【防災士が解説】冬の雪かきと“腰痛対策”|ケガを防ぐために必ず知っておきたい安全行動

冬になると、雪かきは避けて通れません。
しかし実際の災害現場でも、雪そのものより
「雪かきによる腰痛・ぎっくり腰・転倒」 が原因で動けなくなるケースが多く見られます。

雪かきは立派な“重労働”。
正しい姿勢と準備をしていないと、腰への負担は想像以上です。

ここでは、冬の雪かきで腰を守るための具体的なポイントをまとめます。


■① 雪かき前に必ずストレッチを入れる

いきなり雪を持ち上げると、
冷えた筋肉が一気に負荷を受けて痛めやすい です。

おすすめは以下の3つだけでもOK:

  • 前屈・太もも裏のストレッチ
  • 体を左右にひねる
  • 軽いスクワットで腰の筋肉を温める

たった1分で負傷リスクが大幅に下がります。


■② 腰ではなく“膝”で持ち上げるのが鉄則

雪を持ち上げる動作で多いのは、
背中を丸めて腰で引き上げる姿勢

これはぎっくり腰の典型的な原因。

正解は:

  • 足を肩幅に開く
  • 腰を落とし、膝を曲げる
  • 体に近い位置で雪を持つ
  • 膝の力で立ち上がる

腰への負担が一気に軽くなります。


■③ 重い雪は“押す・引く”が基本

水分を含んだ雪や積もりすぎた雪を
スコップで一気に持ち上げるのは危険です。

負担を減らすコツは:

  • スノープッシャーで“押して”移動
  • 重いところは“薄く削りながら”除雪
  • 無理に高く放り投げない

腰痛予防=持ち上げる量を減らすことが最も効果的です。


■④ 取り除く順番を決めると無駄な動きが減る

ムダな姿勢変更やひねり動作は腰を痛める大きな要因。

雪かきは、

  1. 玄関前
  2. 車周り
  3. 動線(通路)
  4. 家の前の道路

など、順番を決めて一直線に作業する のがコツです。

あちこち移動しながらやると疲労が倍増します。


■⑤ こまめな休憩と“温め”が腰を守る

腰痛対策は作業中のケアも大事です。

  • 20分作業 → 5分休憩
  • カイロを腰回りに貼る
  • 水分補給(冬でも脱水します)
  • ストレッチを入れる

ちょっとした温めが、腰の動きを守ります。


■⑥ 雪かきは“朝イチ”より“少し溶けた時間帯”が楽

気温が少し上がった時間の方が、雪が軽くなり負担が減ります。

ただし夕方以降は凍結リスクが高まるため、
昼前後の作業が最も腰に優しい時間帯 です。


■⑦ どうしても腰に不安がある人は“道具に頼る”

腰への負荷を最大限減らす道具はこれ:

  • スノープッシャー(押す専用)
  • 軽量アルミスコップ
  • 滑りにくいスノーブーツ
  • 腰サポートベルト

特にスノープッシャーは「腰痛の敵である“持ち上げる動作”をほぼゼロにする」最強の道具です。


■⑧ 子どもや高齢者の雪かきは必ず“分担”で

雪かきは一見簡単そうに見えますが、
実際は運動経験がある大人でも腰を痛めるほど負荷があります。

  • 子ども → 長時間作業をさせない
  • 高齢者 → 重い雪・屋根雪は絶対にNG

あなたが中心になり、“安全な範囲の作業だけ”任せることが大切です。


■まとめ|雪かきは腰を守れば安全にできる

雪かきは、冬の生活や災害対応で避けられない作業ですが、
正しい姿勢と準備次第でケガは大幅に減らせます。

  • 膝で持ち上げる
  • 押す道具を活用する
  • こまめに休む
  • 準備運動をする

この4つを意識するだけでも、
腰痛で動けなくなるリスクはほとんど避けられます。

結論:
雪かきは“力仕事”ではなく“技術の仕事”。腰を守る動き方が、冬の防災の要になる。

防災士として、あなたの家庭・地域が安全に冬を越せるよう、
腰を守る除雪方法をぜひ習慣化してほしいと思います。

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