冬の車中泊(車中避難)は、
低体温症・一酸化炭素中毒・エコノミークラス症候群 の3つが最大のリスクです。
豪雪地帯や停電時の緊急避難、道路滞留(立ち往生)では
「車中泊しか選べない」状況が実際に起きます。
防災士として、冬に安全に車中泊するための
完全マニュアル をまとめます。
■① 冬の車中泊で最も危険な3つの死因
冬の車中泊の死亡事故は、実は毎年起きています。
▼ 主な死因
1️⃣ 低体温症(車はすぐ冷える)
2️⃣ 一酸化炭素中毒(暖房時の排気トラブル)
3️⃣ エコノミークラス症候群(長時間同じ姿勢)
特に吹雪や雪道渋滞では、エンジン停止→凍死のリスクが跳ね上がります。
■② 暖房の“正しい使い方”と絶対ダメな使い方
暖房の使い方を誤ると命に関わります。
▼ 正しい暖房使用
✔ 排気口の雪を30〜60分おきに確認して除去
✔ 少し窓を開けて換気
✔ エンジンは「短時間オン」「長時間オフ」を繰り返す
✔ COアラーム(携帯用)を持っておくと安全度UP
▼ 絶対にやってはいけない
❌ マフラー(排気口)が埋まったまま暖房
❌ 完全密閉して暖房入れっぱなし
❌ 積雪中に就寝しながらエンジンをかける
→ 90%がCO中毒の原因になる行為です。
■③ 車内で体温を守る“布団・寝袋の正しい使い方”
車内は家以上に冷えます。
特に床面は外気と近いので、底冷え対策が最重要。
▼ 正しい保温レイヤー
✔ 座席に毛布+銀マット
✔ 体の上に寝袋+毛布
✔ 首元にタオルで隙間を塞ぐ
✔ 頭・手首・足首を暖める(熱が逃げやすい部位)
これだけで体温保持力が大幅に上がります。
■④ カイロ・湯たんぽの“貼る場所”で暖かさが倍変わる
車内では暖房に頼りすぎないのが安全。
▼ 効果的な貼る場所
1️⃣ みぞおち
2️⃣ 仙骨(腰の中心)
3️⃣ 太ももの付け根
4️⃣ 肩甲骨の間
※末端(手足)に貼っても温まりません。
■⑤ 車中泊で“食べてはいけないもの/食べるべきもの”
冬は代謝を上げる食品が命を守ります。
▼ 食べるべきもの
✔ チョコレート
✔ ナッツ
✔ カロリーメイト
✔ 常温OKのゼリー飲料
✔ 温かい飲み物(ポットがあれば最強)
▼ 食べないほうがいいもの
❌ カップ麺だけ(お湯切れで機能しない)
❌ 水分を奪うスナック菓子
❌ アルコール(体温が下がる)
■⑥ 車内“結露と寒さ”を減らす小技
結露=室内温度が奪われる原因。
▼ すぐできる対策
✔ サンシェードで断熱
✔ 窓にタオル or 断熱パネル
✔ なるべく体の露出を減らす
✔ 少しだけ換気する
窓を完全に閉めると湿気で逆に寒くなる点に注意。
■⑦ 車中泊で最も多いトラブル「エコノミークラス症候群」
冬に車中泊する人の 死亡例で最も多いのがコレです。
▼ 防ぐ方法
✔ 1~2時間ごとに足を動かす
✔ こまめに水を飲む(暖かいものだとベスト)
✔ 座席は少し倒す
✔ 足元に荷物を置かない
長時間姿勢固定は命に関わります。
■⑧ “冬の車中泊セット”で入れておくべき装備
冬の車中泊は、装備で生存率が決まります。
▼ 必須アイテム
✔ 寝袋(冬用)
✔ 銀マット(断熱)
✔ 毛布×1〜2
✔ カイロ
✔ モバイルバッテリー
✔ ライト
✔ 携帯トイレ
✔ 水(1人1日2L)
✔ 食料(3食分)
✔ スコップ(排気口の除雪)
✔ 予備の軍手・靴下
▼ あると安心アイテム
✔ ポータブル電源
✔ 湯たんぽ
✔ サンシェード
✔ COアラーム
✔ ポケットストーブ(車外で使用)
■まとめ|冬の車中泊は“正しい知識”で命を守る
✔ 車は家より圧倒的に冷える
✔ 暖房の使い方を誤るとCO中毒
✔ 体温保持は「底冷え対策」が最重要
✔ カイロは体の中心に
✔ 食べ物は“代謝を上げるもの”を
✔ 長時間姿勢固定は危険
✔ 装備が生死を分ける
結論:
冬の車中泊は正しい知識があれば安全に乗り切れる。 防災士として現場から断言します。 “寒さを甘く見ない”これが最大の防災です。

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