冬の寒波・積雪・道路凍結は、
幼稚園の送迎（徒歩・車・通園バス）の安全を大きく脅かす 季節です。
特に幼児は歩行速度が遅く、視界の悪化・転倒・車の滑走に巻き込まれやすいため、
“冬の送迎困難”は命に直結する防災課題でもあります。
ここでは、防災士として「冬の幼稚園送迎が難しくなる場面と対策」をまとめて解説します。
■① 雪・凍結による“徒歩送迎の危険性”
幼児の徒歩送迎で危険が増えるのは以下の場面です。
- 歩道が凍結してツルツル
- 親子で転倒しケガ
- 視界不良で車との距離感を誤る
- 子どもが手を離すと危険
- ベビーカーの操作が困難
- 足元が悪く、車道に寄ってしまう
特に朝は凍結がひどく、
いつも通りの歩き方をすると転倒リスクが高い ので注意が必要です。
■② 幼稚園バスが“運休・遅延”するケース
大雪や路面凍結で、通園バスは次の理由で運休しやすくなります。
- チェーン装着でも走行が難しい
- 見通し不良で急ブレーキが効かない
- 園庭や駐車場が除雪できていない
- 交通渋滞で到着時間不明
- バス停付近が危険
結果として、
急に「自力送迎が必要」な状況になる ので事前確認が重要です。
■③ 車送迎は“スリップ事故リスク”が最大の危険
車で送迎する家庭では、以下の事故が毎年多発します。
- 園の駐車場でスリップ
- ブレーキが効かず追突事故
- 停車中に車が横滑り
- 園児の乗降中にヒヤリ事故
- 園の前の道路が渋滞し大混乱
タイヤがノーマルのままでは非常に危険で、
冬タイヤ＋早朝の余裕行動 が必須となります。
■④ 幼稚園側が備えるべき“冬の運営体制”
園が事前に整えておくべきチェック項目は以下。
- 園舎前の融雪・凍結防止剤の散布
- 園庭の安全確保
- 通園バス運休時の連絡体制
- 保護者の送迎動線を整理
- 送迎時に職員が立ち会う安全誘導
- 帰園時間を前倒しする判断基準
- 近隣道路の情報共有
幼稚園は“保護者の行動が集中する場所”なので、
混乱を防ぐ導線作りが命を守る鍵 になります。
■⑤ 保護者の“冬の送迎準備”が安全の8割を占める
家庭が準備できることは多くあります。
- 冬用タイヤを早めに装着
- 雪の日は時間に大幅な余裕を
- 幼児の防寒（手袋・帽子・靴下2枚）
- スリップしにくい靴を選ぶ
- ベビーカー送迎は極力避ける
- 急がない・焦らない行動
- 無理な時は“登園を控える判断”も選択肢に
「行けるかどうかの判断」は家庭の防災力に直結します。
■⑥ 園と家庭の“情報共有”が非常に重要
冬の送迎トラブルは、
連絡が遅れたことで事故が増えるケース が多いです。
- 早朝に送迎可否メール
- バス運休の通知
- 園周辺道路の状況
- 延長保育の可否
- 家庭の事情で登園困難時の相談
- 大雪時の自主休園案内
園が迅速に情報発信し、
家庭が確実に受け取れる状態を作ることが安全に直結します。
■⑦ “無理して行かない”という選択肢を認める
冬の防災で最も大切なのは、
「登園より命を優先する」 という意識です。
- 凍結で滑りやすい
- 車のコントロールが効かない
- 子どもが寒さで疲労する
- 送迎に時間がかかりすぎる
こうした状況で「無理に登園」することは、
事故を招く最大の要因になります。
園が“無理をしなくて大丈夫”と発信することで、
家庭の判断が安全側に傾くようになります。
■まとめ｜幼稚園の冬送迎は“園と家庭の共同防災”
冬の雪・凍結は、幼児にとって非常に危険です。
・転倒
・視界不良
・バス運休
・車の滑走
・送迎混乱
どれも命のリスクにつながるため、
園と家庭の両方が“冬の防災モード”に切り替えることが重要です。
防災士として強く感じるのは、
「幼児の送迎は家庭の判断だけに任せてはいけない」 ということ。
園の体制、保護者の準備、地域の協力。
この3つが整うことで、冬の送迎は安全になります。
子どもたちが安心して園へ行けるように、
地域全体で冬の送迎安全を守っていきましょう。
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