冬はただでさえ空気が乾燥しますが、
停電・暖房不足・避難所生活が加わると
目の乾燥(ドライアイ)が一気に悪化します。
視界がぼやける、ゴロゴロする、痛む――
これらは災害時に集中力を奪い、避難判断にも影響する重要な問題です。
■① 冬災害で目が乾燥しやすい理由
冬の空気+災害環境が重なると、目の水分が一気に奪われます。
特に避難所では
✔ 暖房不足で湿度20〜30%
✔ 乾燥した体育館の強い風
✔ 粉じんや埃
✔ 夜間照明の乾燥
✔ 水が使えず洗顔ができない
これが合わさって 目の乾燥が急激に悪化 します。
■② 目の乾燥を悪化させるNG行動
災害時は普段以上に“目に悪い行動”をしがち。
❌ 目をこする
→ 炎症・角膜傷の原因
❌ コンタクトのまま寝る
→ 最悪、角膜障害・感染症
❌ 加湿なしでスマホ長時間
→ 乾燥と疲れ目が急増
❌ 洗顔できずに汚れが蓄積
→ まぶた炎症につながる
災害中はいつもより目が敏感になっているので注意。
■③ 避難所でできる“目の乾燥対策”
水が使いづらくてもできる対策は多いです。
✔ メガネに切り替える(コンタクトは短時間のみ)
✔ 夜は目を閉じて休ませる時間を増やす
✔ タオルを濡らして絞り、枕元に置く(簡易加湿)
✔ LEDライトを直接目に当てない
✔ 目の周りを清潔に保つ
避難所の中央は特に乾燥が強い場合があります。
夜間は壁・仕切り側の方が湿度が高めです。
■④ 停電時の室内乾燥も危険
停電で暖房が使えないと
「寒い=湿度が高い」と思うかもしれませんが実は逆。
✔ 室温低下 → 空気の保湿力ダウン → 相対湿度急低下
✔ 暖をとるためのカイロ・ストーブ → さらに乾燥
そのため、停電中は
冬でも湿度20%以下 になる家が多いです。
■⑤ 目が乾燥すると避難判断が遅れる
視界がぼやけると次のようなリスクが増えます。
● 夜の避難で段差に気づけない
● 車の運転でライトが滲む
● 避難所で掲示物・情報が読めない
● 子どもの行動を目で追えない
● 作業中のミス増加
視界のクリアさは 命を守る判断力 に直結します。
■⑥ 冬用の“目の備蓄アイテム”
非常持ち出し袋に入れておくと非常に役立つものはこちら。
✔ 防腐剤フリーの目薬
✔ コンタクトの予備・保存液
✔ メガネ(避難時は最強)
✔ まぶたを拭ける清潔シート
✔ マスク(目の乾燥を防ぐ効果あり)
✔ 使い捨てホットアイマスク
特に「メガネ」は災害時の必須アイテム。
普段コンタクトの方は絶対に入れておきましょう。
■⑦ 冬の避難所で目を守る生活習慣
目の乾燥を防ぐには、ちょっとした工夫が効果大。
✔ まばたきを意識的に増やす
✔ スマホは30分に1回休憩
✔ 夜は暗い場所に移動して光量を下げる
✔ 横になった状態で目を休ませる
✔ 目の周りにワセリンを薄く塗る(風よけ)
乾燥・光・埃の3つを避けるだけでトラブルが激減します。
■⑧ 子ども・高齢者は特に乾燥しやすい
避難所で乾燥症状が重くなるのは
✔ 子ども
✔ 高齢者
✔ アレルギー・ドライアイ持ち
✔ コンタクトユーザー
子どもはまばたきが少なく、
高齢者は涙の量が減るため、症状が出やすいです。
家族全員で“目のケアセット”を一つ作っておくと安心です。
■まとめ|冬の災害では「目を守る対策」が生存率を上げる
✔ 冬は乾燥と粉じんで目がトラブルを起こしやすい
✔ 避難所は湿度20%台でドライアイが急増
✔ コンタクトよりメガネが安全
✔ 加湿・目薬・光対策が効果的
✔ 目の乾燥は避難判断や安全行動に影響する
結論:
冬の災害では“目を守る=命を守る行動”になる。
防災士として避難所を見てきましたが、
目の乾燥で頭痛・不調が出る人は非常に多く、
避難生活のストレスや判断力低下を招きます。
乾燥する冬だからこそ、
“目のケア”を非常袋の標準装備にしておいてください。

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