冬になると多くの家庭で発生する
「ベランダの凍結」。
朝、外に出た瞬間にスケートリンクのように滑り、
転倒・骨折・頭部打撲につながる大きな危険があります。
さらに凍結は
✔ 洗濯物が干せない
✔ ベランダ排水口が詰まる
✔ 停電時の非常動線が使えない
など、災害時にも影響する“見落としがちなリスク”です。
防災士の視点で、ベランダ凍結の原因と対策を徹底解説します。
■① ベランダ凍結は「危険な転倒事故」の温床
冬の早朝や降雪時、ベランダの床は非常に冷えます。
特に以下の環境は凍結しやすい傾向があります。
✔ 北向き・日陰のベランダ
✔ コンクリート素材の床
✔ 排水が悪い場所
✔ 気温1〜3℃で湿気が多い夜
うっすら白い霜が出たら要注意。
その状態から一気に氷へ変わります。
■② ベランダが凍結すると起こる危険
ベランダ凍結は生活と安全の両面に影響します。
✔ 転倒 → 骨折・頭部外傷
✔ 高齢者は要介護リスク増
✔ 排水口凍結 → 浸水の可能性
✔ 雪解け水の逆流
✔ 非常時の避難経路が確保できない
防災士として最も懸念するのは、
「停電時にベランダからの避難ができない」という事態です。
■③ 凍結しやすいベランダの特徴
次の条件が揃うほど凍結リスクが高まります。
✔ 風通しが悪い
✔ 床が冷えやすいコンクリート
✔ 手すりから雪が落ちて溜まる
✔ 排水口が小さい・ゴミが詰まりやすい
✔ 全体が日陰
✔ 1階～2階の低層階
凍結は「気温」よりも
“湿気と排水不良”が大きく影響します。
■④ 今すぐできる簡単な“凍結防止策”
ちょっとした工夫だけで、凍結をほぼ防げます。
✔ ベランダの水気を拭き取る
✔ 前日の夜に排水口のゴミを取る
✔ 植木鉢の下皿の水を捨てる
✔ フロアタイル・玄関マットを敷く
✔ ゴム製のスノーマットを設置
✔ ベランダ床を濡らしたまま放置しない
特に “水を残さない” が最大のポイントです。
■⑤ 凍結時にやってはいけないNG行動
以下は事故や破損につながる危険があるため避けてください。
❌ お湯をまく（凍結して余計危険）
❌ 金属で氷を削る（床が割れる）
❌ 大量の水をかける（排水口凍結→逆流）
❌ 無理に氷の上に乗る
ベランダは建物の一部であり、
“破損＝高額修繕”になることもあります。
■⑥ 凍結してしまった時の安全な対処法
凍結してしまった場合は、次の方法が有効です。
✔ 砂・お米のとぎ汁 → すべり止め効果
✔ 凍結防止スプレー（市販）
✔ ゴムマットを上から敷く
✔ 段ボールを敷いて歩く
✔ 解氷剤（塩化カルシウム）を少量使用
※ マンションの場合、塩化カルシウムは
金属腐食の恐れがあるため“使ってよいか管理会社に確認する”こと。
■⑦ 自宅の“冬災害”として備えるアイテム
防災士として、冬の自宅避難・停電に備えて
以下のアイテムは強く推奨します。
✔ 凍結防止スプレー
✔ ゴム製スノーマット
✔ 玄関・ベランダ用の滑り止め砂
✔ 段ボール（断熱＆滑り止め）
✔ スノーブーツ（ゴム底）
✔ ヘッドライト（夜の凍結確認用）
停電すると外灯が消えるため、
“視界が悪い＋凍結”という最悪の組み合わせになります。
■⑧ ベランダ凍結は“高齢者の事故リスク”が最も高い
冬は高齢者の骨折・頭部外傷が急増します。
✔ ベランダで転倒
✔ 洗濯物干し中の滑落
✔ 夜間の転倒
骨折 → 入院 → 生活レベル低下
という“冬の負の連鎖”が起きるリスクが高くなります。
家族がいる家庭は、
冬だけでもベランダ使用を制限するのも一つの方法です。
■まとめ｜ベランダ凍結は「静かな冬の災害」
- ベランダは早朝に凍結しやすい
- 転倒・骨折が最も多い“危険エリア”
- 排水口のゴミ・水気が凍結の原因
- お湯をかけるのは絶対NG
- ゴムマット・段ボールが即効性あり
- 冬の停電では凍結リスクが数倍に増える
結論：
ベランダ凍結は“家の安全を脅かす冬災害”。 日常対策＋防災視点の準備で確実に防げます。
防災士として、今日から凍結予防を“冬の備えの一つ”として取り入れることを強くおすすめします。
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