【防災士が解説】防災×冬×停電③|“停電が長期化した場合のサバイバル戦略”

冬の停電が 24時間を超える と、家の中は一気に「生存環境」ではなくなります。
とくに寒冷地では、室温が10℃以下になり、低体温症・脱水・食料不足 が現実的な脅威となります。

ここでは、防災士として“長期停電を乗り切るための具体策”を徹底解説します。


■① 室温10℃を切ったら“移動を検討する”

長期停電で最も危険なのは「家の中が冷え切る」ことです。

▼ 室温が危険域に入る目安

✔ 12℃以下:高齢者や子どもは危険
✔ 10℃以下:低体温リスクが急上昇
✔ 5℃以下:室内でも命の危険

▼ 次の行動を検討

・避難所への移動
・近所の暖房が使える家へ
・親戚の家へ移動

「家にとどまる=安全」ではありません。 冬はむしろ家の中の方が危険になります。


■② 水道の凍結・断水に備えて“水の確保”が最優先

長期停電 → ポンプ停止 → 断水が起きやすくなります。

▼ すぐにやるべき行動

✔ 浴槽に水を貯める
✔ ペットボトルに水を満タン
✔ 鍋・ヤカンにも水を確保
✔ トイレ用にバケツに水をためる

▼ 冬は忘れがちなリスク

・気温が低いほど給水車が遅れる
・水道管破裂が起きる
・道路凍結で給水がストップ

水を確保した家だけが、最終的に生き残ります。


■③ 食料は「火を使わず食べられるもの」が正解

停電が長引くと、ガスや水も制限されるため “加熱しない食料” が重要です。

▼ 冬の長期停電に向く食料

✔ パン・クラッカー
✔ カロリーメイト・羊羹
✔ ゼリー飲料
✔ 缶詰(さば・焼き鳥・フルーツ)
✔ チョコレート(高カロリー)
✔ ナッツ類

▼ 加熱系は“後半に使用”

カップ麺/レトルトは水や燃料を使うため後回しにするのが鉄則。


■④ 体温低下を防ぐ“住居内シェルター戦略”

長期停電では、家そのものが冷蔵庫のようになります。

▼ 実践すべき保温方法

✔ 家の中で一番小さい部屋に移動
✔ 風呂場・脱衣所はなるべく使わない
✔ カーテン+レジャーシートで窓断熱
✔ 入口にタオルを詰めて冷気遮断
✔ 3枚の毛布で“コクーン(繭)構造”を作る

毛布+体温だけで、空間を作れば 外気から+7〜10℃上昇 させることができます。


■⑤ “冬の停電は乾燥にも注意”という落とし穴

寒いのに、乾燥で喉・鼻がダメージを受けます。

▼ 家庭でできる湿度対策

✔ 洗濯物を室内に干す
✔ コップに水を入れ枕元に置く
✔ 濡れタオルを部屋にかける
✔ 口呼吸ではなく鼻呼吸を意識

乾燥は 感染症リスクが急上昇 するため要注意。


■⑥ カセットコンロ・燃料の“正しい使い方”

長期停電では料理にカセットコンロを使う家庭が増えます。

▼ 絶対に守るべきルール

✔ 1回の使用は1〜2分以内
✔ 換気ができない時は使わない
✔ ストーブ代わりに使わない
✔ 火の周囲に布・服を置かない

火災・一酸化炭素中毒は停電時の2大事故です。


■⑦ 寒さと孤立が心を折る“精神的ダメージ対策”

冬の長期停電では、寒さより先に メンタルがやられる ことがあります。

▼ 防災士が推奨するストレス対策

✔ 家族で声を掛け合う
✔ 情報は1〜2時間ごとにまとめて確認
✔ SNSのデマを遮断
✔ 紙の本やトランプで気を紛らわす

不安が大きい時ほど「家族のコミュニケーション」が命を守ります。


■⑧ 高齢者・子ども・持病のある人は“優先的に避難”

低体温症は子どもと高齢者を最初に襲います。

▼ この症状が出たら危険

✔ 手足が冷たい
✔ 震えが止まらない
✔ 顔色が白い
✔ ぼーっとして返事が遅い

1つでも当てはまれば
→ 暖かい場所へ即移動が必要。


■まとめ|長期停電は“想像以上の生命リスク”

✔ 室温10℃以下なら避難検討
✔ 水の確保は最優先
✔ 火を使わない食料が最強
✔ 小部屋への移動・断熱で体温キープ
✔ 一酸化炭素中毒に注意
✔ メンタルケアも災害対策
✔ 子ども・高齢者は早期避難

結論:
冬の長期停電は“寒さが命を奪う災害”です。 防災士として現場で痛感してきましたが、 家の中だから安全とは限りません。 室温・食料・水。この3つを守ることが生き残る鍵です。

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