冬になると毎年のように起きる「始発遅れ」。
とくに大雪・路面凍結・強風が重なると、始発からダイヤが乱れ、通勤・通学に大きな影響が出ます。
ここでは防災士として、冬の始発遅れに備える初動と、家族を守る実践的な行動をまとめます。
■① 始発が遅れる原因とは?
冬の鉄道トラブルは、ほぼ以下の気象要因で発生します。
- 雪によるポイント凍結
- 架線の着雪・着氷
- 車両点検(凍結・故障)
- 強風による安全確認
- 線路内の除雪作業
始発が遅れる=その後の便もすべて連鎖的に遅延するため、早朝の1本目の情報が最重要です。
■② 冬の始発遅れで起こる被害
始発トラブルは、生活に大きな影響を与えます。
- 通勤・通学の大遅刻
- 子どもの送り時間の乱れ
- 乗り換えの連続遅延
- 会社・学校への連絡がパンク
- 帰宅時間の遅れ
- 雪の中での長時間待機
特に氷点下のホーム待機は、低体温症リスクがあるため要注意です。
■③ 始発遅れに備える“夜の準備”が最重要
大雪予報が出た前夜は、以下を必ずセットで行いましょう。
- 早めの就寝
- 朝の移動時間を+30〜60分で逆算
- コート・靴・手袋など防寒具を玄関に準備
- 早朝の運行情報アプリ(通知ON)
- 持ち物は前夜にまとめる
- 子どもの通学ルートも確認
雪の日は朝の5分が命取りになります。
■④ 当日の朝にすべき行動
始発遅れの恐れがある日は、朝の動き方を変えましょう。
- 起きたらまず“運行情報”を確認
- 始発の有無でダイヤ全体を予測
- 早めに動けるなら「前倒し出発」
- 遅延時は無理せず“安全優先”
- ホームでは列車風・冷風対策を徹底
可能であれば、1本遅らせるより“1本早める”方が生存率が高いのが冬の鉄則です。
■⑤ 家族がいる家庭の注意点
冬の始発遅れは、家族の動きにも直結します。
- 子どもの送迎時間を調整
- 車を出す場合は“完全除雪”が必須
- 朝の混乱で荷物忘れが多発
- 乳幼児は外気温が危険(抱っこは特に)
家族で前夜に
「明日雪ならどう動く?」
の会話をしておくと混乱が激減します。
■⑥ 会社・学校へは“早めの一報”
遅延の確率が高い日は、以下を意識してください。
- 当日朝6〜7時の段階で連絡準備
- 運行情報画面のスクショを添付
- 自転車・徒歩の代替ルートも検討
“雪の日の連絡は早いほど誠意”として受け取られます。
■⑦ 代替移動手段があると強い
冬は鉄道だけに頼るとリスクが高いです。
- バス(※雪地域は逆に遅延が増えることも)
- 徒歩ルート
- 自転車は凍結で危険 → 原則NG
- タクシーは大雪の日に捕まりにくい
最強は
「徒歩で行ける範囲の職場・学校」
ですが、多くの人にとって難しいため、ルートの複数化が鍵になります。
■⑧ 防災視点での“冬の通勤リスク”
大雪の朝は、防災観点からの危険も潜みます。
- ホームでの転倒
- 階段での滑落
- 朝の混雑による将棋倒し
- 長時間の待機で体温低下
- スマホのバッテリー急低下
特に革靴はスケート並みに滑るため、冬用ソール・滑り止めを推奨。
■⑨ 家に戻るべき判断ライン
次の条件に当てはまる時は、“無理に行かない”判断も重要です。
- 始発見合わせが1時間以上
- 駅が大混雑で入場制限
- 子どもの世話が必要
- 気象警報クラスの降雪
- 交通機関全滅
命より大切な仕事・学校はありません。
■防災士としての意見|始発遅れは“災害の入口”と捉える
始発遅れは単なる遅延ではなく、
気象災害の前兆 です。
「少しの遅れだから行ける」ではなく、
「災害の入口だから慎重に動く」
という意識が、家族の安全を守ります。
冬の通勤・通学は、準備と判断力がすべて。
明日が大雪予報なら、今日から“いつでも動ける冬の体制”を整えてください。

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