【防災士が解説】防災×冬×避難所の乾燥対策|風邪・インフル・肌荒れ・静電気を防ぐ“冬の命を守る工夫”

冬の避難所は、暖房・人の密集・換気不足が重なり
「極端な乾燥環境」 になりやすく、
風邪・インフルエンザ・肌トラブル・静電気が一気に増えます。

被災地派遣の経験でも、冬の避難所では
「喉の痛み」「咳」「目の乾き」「鼻血」「肌荒れ」
が多発していました。

この記事では、防災士の視点から
“冬の避難所で乾燥から身を守る方法”を徹底解説します。


■① 冬の避難所が乾燥しやすい理由

避難所の体育館や公民館は構造上、冬に乾燥しやすい環境。

  • 暖房の長時間使用
  • こまめな換気が難しい
  • 床が広く冷えやすい
  • 人の体温で湿度が上がらない
  • 隙間風で湿度が逃げる

特に暖房の直風が続くと、湿度は30%以下に低下します。


■② 乾燥が引き起こす健康リスク

乾燥は“地味な不調”から“重症化”まで起こし得ます。

  • 喉の痛み・声枯れ
  • 気管支炎
  • インフルエンザ感染率が上がる
  • 目の乾燥・結膜炎
  • 肌荒れ・あかぎれ
  • 静電気増加 → 小火のリスク

避難所では医療アクセスが限られるため、
乾燥対策は感染予防そのもの です。


■③ 水分補給のコツ(冬でも脱水する)

冬は喉が渇きにくいですが、脱水は普通に起きます。

  • 1日1.0〜1.5Lを目安に飲む
  • 温かいお茶・白湯が安心
  • 一度に飲まず“こまめに少量”
  • 咳予防のため「のど飴」も有効

特に高齢者は冬場の“隠れ脱水”が非常に多いです。


■④ 寝るスペースの乾燥対策

避難所は雑魚寝が中心。
周囲との距離が近く、乾燥+飛沫の影響を受けやすくなります。

対策は次の通り。

  • マスクをして寝る
  • バスタオルを1枚首元にかけて保湿
  • 寝る位置は暖房の風が直接当たらない場所
  • 仕切りがあるなら“上部分”を少し閉じて湿度を保持
  • のどスプレー・保湿クリームを就寝前に使用

暖房の直風は体温奪う+乾燥のダブルパンチです。


■⑤ 低コストでできる乾燥対策

避難所では専用の加湿器がないことが多いため、
誰でもできる「簡易加湿」が鍵になります。

  • 濡れタオルを干す
  • ペットボトル+タオルの簡易加湿器
  • コップ1杯の水を枕元に置く
  • 洗濯物を室内で干す
  • 湯たんぽのお湯を再利用して加湿

特に濡れタオルは 加湿・喉保護・静電気防止 の三役を担います。


■⑥ 肌荒れ・手荒れ対策

乾燥が続くと、
あかぎれ → 出血 → 細菌感染
につながる場合もあります。

  • ハンドクリームは“こまめに”
  • アルコール手指消毒の後は必ず保湿
  • かゆみがひどい場合は早めに相談
  • 顔の乾燥はワセリンが最強

アレルギー体質の人ほど乾燥に弱いので要注意です。


■⑦ 子ども・高齢者は乾燥に弱い

子どもは体表面積が大きく、
高齢者は喉の粘膜が弱く、乾燥の影響が大きく出ます。

  • のど飴・白湯を常備
  • マスクは柔らかい素材
  • 寝るスペースは暖房直風を避ける
  • 肌の乾燥にはワセリン

家庭で用意していくと避難所でも安心です。


■⑧ 避難所運営側ができる乾燥対策(知識として)

個人対策に加えて、運営側の工夫も大きいです。

  • 加湿器の設置(あれば)
  • 濡れタオルを各所に吊るす
  • 夜間は暖房の風向きを下向きに
  • 定期換気で“適度に”湿度を調整
  • 声が出るスタッフ配置で乾燥チェック

避難所はみんなで作り上げる“共同の安全空間”。


■まとめ|冬の避難所は「乾燥=感染リスク」。小さな工夫が命を守る

冬の避難所は高確率で乾燥し、風邪・インフル・肌荒れが起こりやすい環境です。

結論:
乾燥対策は“感染予防・健康維持”に直結する命を守る行動。

  • 暖房直風は避ける
  • 水分補給を意識的に
  • 寝る前は首元・喉の保湿
  • タオルや水で簡易加湿
  • こまめな保湿で肌を守る

防災士として現場を経験して強く感じるのは、
「乾燥は“静かな災害”である」ということ。

わずかな工夫で、
あなたと家族の体調トラブルを確実に減らせます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました