冬になると増える事故が 歩行中の転倒。
凍結路・雪道・日陰のブラックアイスバーンなど、
見えない危険が至るところに潜んでいます。
防災士として断言します。
冬の歩行は「正しい歩き方」を知るだけで、転倒リスクを大幅に下げられます。
ここでは、誰でも今日から実践できる“転ばない歩き方”を詳しく解説します。
■① 「小さく歩く」が転倒予防の基本
冬の歩行で最も大事なのは 歩幅を小さくすること。
- 大股 → 重心が前に出すぎて滑りやすい
- 小股 → 重心が安定し、転倒しにくい
いわゆる “ペンギン歩き” が冬の正解です。
■② 足裏をべったりつけて歩く
凍結路では かかと着地が最も危険。
かかとが滑り、そのまま後ろに倒れやすくなります。
安全なのは次の歩き方。
- 足裏全体を地面につける
- 体重移動をゆっくり
- 膝は軽く曲げる
「つま先・かかと」ではなく 足裏で接地 するイメージです。
■③ 手をポケットに入れない
転倒時、体を守るためには 両手が自由であること が重要。
- ポケット → 手が出せない
- 手袋 → 手は自由、冷えも防げる
ポケットの中に手を入れる歩き方は、
転倒したときに 頭部や顔面を強打する危険 が高まります。
■④ リュックで両手を空ける
片手で荷物を持つのは危険です。
- バランスが片側に偏る
- とっさに手が出ない
- 転倒して荷物が飛ぶ
冬の歩行は リュック一択 と考えてOKです。
■⑤ 滑りやすい場所は“歩き方を変える”
冬は地面の状態で危険度が大きく違います。
特に滑りやすい場所は以下の通り。
- 横断歩道の白線
- マンホール
- 橋の上
- 日陰の路地
- 凍ったタイル
- コンビニ・スーパーの出入り口
こうした場所は さらに歩幅を小さくして、体重移動をゆっくり が鉄則です。
■⑥ 靴は「溝が深い柔らかいゴム底」が最強
靴によって滑りやすさは大きく変わります。
おすすめは次のタイプ。
- 溝が深い
- ゴム底が柔らかい
- 防滑ソール
- 靴の裏が平らすぎない
逆に、以下は滑りやすく危険です。
- つるつるソール
- ヒール
- 革靴
- 古くてすり減った靴
“靴底の選択が転倒を防ぐ最大の装備”です。
■⑦ スマホ・下向き歩行は絶対にNG
冬の転倒は 一瞬の気の緩み で起きます。
- スマホを見ながら歩く
- 下を向いて歩き続ける
- 車や自転車に気づかない
視線を上げて、
前方と足元の“状況の変化”を常に確認しましょう。
■⑧ 早歩き・小走りは危険度が3倍以上
急いで歩くと、体の重心が前に出すぎて滑りやすくなります。
- 仕事・学校で遅れそう
- 電車に間に合わせたい
- 寒いから急いで歩く
気持ちは分かりますが、
冬の早歩き=転倒の最短ルート です。
“いつもより10分早く出る”ことで、リスクは一気に下がります。
■⑨ 転んでしまう場所は“危険地帯”として記憶する
冬は「同じ場所」で転倒が繰り返されます。
- 曲がり角
- 坂道
- ビル風が吹く場所
- 橋の上
一度滑った場所は 必ずまた滑る と考えてください。
ルート変更は防災的にも非常に大きな効果があります。
■⑩ 転倒しそうになったら“腰を落とす”
もし滑ったら、以下の動作がケガの軽減になります。
- 体を前に倒す
- 腰を落とす
- 両手を前に出す
- 頭を守る
後方に倒れると頭部を打つ危険が高くなります。
反射的に 前側に重心を落とす 行動がケガを軽くします。
■まとめ|冬の歩行は「歩き方」が命を守る
冬の凍結路は、どれだけ気をつけていても危険が潜む環境です。
- 小さく歩く
- 足裏全体をつける
- 手を空けて歩く
- 靴を選ぶ
- 急がない
- 危険な道を避ける
結論:
「冬の歩行は“ゆっくり・小さく・手は自由に”が命を守る最も確実な方法」
私は防災士として、多くの冬季転倒事故を見てきましたが、
ほとんどが“歩き方を変えていれば防げた事故”です。
どうか今日から実践して、
あなたと家族の冬の安全を守ってください。

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