冬の深夜や早朝は一番冷える時間帯。
「寒いから暖房はつけっぱなしのほうが安全？」
「でも電気代が心配…」
「火災や故障の危険はないの？」
こうした疑問は、冬の相談で本当に多いテーマです。
防災士としての視点から、
つけっぱなしのメリット・危険性・正しい使い方を
わかりやすくまとめます。
■① 暖房つけっぱなしは“場合によっては安全”。ただし条件あり
冬の深夜は冷え込みが厳しく、睡眠中の低体温やヒートショックリスクが高まります。
特に
- 高齢者
- 乳幼児
- 病気・持病がある人
- 極端に寒い住宅（築年数が古い・断熱が弱い）
では、暖房を完全に切るほうが危険な場合もあります。
条件付きで「つけっぱなし」はむしろ安全性の高い選択肢です。
■② 電気代は上がる？ →「設定を工夫すればそこまで増えない」
つけっぱなし＝電気代が跳ね上がる
…とは限りません。
暖房は
起動時に最も電力を使うため、
つけたり消したりの“オンオフの繰り返し”のほうが高くつくことがあります。
▼コツ
- 設定温度：18〜20℃
- 風量：自動
- 風向き：下向き（暖気が下に降りるため）
- カーテン・断熱シートで熱を逃がさない
この設定なら、つけっぱなしでも電気代の上昇を最小限にできます。
■③ 火災リスクは？ → 暖房器具によって大きく違う
「つけっぱなし＝火災の原因」と思われがちですが、
火災リスクは 暖房の種類で大きく違います。
◆ つけっぱなしでも比較的安全
- エアコン
- オイルヒーター
- パネルヒーター
これらは火を使わず、寝室向きです。
◆ 注意が必要
- 石油ストーブ
- ファンヒーター
- こたつ（布団の焦げ・延焼に注意）
- 電気毛布（長年使用・折り曲げっぱなしで故障リスク）
特に石油ストーブは
- 布団が倒れる
- ペットが近づく
- 着衣着火
などの火災が冬場に多発します。
つけっぱなしにするなら、火を使う暖房は避けるのが鉄則です。
■④ 停電したらどうなる？ → “深夜ほど危険”
冬の停電は、深夜〜早朝の時間帯ほど命に関わります。
- 気温が0〜5℃に急低下
- 睡眠中で気付きにくい
- 暖房が切れても気づけない
- 高齢者は低体温症になりやすい
つけっぱなしでも「停電」は防げないため、
停電時にどう暖を取るかもセットで考える必要があります。
■⑤ つけっぱなしOKな“安全条件チェックリスト”
寝る前に、この5つを確認すればリスクを大きく下げられます。
- 火を使う暖房は使っていない
- 周囲に可燃物（カーテン・布・衣類）が近くにない
- エアコンのフィルターを月1で掃除している
- 室温が20℃以下に設定されている
- 乾燥対策（加湿・水を入れたコップ）がある
特に乾燥は、
- ウイルスが増える
- 喉を痛める
- 静電気→火災リスク
につながるため必須です。
■⑥ 防災の観点からは“分散暖房＋つけっぱなし”が最適
防災士として現場を見てきた経験から言うと、
冬は次のスタイルが最も安全でコスパも良いです。
▼最適解
- エアコンを低め温度でつけっぱなし
＋ - 電気毛布・湯たんぽ・ブランケットで局所的に温める
これにより、
- 室温低下を防ぎ
- 電気代を抑え
- 体温維持を強化し
- 停電してもすぐ低体温にならない
という最強の“冬の防災スタイル”が完成します。
■⑦ つけっぱなしをやめたほうがいいケース
以下の状況では、一度見直したほうが安全です。
- 石油ストーブを布団の近くで使っている
- ペット・小さな子どもがいる
- 古い電気毛布をそのまま使っている
- エアコンが極端に古く異音がする
- 外気温が氷点下で停電リスクが高い（大雪・暴風）
不安がある場合は、
「寝室はエアコン」「他の部屋の暖房は切る」
など、リスクを分散させるのが安全です。
■⑧ 防災士として伝えたい本音：「暖房は我慢しないでください」
冬の災害現場で最も多かったのは、
「寒さによる体調悪化」です。
- 暖房代を節約して低体温に
- 夜間に寒さで心臓に負担
- 入浴時との温度差でヒートショック
- 子どもが夜中に嘔吐・発熱
どれも、“暖房を我慢しすぎたこと”が原因でした。
暖房費は節約できても、
体調を崩せば
医療費・仕事の損失・家族の負担という“もっと大きなコスト”がのしかかります。
■まとめ｜暖房つけっぱなしは「正しく使えば安全・効率的」
- エアコンはつけっぱなしのほうが省エネになることも多い
- 火を使う暖房はつけっぱなし厳禁
- 室温18〜20℃で安全性UP
- 乾燥対策もセットで
- 停電時の“次の一手”を必ず準備する
- 暖房は節約しすぎると健康リスクが増大
結論：
暖房のつけっぱなしは「条件を守れば安全で防災効果も高い」。我慢よりも、正しい使い方こそが家族を守る最大の防災です。
防災士として強くお伝えします。
冬の夜は「寒さを我慢しないこと」が、一番の命を守る行動です。
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