【防災士が解説】防災×冬×避難所の体調管理|寒さと乾燥から命を守る「冬の避難生活術」

冬の避難所は、
寒さ・乾燥・ストレス・密集 が重なり、体調を崩しやすい最悪の環境です。

実際、過去の災害では
・脱水症状
・インフルエンザ集団感染
・低体温症
・子どもの嘔吐・下痢症
・高齢者の持病悪化
などが多数発生しています。

この記事では、防災士の視点から
「冬の避難所で体調を守るための具体策」をわかりやすく解説します。


■① 冬の避難所が“体調を崩しやすい”理由

冬の避難所では、普段の生活と大きく環境が変わります。

  • 室内が冷え込みやすい
  • 乾燥で喉・鼻が弱る
  • 密集による感染リスク
  • ストレスで免疫が低下
  • 睡眠不足
  • 食事・トイレ環境の悪化

この「6つの悪条件」が重なるため、体調不良が連鎖しやすくなります。


■② 暖かく過ごす工夫が“最優先”

冬の避難所で最も危険なのは低体温症です。

▼寒さ対策のポイント

  • 毛布は“羽織る+敷く”で二重に
  • ダンボールで床の冷気を遮断
  • 首・手首・足首を重点的に温める
  • カイロは腰・お腹・背中に
  • 靴下を重ねるより“厚手1枚”が効果的
  • 濡れた服はすぐ交換

体温が1℃下がると免疫が大きく低下します。


■③ 適度な湿度を保つと喉・肺が守られる

乾燥は、
✔ インフル
✔ 風邪
✔ 肺炎
の大きな原因です。

▼加湿の工夫(設備がなくてもできる)

  • 濡れタオルを干す
  • 水を入れたコップを置く
  • ペットボトル加湿
  • マスク着用で喉の保湿
  • 就寝時にタオルを枕元へ

湿度40〜60%を目指すと感染リスクが下がります。


■④ 食事・水分摂取を怠ると免疫が落ちる

冬は喉が乾きにくいため、知らないうちに脱水になります。

▼水分と栄養の取り方

  • 温かい飲み物を意識して飲む
  • 水・お茶・スポーツドリンクを常備
  • ゼリー飲料やカロリーメイトでカロリー補給
  • “食べられる時に食べる”習慣
  • 子どもは特にこまめに水分補給

脱水は頭痛・眠気・倦怠感の原因にもなります。


■⑤ 睡眠を確保できる仕組みづくり

睡眠不足は、体調悪化の最大要因のひとつ。

▼寝やすくするコツ

  • 耳栓・アイマスクを利用
  • なるべく静かな場所を選ぶ
  • 毛布や衣類で枕を調整
  • 寝る前に温かい飲み物を飲む

「寝られない避難生活」が続くと、免疫力は一気に落ちます。


■⑥ 持病のある人は“いつも以上の管理”が必須

避難所では、薬の時間管理も乱れやすいです。

▼持病のある人のポイント

  • 薬は必ず手元に
  • 服薬時間のメモを作る
  • 気分が悪い時はすぐスタッフへ
  • 食事制限がある場合は必ず相談
  • 高齢者は冷えが命に関わるため要注意

避難所では「遠慮せず相談」が一番の安全策です。


■⑦ 感染症対策は“個人の努力”が最も効果的

避難所の感染症は、
「自分で守る」「家族で守る」ことが基本。

▼対策

  • マスク着用
  • 手指消毒
  • うがい
  • トイレ後の手洗い徹底
  • 人の密集を避けて寝る
  • 食器やタオルの共用をやめる

特に子どもと高齢者は感染しやすいため要注意。


■⑧ メンタルケアも“体調管理の一部”

災害時のストレスは、身体の抵抗力を確実に下げます。

▼心の安定のためにできること

  • 家族で声をかけ合う
  • 子どもには“いつも通りの会話”を
  • 深呼吸を数回行う
  • スマホで好きな音楽を聴く
  • 誰かに相談する

「頑張りすぎない」ことが体調管理の第一歩です。


■まとめ|冬の避難所では“寒さ・乾燥・睡眠”が命を左右する

冬の避難所は、体調を崩すリスクが非常に高い環境です。

結論:
寒さを防ぐ・乾燥を防ぐ・睡眠を守る。この3つが命を守る最重要ポイント。

防災士として現場を経験して強く感じるのは、
「避難所の体調管理は、自分でできる準備が9割」ということ。

小さな工夫が、
あなたと家族の体調を大きく守ります。
今日からできることを少しずつ取り入れてください。

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