冬は 倒木による停電(倒れた木が電線を切る/電柱を押し倒す) が全国で急増します。
✔ 大雪で枝が折れる
✔ 強風で根こそぎ倒れる
✔ 着雪で木の重さが数倍に
✔ 老朽木・枯れ木が折れやすい
倒木停電は、冬の停電原因の トップクラス。
防災士として、倒木停電に備えるポイントを解説します。
■① 冬は倒木が増える季節|なぜ木が倒れやすい?
冬の木は、雪と風に非常に弱くなります。
- 湿った重い雪で枝が折れる
- 着氷で枝の重さが数倍に
- 雪の重みに耐えきれず幹が裂ける
- 強風で揺れ → 根元が抜ける
- 凍結で地面がゆるみ → 抜けやすくなる
- 老朽化した木は一瞬で倒れる
特に “道路脇の古い木・斜面の木・竹林” は危険度が高いです。
■② 倒木停電が起きるとどうなる?
倒木による停電は、他の原因より復旧が長くなることがあります。
- 電線切断 → 広範囲停電
- 倒木が電柱を巻き込む → 電柱倒壊
- 道路が塞がれ救急車・消防車が通れない
- 信号停止 → 交通事故多発
- 冬の住宅は暖房不可で低体温症リスク
- 携帯基地局が止まり通信障害も発生
冬の停電は “命の危機” につながります。
■③ 倒木危険のサイン
次のような木や状況は、強風・積雪時に非常に危険です。
- 枯れ木・空洞がある木
- 斜面に立つ木(地盤弱い)
- 大きくたわんでいる枝
- 長年手入れされていない竹林
- 風で「ミシ…」と音がする
- 枝に大量の着雪がある
- 電線に枝が接触している
見つけても絶対に近づかないこと。
■④ 倒木停電を見つけた時の行動
倒木 × 電線 は、最も危険な組み合わせです。
✔ 10m以上離れる(感電防止)
✔ 木や電線に絶対に触らない
✔ 車で近づかない(電気が地面を伝う場合あり)
✔ 119または電力会社へ通報
✔ 近くの人へ声かけ
“見に行く行為”が最も危険です。
■⑤ 冬の倒木停電に備える家庭の防災術
倒木停電は突然起きるため「即暖房停止」が最大の脅威。
● 家に必ず備えてほしいもの
- LEDランタン
- モバイルバッテリー
- カセットガスコンロ(IHは使えない)
- カイロ・毛布・寝袋
- 水 3L/人
- 窓の断熱シート
- ポータブル充電器
暖房が使えない時間をどう耐えるかが命を守るポイントです。
■⑥ 車移動時の倒木リスク
大雪・強風の日の車移動は以下の危険があります。
- 倒木で道路が封鎖される
- ブレーキが効かず衝突(スリップ)
- 木が突然倒れ、直撃するケース
- 木を避けようとして事故
特に 林道・山道・川沿い・風が抜ける道路 は要注意。
■⑦ 大雪・暴風の日に取るべき行動
倒木停電の多くは “事前回避”が可能 です。
✔ 外出を控える
✔ 車は木の近くに停めない
✔ スマホを満充電
✔ 暖房依存しない部屋づくり(断熱)
✔ 家庭の「停電セット」を玄関へ
✔ 高齢者・子どもの早めの帰宅
“備える=倒木停電を乗り切る最大の武器”です。
■⑧ 倒木停電の復旧が長引くケース
次の条件がそろうと復旧が遅れます。
- 多数の倒木で道路が封鎖
- 電柱が同時に折れている
- 交通インフラも麻痺
- 吹雪で作業車が近づけない
- 夜間・凍結で作業が危険
長期停電 → 寒さで生命リスク
避難所の方が安全になる場合もあります。
■まとめ|倒木停電は「冬の見えない脅威」。命を守るのは事前の準備
✔ 大雪・強風で倒木が増え、停電が発生
✔ 電線と倒木は“感電”の危険が非常に高い
✔ 家庭は冷え込み対策・停電セットを常備
✔ 車は倒木発生エリアに近づかない
✔ 事前の情報収集と早めの行動が命を守る
結論:
倒木停電は冬の“最も危険な停電原因のひとつ”。備えていれば、停電でも命を守ることができる。
防災士として、冬は必ず「停電前提の備え」をおすすめします。

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