冬は、歩行中の転倒事故が最も増える季節です。
凍結路・雪道・日陰のブラックアイスバーンなど、
“見えない危険”が生活のあらゆる場所に潜んでいます。
防災士として伝えたいのは、
冬の転倒事故は「知識+準備+行動」で大幅に減らせる
ということです。
ここでは、冬の転倒防止を“総合的に”まとめた完全ガイドをお届けします。
■① 靴選びが転倒防止の最重要ポイント
冬の転倒防止は 靴で7割決まる と言われています。
特に重要なのは次の点です。
- 深い溝の靴底
- 柔らかいゴムソール
- 防滑仕様(スパイク状・ギザギザ等)
- すり減っていない靴底
逆に以下は危険です。
- つるつるの靴底
- ヒール
- 革靴
- スニーカーの古い靴
靴を変えるだけで転倒リスクを大幅に下げられます。
■② 歩幅を小さく、“ペンギン歩き”で歩く
冬の凍結路で最も効果的なのは 歩き方そのものの改善。
- 歩幅を小さく
- 足裏全体で着地
- 膝を軽く曲げる
- ゆっくり体重移動
“ペンギン歩き”が転倒防止の基本です。
■③ 手は必ず空ける(ポケット厳禁)
転倒防止のためには 両手を自由にしておくこと が不可欠。
- 手をポケットに入れると即危険
- 荷物はリュックへ
- 転倒した際に手が出ないと頭部を強打
冬の外出では 手袋+リュック が最も安全な組み合わせです。
■④ 転倒しやすい場所は“避ける”
冬は場所によって危険度が極端に違います。
特に転倒が多い場所は以下。
- 日陰(溶けない)
- 橋の上(最初に凍る)
- マンホール・白線
- 横断歩道
- スーパー・コンビニ入口
- 階段・スロープ
- トンネル出口
こうした場所では 歩き方をさらに慎重に するか、
可能ならルート変更も検討してください。
■⑤ 凍結路では“早歩き・小走り”は絶対にNG
急ぐほど転倒リスクは跳ね上がります。
- 重心が前に出て滑りやすい
- ブレーキが効かず止まれない
- 足元を確認しない
特に朝の通勤通学は危険が多いため、
10分早く出発する だけで事故が激減します。
■⑥ 幼児・高齢者は転倒リスクが倍
転倒時の重症化リスクが高いのがこの2つの世代。
- 幼児 → 注意が逸れやすく走りやすい
- 高齢者 → バランス能力の低下・骨折リスク大
家族内での声かけや、歩きやすい靴の準備が特に重要です。
■⑦ 転倒しそうになったら“腰を落とす”
もし滑った場合は、次の動作がケガを軽くします。
- 前側に重心を落とす
- 腰を下げる
- 両手を出して頭部を守る
後ろに倒れると頭部を強打しやすく、
前に倒れた方が重症化を防ぎやすい傾向があります。
■⑧ 自転車・原付が近い場所ではさらに注意
冬は交通も不安定で、歩行者が巻き込まれる事故も増えます。
- 自転車がスリップして突っ込む
- 原付が横滑りして倒れ込む
- 車の視界不良で歩行者に気づけない
歩行だけでなく、周囲の車両にも注意を向けましょう。
■⑨ 夜間は“反射材”で存在を示す
凍結していなくても、視界不良の冬の夜は危険が多いです。
- 夕方が暗い
- 車の窓が曇る
- 路面の光の反射で見えにくい
反射材やライトを活用し、
「見える歩行者」になることも防災行動のひとつ です。
■⑩ どうしても危険な日は“外出しない判断”も防災
防災では「無理をしないこと」も立派な安全対策。
- 路面が完全に凍結している
- 吹雪で視界が悪い
- 強風で歩けない
- 冷え込みが異常に強い
こうした日は 外出を控える勇気が命を守る行動 となります。
■まとめ|冬の転倒防止は“知識+準備+行動”がすべて
冬の転倒事故は、
日常の延長線で考えると事故につながります。
- 靴を整える
- 歩き方を変える
- 危険な道を避ける
- 急がない
- 手を空ける
結論:
「冬の転倒防止は、正しい装備と歩き方、そして無理をしない判断が命を守る」
私は防災士として、冬場の転倒事故を数多く見てきましたが、
ほとんどが“知っていれば避けられた事故”です。
今日からできる対策で、あなたと家族の冬の安全をしっかり守りましょう。

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