【防災士が解説】防災×ハイオク・ガソリン・軽油の違い|“燃料の基礎知識”は災害時の安全を左右する

災害時、最も重要なライフラインの一つが「燃料」です。

車で避難する、発電機を使う、暖房を動かすなど、
“どの燃料が使えるのか理解していない”ことが事故につながるケースも多くあります。

ここでは、防災士として
ハイオク・レギュラー(ガソリン)・軽油の違いと、災害時に注意すべきポイント をわかりやすく解説します。


■① 基本の燃料の違いを一言でまとめると

  • レギュラーガソリン:一般的なガソリン
  • ハイオクガソリン:高性能エンジン用に調整されたガソリン
  • 軽油:ディーゼル車専用の燃料

車はそれぞれに“合った燃料”でしか動きません。
災害時の給油トラブルを防ぐためにも、この違いは必須です。


■② レギュラーガソリンとは?

日本で最も一般的なガソリンで、
通常の乗用車はほとんどがレギュラー仕様です。

  • オクタン価:90台前半
  • 点火しやすい → ガソリンエンジン向け
  • 発電機なども“ガソリン式”ならレギュラーが多い

災害時、発電機を動かす時にも使用するため、
持ち帰り用の携行缶の扱いは特に注意が必要です。


■③ ハイオクガソリンとは?

高性能エンジン・輸入車・ターボ車などに使われる燃料です。

  • オクタン価:100前後(ノッキングを防ぐ)
  • レギュラーより化学的に安定し“高圧縮に強い”

●災害時の注意点

  • レギュラー車にハイオクを入れても動く(問題なし)
  • ハイオク車にレギュラーを入れるのはNG(故障リスク)

給油所が混乱すると誤給油が増えるため、
車種と燃料の種類を家族全員が理解しておくことが大切 です。


■④ 軽油とは?

軽油は「ディーゼル車専用」の燃料です。
ガソリンとはまったく別物で、性質も違います。

  • 燃えにくい → 圧縮着火(ディーゼルエンジン)
  • トルクが大きく、トラック・バン・SUVに多い
  • 灯油とよく似た見た目だが、代用はできない

●災害時の注意点

  • ガソリン車に軽油を入れると“即故障”
  • 軽油車にガソリンを入れても同じく壊れる

誤給油は数十万円の修理になることもあります。


■⑤ 灯油・軽油の“間違いやすいポイント”

見た目は似ていますが、用途が大きく違います。

  • 灯油(石油ストーブ用):家庭の暖房用
  • 軽油(ディーゼル車用):車の燃料

誤って軽油をストーブに入れたり、
灯油を車に入れる事故が災害時に実際に発生しています。

絶対に代用はできません。


■⑥ 災害時の燃料不足に備えておくべきこと

  • 半分以下になったら給油する“ハーフルール”
  • 携行缶の管理(消防法の規定に注意)
  • 発電機用ガソリンの定期交換(酸化するため)
  • 灯油の保管は冬だけに限定し、夏は破棄
  • 車の燃料種別を家族で共有しておく

燃料は、災害時に「命と生活を守る力」になります。


■⑦ 冬は特に“軽油の凍結”にも要注意

冬の寒冷地では、軽油が凍ってエンジンがかからなくなる事例があります。

  • 軽油には季節別の種類(1号〜3号)
  • 寒冷地では「冬用軽油」が必要

車の仕様に合った燃料かどうか、
冬は特に気をつけてください。


■⑧ 発電機と燃料の組み合わせミスが命に関わる

災害時、発電機の誤給油が多発します。

  • ガソリン式 → ガソリンのみ
  • ディーゼル式 → 軽油のみ
  • カセット式 → ボンベのみ

「適切な燃料を使う」
これは火災・爆発・故障を防ぐ最低限のルールです。


■まとめ|燃料の違いを知ることは“命を守る基本”

燃料の理解は、
普段は車の知識として必要ですが、
災害時は 「命を守る知識」 に変わります。


結論:

レギュラー・ハイオク・軽油は“代用不可”。適切な燃料を使うことが災害時の安全行動です。

防災士として強く感じるのは、
燃料トラブルは「知っていれば防げる事故」が本当に多いということです。

あなたと家族の命を守るためにも、
車・発電機・暖房器具に使う燃料の種類だけは必ず共有しておいてください。

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