)を見る|数字で“危険度”がわかる

気象庁では、潮位をリアルタイムで公開しています。

見るべきポイント:

  • 平常時より+○cm上がっているか
  • 過去の最大潮位との差
  • どの時間帯でピークを迎えるか

高潮は“数字で危険が見える災害”です。


■④ 台風情報(進路図・暴風域)で風の強さを把握する

高潮は“風の影響”が大きいため、
台風の進路図は以下をチェックしましょう。

  • 暴風域の大きさ
  • 台風の強さ(強い・非常に強い・猛烈)
  • 台風の右側に入るかどうか(危険半円)
  • 風向きが海側から吹く時間帯

風が海側から吹くほど、
海水が陸地へ押されて高潮が強まります。


■⑤ 大雨情報も同時に確認する

高潮と大雨はセットで起こることが多く、
大雨が重なると内水氾濫の危険が上がります。

確認すべきもの:

  • 大雨警報・特別警報
  • 土砂災害警戒情報
  • 河川水位情報

高潮だけではなく、“雨の量”も必ず見ることが大切です。


■⑥ 河川水位の急上昇に注意|海へ流れ出なくなる

高潮で海水面が高いと、
河川の水が海へ流れにくくなります。

  • 中小河川の水位の急上昇
  • 排水路の逆流
  • 内水氾濫の発生

河川のリアルタイム水位も、
高潮と同じくらい重要な指標です。


■⑦ 防災アプリ・自治体メールを“複数”登録しておく

情報は一つのアプリに頼ると危険です。

おすすめの組み合わせ:

  • 気象庁防災アプリ
  • 県・市町村の防災メール
  • Yahoo!防災速報
  • 国交省の川の防災情報

複数登録することで、
見落としがなくなり避難判断が早くなります。


■⑧ まとめ|気象情報を“複数組み合わせて判断”が高潮対策の鍵

高潮の危険度は、以下の情報を組み合わせることで正しく判断できます。

  • 高潮警報・特別警報
  • 満潮時間と台風接近の重なり
  • 海面水位の上昇
  • 風向きと風の強さ
  • 大雨警報
  • 河川水位の急変
  • 防災アプリの通知

防災士としての結論:

高潮から命を守るには、“一つの情報だけ”を見て判断しないこと。複合して読み取ることで避難判断は劇的に早くなる。

今日から、必要な防災アプリをひとつ追加するだけでも
高潮への備えは大きく前進します。

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