冬になると必ず増えるのが 日陰路面でのスリップ事故。
実は、冬の道路の中でも
日陰は最も凍結に気づきにくく、事故率が非常に高いポイントです。
防災士として、冬の道路事故や災害対応を経験してきた立場から
日陰路面の危険性・対策・歩行時の注意点をわかりやすく解説します。
■① 日陰は“一番凍りやすく、一番溶けにくい”
日陰が危険な理由はシンプル。
✔ 太陽が当たらないから温度が上がらない
氷点下のまま、路面がずっと冷え続ける。
✔ 一度凍ると、夕方になっても残りやすい
他の場所が解けていても、日陰だけ氷が残る。
✔ 何度も凍結→再凍結を繰り返す
表面がカチカチになる“鏡面仕上げ”。かなり滑る。
つまり、
「他は乾いてるのに、日陰だけ氷のまま」
という状況が日常的に起こります。
■② 見た目では絶対に判断できない
日陰路面の最大の危険はこれ。
✔ 濡れて見えるだけ
✔ 乾いているように錯覚する
✔ 氷が透明で分からない（ブラックアイスバーン）
“濡れてるだけかな？”と思った瞬間に滑る事故が多発。
経験上、事故現場の多くは「見た目で気づけなかった場所」です。
■③ 日陰で多い典型的な事故
冬の事故レポートで必ず出てくる現象です。
● カーブの日陰で横滑り
● 交差点手前の日陰で急ブレーキ→スピン
● 歩行者が影の部分だけで転倒
● 自転車が全く止まらず転ける
● 坂道の日陰でスリップして登れない・下れない
日陰＝事故の温床です。
■④ 日陰に入る前の“3つの行動”
日陰に入る前に、次の3つを徹底するだけで事故を大幅に減らせます。
✔① スピードを落とす（40km以下推奨）
速度が高いほど、滑った時に制御ができません。
✔② ブレーキは影に入る前に済ませる
影の中での急ブレーキは事故の原因。
✔③ 車間距離は通常の3倍
前車のスリップに巻き込まれない距離を必ず空ける。
■⑤ 日陰の危険ポイントを覚えておく
日陰になりやすい場所はほぼ決まっています。
✔ 建物の横
✔ 高速道路の防音壁沿い
✔ 山間部のカーブ
✔ 橋の下
✔ トンネル出口
✔ 大きな車が止まっていた後
✔ 早朝の北側の道路
「影になっている場所は全部危険」という認識が重要です。
■⑥ 歩行者・自転車が特に危険
日陰は歩行者事故が非常に多いポイント。
歩行者の注意点
✔ 乾いて見える部分こそ滑る
✔ スニーカーのまま歩くと転倒しやすい
✔ 凍ったタイルは特に危険
✔ ポケットに手を入れたまま歩かない（転倒時に骨折しやすい）
自転車はほぼ制御不能になるので、
日陰路面は自転車を降りて押すのが安全です。
■⑦ スリップした時の対処法
滑った時は「しない方が良い行動」があります。
❌ ブレーキを踏む
❌ ハンドルを急に切る
❌ アクセルを踏み直す
正しい行動は…
✔ アクセルを離す（自然減速）
✔ ハンドルは固定して慌てない
✔ ゆっくり車体が戻るのを待つ
無理に操作すると、スピンして対向車線へ飛び出す危険があります。
■⑧ 大雪・寒波の日は“日陰を避ける”判断も必要
次の条件がそろう日は、日陰路面の事故率が激増します。
✔ 早朝
✔ 前夜が雪／雨
✔ 気温0℃前後
✔ 北側の道
✔ カーブや坂道がある道
この条件の日は、
遠回りでも日陰のないルートを選ぶ方が安全。
無理な通勤・通学は“命にかかわる選択ミス”になることがあります。
■まとめ｜日陰＝冬の最強の“隠れた凍結スポット”
✔ 日陰は凍りやすく、溶けにくい構造
✔ 見た目で凍結を判断するのは不可能
✔ 日陰に入る前の減速が命を守る
✔ 車も歩行者も、自転車も事故リスク大
✔ 避けられるなら日陰ルートを回避する決断も必要
結論：
冬の「日陰路面＝全部凍っている前提」で動く。それが最も安全な防災行動。
防災士として現場を見てきた経験上、
日陰路面の事故は「気づかない1秒」で人生が変わりかねません。
今日から必ず意識してください。
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