【元消防職員が解説】防災×冬×年末年始の救急|“救急車が来ない”最も危険な季節をどう乗り切るか

年末年始は、1年の中で もっとも救急需要が爆発する時期 です。

・忘年会・新年会
・大掃除
・雪道での転倒
・風邪・インフル急増
・帰省ラッシュ
・医療機関の休診
・路面凍結の事故
・火災の多発

この複合要因が重なり、
「救急車が呼んでも来ない」「搬送先が見つからない」 という事態が全国で発生します。

元消防職員として、
年末年始に救急が逼迫する理由と、家族を守るためにできる具体策を解説します。


■① 年末年始の救急が“危険レベルに逼迫する”理由

●① 病院が休み=受け入れ先不足

年末年始は多くの医療機関が休診。
搬送先が見つからず 救急車内で待機時間が30〜60分以上 になることもあります。

●② 酒のトラブルが急増

・飲酒後の転倒
・急性アルコール中毒
・ケンカ
・誤飲

冬は寒さで体温が奪われ、飲酒後の屋外放置は特に危険。

●③ 交通事故が跳ね上がる

・凍結路面
・雪道でのスリップ
・帰省ラッシュの高速道路事故
・歩行者の転倒事故

毎年必ず、救急要請が大きく増えます。

●④ インフル・胃腸炎・子どもの発熱が急増

年末年始はウイルス感染のピーク。
救急外来が“患者であふれる”のが恒例。

●⑤ 家庭内事故が増える

・大掃除中の転落
・餅の窒息
・暖房器具の火傷
・入浴中のヒートショック

特に高齢者は要注意です。


■② 救急車が来るまでの時間が“普段の2倍以上”になることもある

年末年始は、普段の救急要請より 1.3〜1.8倍 に増加。

その結果…

・現場到着が遅れる
・搬送受け入れに時間がかかる
・複数の病院を断られる
・軽症は後回しになる

という状況が全国で起こります。


■③ 家族を守るために今すぐできる「年末年始の救急対策」

●① 市販薬を常備しておく

・解熱剤
・胃腸薬
・咳止め
・痛み止め
・風邪薬
・経口補水液

→軽症であれば救急を使わずに自宅で対応できます。

●② 餅・食べ物の“窒息対策”

特に高齢者は注意。

・小さく切る
・よく噛む
・誰かが近くにいる状態で食べる
・高齢者のひとり餅はNG

毎年必ず命を落とす事故です。

●③ 凍結路面用の靴・滑り止めを準備

冬の転倒は骨折リスクが高い。

・スパイク付き長靴
・滑り止めバンド
・雪道用ブーツ

「転倒=救急搬送」のケースは本当に多いです。

●④ 浴槽事故(ヒートショック)を防ぐ

・脱衣所を暖める
・お湯は42℃以上にしない
・長湯しない
・入浴前後に家族が声をかけ合う

高齢者ほど発生率は高くなります。

●⑤ 飲み会後の“路上睡眠”を絶対に避ける

飲酒+寒さ=低体温症
命を落とすケースも現実にあります。


■④ 緊急時、救急車を呼ぶべきかどうかの判断基準【重要】

●救急車を呼ぶべき重大サイン

  • 意識がない
  • けいれん
  • 呼吸がおかしい
  • ひどい胸痛
  • 大量出血
  • 高齢者の激しい腹痛
  • 子どものぐったり・水分拒否
  • 交通事故・転落

迷えば 119番で「相談したい」と伝えてOK


■⑤ 年末年始の帰省時にやっておくべき“救急の備え”

  • 最寄りの救急当番医を確認
  • 家族の薬手帳を持参
  • 高齢者の持病薬を多めに用意
  • 車の冬装備(チェーン・スコップ・毛布)
  • 子どもの急病に備えて体温計・経口補水液

実家や旅行先でのトラブルがもっとも多いです。


■まとめ|年末年始は“救急が最もつながりにくい季節”

年末年始は、救急の現場にとって 1年間で最大の繁忙期

だからこそ、
家庭でできる備えが命を守る“本当の防災”になります。


●元消防職員としての意見

私は毎年この時期になると、
「1件の遅れが命の明暗を分ける」現場を何度も見てきました。

あなたの家族が救急車を必要とした瞬間に後悔しないよう、
今年の年末年始だけは備えを徹底してほしい と強く思います。

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