冬の災害や停電時、暖房が使えなかったり効きにくかったりすると、部屋の冷気や隙間風だけで室温が急激に下がることがあります。
そんなときに効果を発揮するのが「防寒テープ」。窓やドアの隙間を塞ぐことで熱の流出・冷気の侵入を防ぎ、室内を温かく保つ手軽な防寒対策です。
今回は、防災視点で「防寒テープ」の使いどころと注意点を解説します。
■① なぜ冬の隙間対策が重要か
冬の室内で暖房を使っていても、窓やドアのわずかな隙間から冷気が入ると、暖房効率が大きく落ちます。特に…
- 窓ガラスやサッシ枠
- ドアの下・隙間
- 引き戸と建てつけが悪い場所
は、知らぬ間に“熱の逃げ道”になりがち。
しかも、冷気の侵入は体表面から熱を奪うため、冬の災害時には「室内の冷え」がそのまま“体温低下 → 体調不良・低体温症”につながりやすいのです。
こうしたリスクを減らすため、まず“隙間をふさぐ”ことが防災・防寒の基本。隙間対策用の防寒テープは、そのための有効手段です。 oai_citation:0‡Nitto Denko
■② 防寒テープとは? 種類と特徴
防寒テープには主に次のような種類があります。使う場所・用途に応じて選び分けましょう。
| タイプ | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| スポンジタイプ / ウレタンタイプ | 厚みがあり断熱性・気密性が高め | ドアの下、サッシ枠の隙間 |
| モヘア/起毛タイプ | 軽くフィット性が高く引き戸向き | 引き戸・窓の隙間 |
| シリコン・ゴム系テープ | 耐久性・防水性に優れ、賃貸にも向く | ドア枠・玄関まわり |
断熱すき間テープを貼るだけで、暖房効率が上がり、室内の寒さを和らげやすくなります。たとえば貼り付け後「暖房設定温度を1℃下げても同じ暖かさになった」という報告もあります。 oai_citation:1‡Business Insider Japan
■③ 防寒テープを貼るべき「優先箇所」
冬の寒さ対策でまずテープを貼ってほしい場所は以下のとおり。
- 窓サッシの枠およびガラスと枠のすき間
- ドアや引き戸の下・横の隙間
- 玄関ドアの床との間
- 冷気が入りやすい窓・扉付近の角・端
- 気密性が低く冷気が漏れやすい部屋の入口
この「隙間=冷気の侵入口」を塞ぐことで、室内の暖かさの維持に繋がります。特に冬の災害時は、「部屋を密閉しておく」ことで、体温低下リスクをかなり下げられます。
■④ 防寒テープの貼り方と注意点
防寒テープを効果的に使うには、いくつかポイントがあります。
- 貼る前に、窓やドア枠まわりのホコリ・水分をきれいに拭き取る。
- テープの幅・厚みが適切か確認。厚すぎると扉が閉まらなくなることもあるので注意。
- 賃貸の場合“跡が残らないタイプ”を選ぶのをおすすめ。
- テープは消耗品。冬の前に貼り替えるか劣化チェックを。 oai_citation:2‡DIY Clip!
- 窓ガラスのみではなく、サッシ枠全体と建具の隙間を意識すること。
これらを守れば、貼るだけで断熱効果が得られ、防寒と省エネにつながります。
■⑤ 防寒テープのメリット(防災観点)
防寒テープによる対策には、防災面でも重要なメリットがあります。
- 暖房効率アップ → 停電後も体温維持しやすい
- 室内の暖気を逃がさない → 低体温症対策になる
- 電気代削減 → 災害中のエネルギー消費抑制
- 窓・ドアからの冷気・隙間風ストップ → 暖房の効果最大化
特に冬の災害では「暖を取る手段が限られる」ことが多いため、こうした“備え”が命を守る可能性を高めます。
■⑥ 防寒テープだけでなく“断熱+隙間対策”を併用
防寒テープは有効ですが、単独では限界があります。できれば以下と併用することで、より高い防寒性が得られます:
- 断熱シートやプチプチシートで窓を二重化 oai_citation:3‡フマキラー
- 厚手カーテン+裾下に断熱マットを併用
- ドア下にドラフトストッパー設置
- 保温カーテンや断熱カバーを利用
こうした多層的対策で、暖房に頼らない強い室内環境をつくれます。
■まとめ|防寒テープは“冬の防災必携アイテム”
- 冬の災害では「冷気の侵入=体温低下」が大問題
- 防寒テープは窓・ドアの隙間を塞ぎ、暖気を守る簡単対策
- スポンジ/モヘア/シリコンなど用途別に選ぶ
- 貼る前に掃除、貼った後のチェックが大切
- 他の断熱対策と併用すると効果最大
結論:
防寒テープは、冬の災害で“暖かさを守る命綱”になる。
防災士として、まず窓・ドアの隙間を防ぐ「隙間対策」を、今年の冬に必ずやっておくことを強くおすすめします。

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