【防災士が解説】防災×冬×エンジン暖機|“冬の災害時”に正しく暖機する理由と安全ポイント

冬の朝、車のエンジンをどう扱うかで
✔ 視界
✔ 暖房
✔ 車の故障リスク
✔ 災害時の移動安全
が大きく変わります。

特に豪雪・停電・大寒波で車に頼る場面では、
エンジン暖機(ウォームアップ)は命に直結する大切な準備行動です。

ここでは「正しい暖機のやり方」「やりすぎの危険」「災害時のポイント」を
防災士としてわかりやすく解説します。


■① エンジン暖機とは?|冬の走行を安全にする“準備運転”

エンジン暖機とは、エンジン・オイル・冷却水の温度を上げ、車の機能を安定させるための動作

冬は気温が低く、

✔ エンジンオイルが固い
✔ 燃焼が安定しない
✔ ガラスが曇る・凍る

こうした状態でいきなり走ると、故障や事故の原因になります。


■② 暖機が必要な理由|冬は「視界確保」と「安全走行」の準備時間

暖機することで得られる大きな効果は4つ。

● ① ガラスの曇り・霜が取れる

→ デフロスターが効くまでの時間短縮

● ② エンジンの動きが安定

→ ノッキング・ガタつきの防止

● ③ 暖房が早く効く

→ 低体温リスクの軽減(特に災害時の車中避難)

● ④ バッテリー負担が減る

→ 冬は弱りやすいため故障防止に重要

“いきなり走り出す”は冬の事故要因のひとつです。


■③ 正しいエンジン暖機の方法

最新車は長時間の暖機は不要。
必要なのは 30秒〜2分の短い暖機 だけ。

【最適な手順】

① エンジンON
② デフロスターON
③ A/C(除湿)ON
④ 風量・温度を高めに設定
⑤ 30秒〜2分待つ
⑥ ゆっくり発進し、走行しながら自然に暖める

“止まったまま10分暖機”は燃費悪化・故障リスクの原因です。


■④ やってはいけない暖機(危険行為)

❌ 長時間アイドリング

→ ガソリン消費+エンジン内が汚れる

❌ 車庫内でエンジンをかけ続ける

→ 一酸化炭素中毒の危険

❌ 霜取りを車内暖房だけでやる

→ 5分以上かかり視界不良運転になりやすい

❌ 車に雪が積もったまま発進

→ 屋根雪落下→事故(実際に死亡事故も)

冬は「短く・効率的に」暖機するのが安全。


■⑤ 災害時こそ“暖機”が重要になる理由

大雪・停電で車が命綱になるケースがあります。

● 冬の車中泊

→ エンジンが冷えきる前に暖機で効率UP
→ デフロスターが使えないと結露→凍結

● 避難移動

→ 視界が悪い状態での発進は危険
→ 出発前の2分暖機で安全性が大きく変わる

● 渋滞・立ち往生

→ バッテリーが弱るのを防ぐ
→ 暖房の効きが安定する

冬の災害時は「車が守ってくれる家」のような存在になります。


■⑥ EV(電気自動車)・ハイブリッドは暖機が必要?

EV

→ エンジンがないため“暖機は不要”。
→ ただし 電池消費が激しいため暖房の使い過ぎに注意

ハイブリッド

→ エンジン暖機は必要。ただし短くてOK。
→ 冬はエンジン作動時間が増えるのが一般的。

どちらにせよ、視界の曇り取り(デフロスター)は必須です。


■⑦ 暖機と同時に行うべき“冬の安全チェック”

暖機中の2分間でできる防災行動👇

✔ 屋根の雪を落とす
✔ ライトの凍結チェック
✔ タイヤの雪詰まり確認
✔ ワイパーを戻す(上げてる場合)
✔ 排気口が雪に埋まっていないか確認(重要!)

排気口が埋まると
→ 一酸化炭素中毒の危険あり
→ 実際に毎年死亡事例があります


■⑧ 暖機で節約できる?|燃費と安全性のバランス

「暖機するとガソリンがもったいない」と思う人も多いですが、
短い暖機は逆に燃費を良くします。

理由:
→ エンジンが温まらないまま走ると燃焼が安定せずガソリンを多く使うため。

安全性も上がるので、結果的に暖機はメリットが大きいです。


■まとめ|冬の安全運転は“2分の暖機”が守ってくれる

✔ 冬のエンジン暖機は30秒〜2分で十分
✔ 視界・暖房・エンジン保護に大きな効果
✔ 災害時の移動・車中泊で命を守る重要行動
✔ 長時間アイドリングや車庫内暖機は危険
✔ 暖機中に「雪・排気口・ライト」を同時チェック
✔ EVは暖機不要だが、結露対策は必要

結論:
冬は“短く効率的な暖機”が、命と車の安全を守る最初の防災行動。

防災士としても、
冬の朝は必ず「2分の準備」を強くおすすめします。

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