【防災士が解説】防災×避難所×子ども防犯|“避難所で子どもを守るためのルールと安全行動”

避難所は「命を守るための場所」ですが、
同時に、子どもがトラブルに巻き込まれやすい環境でもあります。

過去の災害では、避難所で次のような事例が実際に発生しました。

・知らない大人からの声かけ
・スマホ・ゲーム機の盗難
・トイレでの接触トラブル
・見知らぬ人と外出してしまう
・夜間の徘徊

大人にとっての“安全な避難所”でも、
子どもにとっては「危険が潜む場所」になり得ます。

ここでは、防災士の視点で
避難所で子どもを守るための最重要ポイントを解説します。


■① 子どもは「狙われやすい」前提で守る

避難所は環境が特殊です。

・不特定多数の大人がいる
・プライバシーがほぼない
・ストレスで周囲の行動が乱れやすい
・夜、見えにくい時間帯がある

この条件がそろうと、子どもは巻き込まれやすくなります。

👉 まずは 常に視界に入れておく
「守るべき対象」という意識を大人側が持つのが最優先です。


■② 到着したら必ず伝える“安全ルール”

避難所に着いたら、子どもへこの5つを必ず伝えます。

✔ 知らない人について行かない
✔ トイレは必ず大人か友達と一緒
✔ 夜はエリアから離れない
✔ 「イヤ」「やめて」と大声で言っていい
✔ 怪しい人がいたらすぐ報告

短い言葉でOK。
「言葉で伝えるだけ」で安全度が大きく上がります。


■③ 座る場所・寝る場所で防犯力が変わる

子どもの安全は、どの位置で過ごすかで大きく変わります。

🔻安全な場所
・女性・子連れが集まるエリア
・中央付近(人の目が届きやすい)
・スタッフの近く
・夜は必ず明るい位置
・出入口・トイレ付近は避ける

避難所は“雑魚寝の環境”なので、
人目がある場所=最大の防犯 です。


■④ 子どもの持ち物・貴重品は「放置しない」

避難所で起こるトラブルの多くは 盗難

・スマホやゲーム機の置き忘れ
・充電中の持ち去り
・カバン内の財布の盗難

🔻対策
✔ カバンは必ず枕元
✔ 昼寝でも肌身離さず
✔ 名前を書きすぎない(個人情報保護)
✔ スマホ・ゲーム機は絶対に放置しない

“置きっぱなしの時間”が最も危険です。


■⑤ 危険を感じたときの“言葉”を先に渡す

子どもは我慢してしまうことがあります。

だからこそ、避難所で必ず教えるべき言葉があります。

✔ 「嫌です」「やめて」「触らないで」
✔ 「お母さん(お父さん)呼んできます」
✔ 「大声を出して逃げていい」

これは子どもが身を守るための“武器”になります。


■⑥ 子どもを守る防犯アイテム

防災グッズの中に
「子どもの防犯グッズ」も入れておくと安心です。

・防犯ブザー
・ホイッスル
・懐中電灯
・タブレット・スマホ(撮影は抑止力)
・お菓子・飲み物(知らない人からもらわないため)

必要最低限で十分。
“見せる防犯”は犯罪抑止に強力です。


■⑦ 大人同士の連携で「犯罪が起きにくい空気」を作る

犯罪者は 孤立した子・弱い子 を狙います。

🔻大人がつくるべき環境
✔ 親同士で見守り交代
✔ 女性・子どもの専門エリア
✔ 夜は交代で見張り
✔ 子ども同士で固まる
✔ 大人は積極的に声かけ・見守り

“みんなの目がある”環境は、
最強の防犯対策です。


■まとめ|避難所は安全。でも「油断しない」が命を守る

✔ 避難所にもトラブルは起こる
✔ 子どもは巻き込まれやすい対象
✔ 中央・明るい場所を必ず選ぶ
✔ トイレは必ず誰かと一緒
✔ 怖かったら大声・逃げるでOK
✔ 大人同士の連携が最大の防犯

防災は「命を守る準備」。
防犯は「心と体の安全を守る準備」。

避難所で子どもが安心して過ごせる環境は、
周りの大人の行動でつくれます。

小さなルールが、子どもの大きな命を守ります。

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