冬の道路トラブルで最も多いのが スタック(雪・氷で動けなくなる状態)。
一度ハマると、脱出に1〜3時間、最悪は救援待ちになることもあります。
防災士として雪害・車両救助の現場を見てきた経験から、
“スタックしないための技術と準備”を徹底解説します。
■① スタックは「急操作」で必ず起きる
スタックの原因の8割はこれです。
❌ 急アクセル
❌ 急ハンドル
❌ 急ブレーキ
雪道では車輪が雪や氷を削ってしまい、タイヤが空転 → スタックの悪循環に。
正解は…
✔ とにかく「ゆっくり」出る
✔ アクセルは“じんわり”1~2cmだけ
✔ 少しでも空転したら即アクセルOFF
“空転させない” が最強の防災行動です。
■② 停車位置の選択が7割を決める
冬は止まる場所に注意するだけでスタックの大半を防げます。
❌ 雪が積もった路肩
❌ 坂の途中
❌ 日陰の凍結ポイント
❌ 除雪が甘いコンビニの入口
❌ 車道から1段下がる駐車場(段差でハマる)
✔ できるだけ平ら
✔ 除雪されている場所
✔ 風が当たらない場所
これだけでスタック率は劇的に下がります。
■③ 出発前にやるだけで全然違う「スタック予防」
雪道を走る前に次をPOINTで確認。
✔ タイヤの溝
スタッドレスは溝が浅いと性能ゼロになります。
✔ 空気圧
雪道は適正圧で走るのがベスト。
✔ 車の雪を完全に払う
ボンネットの雪が溶けて凍ってワイパーが固まると事故の原因に。
✔ チェーンを“積んでおく”
装着しなくても持っておくだけで行動に幅が出る。
■④ 発進は「2速発進」が効果的
ATでも“雪道モード”や“2”を選べる車があります。
低速ギアはトルクが強く、空転しやすいので、
2速でトルクを抑えて発進すると安定しやすい。
■⑤ 坂道は“勢い”ではなく“準備”
坂で止まった車は高確率でスタックします。
✔ 坂に入る前に十分に減速
✔ 急加速しない
✔ 上り坂は一定のスピードのまま進む
✔ 下り坂はエンジンブレーキでゆっくり
坂の途中で止まらない運転が重要です。
■⑥ どうしても空転したら「左右に小刻みにハンドル」
空転が始まったら…
✔ ハンドルを左右に少しゆする
→ タイヤが別の雪面を噛む
✔ 停止してタイヤ前の雪を避ける
✔ アクセルは最弱で
空転中にアクセルを踏み続けるのは絶対NG。
■⑦ スタック防止の“車載アイテム”が最強
車に積んでおくだけで、スタックリスクが激減します。
✔ スコップ(折りたたみ可)
✔ 牽引用ロープ
✔ けん引フック位置メモ
✔ 砂・猫砂
✔ スタック脱出プレート
✔ 懐中電灯
✔ 手袋・長靴
✔ 毛布・カイロ(待機中の防寒)
特に 雪をどかせるスコップ+脱出プレート は最強の組み合わせです。
■⑧ 駐車場の“段差”はスタックの落とし穴
冬の事故で多いのが…
❌ 車道 → 駐車場の2〜5cmの段差で腹を打つ
→ タイヤが浮き、四輪が空転 → 完全スタック
入る前に必ず…
✔ 段差があるかチェック
✔ 斜めにゆっくり入る
✔ 滑りやすい店の出入口は避ける
■⑨ 深雪は“ゆっくり、止まらず”が基本
新雪のエリアは、止まった時点でアウト。
✔ 止まらないよう一定の速度
✔ 直進をキープ
✔ ハンドルを急に切らない
✔ アクセル一定
「止まらない」が最大のスタック回避術です。
■まとめ|スタックは“技術+準備”でほぼ防げる
✔ 急操作は全てNG
✔ 発進は弱いアクセル・2速
✔ 日陰・坂・段差は避ける
✔ スコップ・脱出プレートを積む
✔ 駐車位置に気をつける
✔ 深雪は一定速度で止まらない
✔ 空転したらすぐアクセルOFF
結論:
冬のスタックは「慎重さ」と「準備」でほぼゼロにできる。
防災士として多くの冬の事故現場を見てきましたが、
スタックは正しい知識を持てば確実に防げる“予防できる災害”です。
今日からこの運転を実践してください。

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