【防災士が解説】防災×防犯|“災害時に犯罪も増える”は本当。家族を守るための安全対策

地震・台風・停電・大規模災害——
私たちは「命を守ること」に意識が集中します。

しかし、過去の災害では
窃盗・空き巣・車上荒らし・詐欺・性犯罪
といった犯罪が実際に増えています。

災害時は「助け合いの時間」であると同時に、
“犯罪のリスクが高まる時間”でもある のです。

ここでは、防災士の視点で
災害時に家族を守るための「防災×防犯」の考え方を分かりやすくまとめます。


■① 停電・断水は犯罪が増えやすい

災害後は電気・水道の停止、インフラ混乱が起きます。

このとき、周囲はこうなります。

・街灯が消えて暗い
・防犯カメラが停止
・住民が避難し無人の家が増える
・オートロックが解除される建物もある

この状況を狙って、実際に
空き巣・車上荒らし・住居侵入 が発生しました。

🔻対策
✔ 玄関・窓の施錠は必ず
✔ 雨戸・シャッターがあれば閉める
✔ 家を離れるときは近所へ声かけ
✔ 車内には荷物を置かない

「避難するときほど家を無防備にしない」
これが防犯の基本です。


■② 避難所で発生しやすいトラブル

避難所は“安全な場所”というイメージがありますが、完全ではありません。

実際には、過去の避難所で次のトラブルが起きました。

・財布・スマホの盗難
・充電中のスマホ持ち去り
・盗撮・性被害
・子どもへの声かけ・接触トラブル

共同生活で人が多いため、
プライバシーが極端に少ない のが原因のひとつです。

🔻対策
✔ 貴重品は枕元 or 肌身離さず
✔ スマホを充電器に放置しない
✔ 女性・子どもはまとまって過ごす
✔ タオル・毛布で視界を遮断
✔ 不審を感じたら迷わず周囲へ報告

“遠慮しない行動”が、自分を守る力になります。


■③ 災害後は“詐欺”が急増する

災害後は、弱った人につけ込む詐欺が多発します。

代表例は次の通りです。

✔ 「片付けます」と高額請求
✔ 「保険代行します」と金銭要求
✔ 偽の募金・寄付金詐欺
✔ 偽業者による修理契約

高齢者が特に狙われやすく、
実際の災害では大きな被害が出ました。

🔻対策
✔ 自治体・消防・公式が紹介した業者以外は使わない
✔ 急かす業者は危険サイン
✔ 必ず見積もりと契約内容を確認
✔ 不審な電話はすぐ切る

焦りは判断力を奪います。
「一度落ち着く」ことが最大の防御です。


■④ 防災グッズは“防犯アイテム”にもなる

意外ですが、防災グッズは防犯にも強い味方です。

・懐中電灯 → 威嚇・足元の安全
・ホイッスル → 助けを呼べる
・携帯トイレ → 夜間に外へ出ずに済む
・防犯ブザー → 子ども・女性を守る
・モバイルバッテリー → 連絡手段を確保

「防災のつもりで買ったものが防犯にも役立つ」という発想で
アイテムを揃えておくと安心です。


■⑤ 災害時の“家族ルール”が命を守る

災害で連絡が取れない時、家族がバラバラになった時に
命を守るために必要なのは 事前に決めた行動 です。

✔ 家族の合流場所
✔ 連絡手段(SNS・掲示板)
✔ 知らない人の車に乗らない
✔ 子どもは一人で行動しない
✔ 助けを求める言葉を練習しておく

防災は“モノを準備するだけ”では不十分。
行動の準備こそ最強の防災です。


■まとめ|防災と防犯はセットで考える時代

✔ 災害時は犯罪が増えやすい
✔ 停電・断水は家の防犯力が下がる
✔ 避難所でも貴重品管理は徹底
✔ 詐欺に注意、知らない業者と契約しない
✔ 防災グッズ=防犯グッズにもなる
✔ 家族ルールが“最大の命綱”になる

災害時は「助け合い」が大前提ですが、
同時に「自分と家族の安全を守る」ことも大切です。

今日できる小さな対策が、
いざという時に大きな安心につながります。

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