【防災士が解説】気象庁の各種警戒情報|“正しい理解”が避難の早さを決める

災害時にテレビやスマホに表示される「気象庁の警戒情報」。
しかし、種類が多くて違いがわからず、
「結局どれが危険なの?」「いつ避難すべき?」
と迷う人がとても多いのが現実です。

ここでは防災士として、
気象庁が発表する主な警戒情報と、その意味・行動基準 をまとめます。


■① 大雨警報・大雨特別警報

●大雨警報

  • 土砂災害・浸水・洪水の危険が高まった段階
  • 行動の準備ではなく「行動する段階」

●大雨特別警報

  • 数十年に一度の大雨
  • 災害が発生してもおかしくない極限レベル
  • 命を守る対応(垂直避難)が必要

特別警報が出た地域は「外に出ると危険」という基準です。


■② 暴風警報・暴風特別警報

●暴風警報

  • 飛来物・転倒・停電などの危険
  • 外出は原則NG

●暴風特別警報

  • 建物被害や倒木が起きるレベル
  • 屋外移動は極めて危険
  • 窓やガラスの飛散にも注意

台風接近時は特に危険度が急上昇します。


■③ 高潮警報・高潮特別警報

沿岸部に住む人にとって最も危険な情報のひとつ。

  • 低い土地は一気に浸水
  • 橋や道路が冠水
  • 台風の進路・満潮時間で危険度が変化

特別警報は「命に関わるレベル」で、
海には絶対に近づいてはいけません。


■④ 波浪警報・波浪特別警報

海岸周辺の危険が急増する情報。

  • 高波が防波堤を超える
  • 海釣り・サーフィンは絶対NG
  • 漁業や作業船は危険

波浪の特別警報は「海の災害が発生しているレベル」です。


■⑤ 雷注意報・雷警報

近年増えている落雷事故の危険を知らせる情報。

  • 落雷・停電・突風
  • 晴れていても落雷が発生する場合がある
  • 山・海・グラウンドは特に危険

警報が出た場合は屋外活動を中止するのが原則です。


■⑥ 大雪警報・大雪特別警報

冬季に注意すべき重要な情報。

  • 交通麻痺
  • 立ち往生
  • 停電(電線着雪)
  • 屋根雪による事故

特別警報は「豪雪災害の発生が目前」という段階です。


■⑦ 竜巻注意情報

突風の危険性を知らせる重要な情報。

  • 突然の暴風
  • 家屋の屋根が飛ぶ
  • 車が横転する可能性

黒い雲・急な雷・急な冷たい風は前兆です。
屋内退避が最優先。


■⑧ 記録的短時間大雨情報

非常に短時間に猛烈な雨が降ったときの情報。

  • 1時間に80mm以上など
  • 道路冠水・土砂災害が急発生
  • ゲリラ豪雨に該当することが多い

発表された時点で“すでに危険”です。


■⑨ 緊急地震速報(警報)

地震の強い揺れが来る直前に発表される速報。

  • 数秒〜十数秒で揺れが来る
  • 机の下・建物内の安全な場所へ
  • 落下物・転倒物から身を守る

必ず「まず身を守る」が鉄則です。


■⑩ 津波警報・大津波警報

沿岸部に住む人にとって命に直結する警報。

  • すぐに高台へ避難
  • 車は渋滞で危険になるため徒歩優先
  • 大津波警報は家屋破壊レベルの津波

津波は逃げ遅れると助からないため、
警報が出たら「即避難」が唯一の行動です。


■まとめ|情報の意味を知るだけで“避難の遅れ”は確実に減る

気象庁が発表する警戒情報は、
どれも「命を守る行動のスイッチ」です。
意味がわからないままでは、避難判断が遅れてしまいます。

結論:
警戒情報の意味を理解し、行動につなげられる人が災害に強い家庭になる。

防災士として現場に立ってきましたが、
警戒情報を正しく読み取れた家庭は避難が早く、被害が最小限でした。
どうか、日ごろから情報に慣れておき、
「迷ったら避難」を基本に命を守る行動をしてください。

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