【防災士が解説】防災×冬×車の屋根の雪落としは“命を守る行動”です

冬の積雪で見落とされがちなのが 「車の屋根に積もった雪」
実はこの雪、運転中に落下して 事故・視界不良・追突・多重事故 を引き起こす、
非常に危険な“冬の災害要因”です。

防災士として雪害対応に携わってきた経験から、
車の屋根の雪がなぜ危険なのか、正しい落とし方、放置したときのリスクを解説します。


■① 車屋根の雪は“走行中に前へ落ちる”

走り出してすぐは問題なくても
ブレーキを踏んだ瞬間、雪がフロントガラスへ滑り落ちるケースが多発。

すると…

● 視界が完全に遮られる
● ワイパーが動かない
● パニックで急ブレーキ
● 追突事故・路外逸脱につながる

雪が固まっているとワイパーで弾けず、
「真っ白で何も見えない」状態になります。


■② 屋根の雪は“後続車への殺人飛来物”になる

高速道路・バイパスで特に危険。

● 走行風で雪の塊が後方に飛ぶ
● 追走車のフロントガラスに直撃
● タイヤで巻き上げ → 多重事故
● ルーフキャリアの氷が凶器化

雪ではなく“氷の板”になっていることもあり、
事故の原因調査では「屋根の氷片」がしばしば問題になります。


■③ 屋根の雪が原因で“車の暖房も効かなくなる”

雪が重いと車体が冷え、
・曇りやすい
・エアコンが効きにくい
・雪が溶けて車内に結露

など、冬の快適性や安全にも影響。


■④ 正しい「屋根の雪の落とし方」

危険を防ぐために、以下の方法が最も安全です。

✔ 1|スノーブラシ(長柄)を使う

手では届かないため、必ず長尺アイテムを使用。

✔ 2|前後左右の端から手前へかき出す

一気に押すと重くて車に傷をつけるのでNG。

✔ 3|氷板は無理に剥がさない

無理するとボディに傷。
暖房で車体を温めながら徐々に。

✔ 4|ドアの上部(モール)に雪が残らないよう注意

ここが凍るとドアが開かなくなる。


■⑤ 絶対にやってはいけない雪落とし行動

雪害現場でよく見た“危険な行動”です。

❌ アイスバーンの上に乗って作業
→ 転倒・骨折が最も多い事故

❌ ドアを開けて踏み台にする
→ ドアが歪んで開閉不能に

❌ 上から雪を落とし、足元が埋まる
→ 出庫できない・転倒リスク

❌ 車を動かしながら雪を飛ばす
→ 道路交通法違反&重大事故原因


■⑥ 屋根の雪放置で起こる“車の故障”

放置すると車へのダメージも深刻。

● 車体が重さで凹む
● アンテナ破損
● 誤作動(カメラ・センサー)
● 凍結でドアが固まる
● ルーフキャリアの破損

特に最近の車はセンサー類が多いため、
雪の重みやズレで故障が起きやすいです。


■⑦ 雪の落とし忘れが事故の原因になるケース

実際の雪害では…

● コンビニから出て急発進した瞬間に雪が前落下
● 高速で屋根の氷が飛び後続車が横転
● 停車中に屋根雪が落ちて通行人に直撃
● バスの屋根雪落下で歩行者負傷

雪は“移動する凶器”。
少しの油断が他人の命を奪うことさえあります。


■⑧ 冬の運転前の「屋根雪チェックリスト」

運転前の30秒で命が守れます。

✔ 屋根の雪をすべて落としたか
✔ フロント&リアガラスの上部は?
✔ プリウスなど傾斜のある車種は特に注意
✔ ステップ・ドア上の氷の有無
✔ バックカメラ周囲の雪
✔ シャークアンテナの周囲


■まとめ|「屋根の雪を落とす」は冬の命を守る基本行動

✔ 屋根の雪は前にも後ろにも落ちて事故を招く
✔ 飛散すると後続車に大ダメージ
✔ 車の暖房・安全装備にも悪影響
✔ 冬の運転前は必ず屋根チェック
✔ 落とすだけで事故の9割が防げる

結論:
屋根雪を落とす行動そのものが“冬の防災”。

防災士として雪害の現場を見てきましたが、
「落としてさえいれば防げた事故」が本当に多いです。
今日から“車の屋根の雪ゼロ”を徹底してください。

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