指定難病を抱える人にとって、
災害時の避難は 一般の避難より圧倒的に難易度が高くなります。
- 薬の確保
- 医療機器の電源
- 温度管理
- 体力低下
- 移動の困難
- 感染症リスク
これらが一度に押し寄せるため、
“いつもと同じ生活を維持することが最も重要な防災” になります。
私は【元消防職員・防災士】として
福祉避難所・医療支援・在宅避難のケースを多数見てきました。
その経験から、
指定難病者の防災は 平時の準備がすべて と言い切れます。
💡 指定難病者が災害に弱い理由
- 体調が急変しやすい
- 温度・湿度の変化に弱い
- 薬が切れると危険
- 医療機器の電源が必要
- 避難所でのストレスが大きい
- 感染症に弱い
👉 「避難所に行けば安心」ではなく、
“自宅・車・福祉避難所までのルートをどう確保するか” が主軸。
✅ 防災士がすすめる「指定難病者の命を守る5つの備え」
■ ① 医療情報・薬・処方データの一元化
災害時、医療情報がないと治療ができません。
準備すべきは
- 1週間分の薬(最低ライン)
- お薬手帳
- 処方箋データのコピー
- 病名・症状・禁止薬のメモ
- 主治医・病院の連絡先
👉 医療情報ノート を作るとすぐ行動できます。
■ ② 医療機器の電源確保(生命線)
指定難病者が最も困るのが 停電 です。
必要な対策:
- ポータブル電源
- モバイルバッテリー複数
- 車のシガー電源で動くか確認
- 停電した場合の稼働時間を把握
- 電気なしでも対応できる医師の指示を確認
👉 医療機器の電源は“命の延長そのもの”。
■ ③ 避難は原則「早期避難」
指定難病者は
- 災害当日
- 夜中
- 豪雨の中
など、過酷な条件では動けません。
そのため、
警戒レベル3(高齢者等避難)で避難開始
が鉄則。
■ ④ 避難所は“福祉避難所”が前提
通常の避難所は環境が過酷で、
指定難病者が長時間いると体調が悪化します。
準備:
- 自治体の福祉避難所リスト
- 開設タイミング
- 受け入れ要件
- ケアマネ・相談支援専門員の連絡先
👉 福祉避難所は すべての災害で即開設されるわけではない ため、事前確認が必須。
■ ⑤ 災害想定別の“在宅避難シナリオ”を作る
- 水害 → 早期避難
- 地震 → 自宅の安全性確認
- 停電 → 電源確保
- 冬季 → 電気暖房の代替
- 夏季 → 熱中症対策
在宅避難の環境を整えることが、
指定難病者の命を守る最も現実的な方法です。
⚠️ 指定難病者の防災でよくある失敗
× 薬が3日分しかない
× 電源の確保をしていない
× 避難所の種類を知らない
× 早めに避難しない
× 医療情報がまとまっていない
× 主治医と災害時の対応を相談していない
👉 ほとんどの失敗は 平時に解決できるものばかり。
🌍 実際の被災地であった事例
- 在宅酸素が止まり、救急搬送が遅れた
- 電源が切れて医療機器が動かず在宅避難が不可能に
- 福祉避難所が満床で受け入れが遅れた
- 薬が入手できず症状悪化
- 避難所の寒さで体調悪化
どれも“たった一つの準備”で助かる可能性がありました。
💬 防災士からのメッセージ
指定難病の方は、
災害時に最も守られるべき存在です。
しかし実際は、
制度が追いつかず、助けが届かない場面が多い。
だからこそ、
・家族
・医療機関
・ケアマネ
・自治体
これらが連携した“チーム防災”が必要です。
そして何より
早めの避難と電源確保が命そのもの。
🔋 まとめ:指定難病者の避難は“命の維持が目的の防災”
- 薬と医療情報の一元化
- 医療機器の電源確保
- 警戒レベル3で避難開始
- 福祉避難所の事前確認
- 在宅避難の環境整備
どれも今日から始められる命の対策です。
【元消防職員・防災士】として、
私は“指定難病者こそ、最優先で守るべき存在”だと強く伝えたいです。
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