【防災士が解説】防災×冬×電柱倒壊|大雪・凍結・強風で電柱が折れる理由と“停電から命を守る対策”

冬は 電柱倒壊(電柱が折れる/傾く/倒れる) が急増する季節です。

✔ 大雪で電線が重みに耐えられない
✔ 路面凍結で車がスリップ→衝突
✔ 強風や吹雪で電柱が傾く
✔ 着雪で電線が切れる
✔ 老朽化した電柱が雪に負ける

電柱倒壊は 停電・火災・交通マヒ・救急遅延 につながる重大インフラ被害。
防災士として、冬の電柱倒壊に備えるポイントを解説します。


■① 冬に電柱倒壊が増える理由

冬の天候は、電柱に“複数の負荷”を与えます。

  • 着雪・着氷で電線が数倍の重さになる
  • 強風で電柱の根元が揺さぶられる
  • スリップ事故で車が電柱へ突っ込む
  • 凍土のゆるみで電柱が傾きやすい
  • 老朽化した電柱は特に弱い

特に「湿った重い雪」は電線を一気に引き下げ、倒壊を引き起こします。


■② 電柱が倒れると何が起きる?

電柱倒壊は“ただの停電”では終わりません。

  • 大規模停電
  • 信号停止 → 交通事故多発
  • 電線落下 → 感電リスク
  • 消防・救急の通行遅れ
  • 暖房停止 → 室内低体温症の危険
  • 病院・介護施設の機器トラブル
  • 通信障害(Wi-Fi・携帯基地局にも影響)

1本の電柱倒壊で、地域全体が止まることがあります。


■③ 電柱が倒れそうな時の危険サイン

次のような状態を見たら近づかないこと。

  • 電柱が明らかに傾いている
  • 電線がたわんで頭上に近い
  • バチッ!という音
  • 火花が散っている
  • 周囲が焦げ臭い
  • 電柱の根元の雪が割れている

倒れていなくても、すでに危険です。


■④ 電柱倒壊を見つけた時の行動

電柱を“撮影したり近づいたり”は絶対NG。

● 正しい行動

✔ 10m以上離れる
✔ 近くの人に声かけ(子ども・高齢者を遠ざける)
✔ 電力会社 or 119に通報
✔ 車が近づかないように誘導

特に濡れた雪・道路・車は電気が通りやすく、感電の危険が高いです。


■⑤ 冬の停電に備える家庭の防災術

電柱倒壊は復旧に数時間〜数十時間かかることがあります。
冬の停電は「家の中で低体温症」が最大のリスク。

● 家に必ず備えてほしいもの

  • LEDランタン
  • モバイルバッテリー
  • カイロ・毛布
  • ガスコンロ(IHが使えない)
  • 水 3L/人
  • 使い捨てカイロ
  • 断熱シート(窓に貼る)

特に暖房停止は命に直結します。


■⑥ 車内で待避するときの注意

電柱倒壊 → 道路封鎖 → 車内待機
というケースも多いです。

  • マフラー周りの除雪(排ガス逆流防止)
  • ハザード点灯
  • 断続的な暖房(換気もセットで)
  • モバイルバッテリーでスマホ確保
  • 水とお菓子を常備

“密閉して暖房全開”は一酸化炭素中毒の危険があります。


■⑦ 大雪警報の時に家庭でやるべきこと

電柱倒壊の多くは 事前に兆候が出ます

✔ 車庫・通路の雪かき
✔ スマホ充電100%
✔ モバイルバッテリー準備
✔ 冬の停電セットを玄関へ
✔ カーテンを閉めて室温保持
✔ 家族の帰宅を早める

「雪が本格的に降る前」が勝負です。


■⑧ 電柱倒壊で長期停電になるケース

次の条件がそろうと復旧が長期化します。

  • 大規模な倒壊(数十本以上)
  • 送電線や変電所の被害
  • 大雪で作業車が入れない
  • 土砂崩れが併発している
  • 気温が低く凍結が続く

長期停電では、家庭より 避難所の方が安全なこともあります


■まとめ|冬の電柱倒壊は「停電=命の危険」につながる

✔ 雪・凍結・強風で電柱は倒れやすい
✔ 電柱倒壊は停電・交通事故・感電につながる
✔ 倒れそうな電柱には近づかない
✔ 冬の停電は低体温症のリスクが高い
✔ 車内待機は一酸化炭素中毒に注意
✔ 大雪前の“事前準備”が家族の命を守る鍵

結論:
冬の電柱倒壊に備えることは、冬の停電から家族の命を守る最重要対策である。

防災士として、冬は「停電前提の備え」を強くおすすめします。

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