冬は、災害リスクが1年で最も複雑に重なる季節です。
✔ 大雪
✔ 路面凍結
✔ 暴風雪
✔ 停電
✔ 火災増加（暖房器具）
✔ 水道凍結
✔ 車の立ち往生
こうした“冬特有のリスク”は、訓練していないと対応が遅れやすいのが現実。
だからこそ 冬の防災訓練は、他の季節より重要度が高い といえます。
ここでは、防災士として冬の訓練で必ず確認すべきポイントを解説します。
■① 冬は「避難が遅れがち」になる季節
冬は…
- 寒くて動き出しが遅れる
- 朝晩の暗さで判断が遅れる
- 雪や凍結で移動そのものが困難
- 暖房の火気使用中で避難が遅れやすい
この“遅れ”が命取りになるため、
訓練で 「動き出しの速さ」 を体に覚えさせることが重要です。
■② 夜間・早朝を想定した避難訓練が必要
冬の多くの災害は「暗い時間帯」に発生します。
- 早朝の凍結
- 夜間の大雪
- 深夜の火災
- 停電で真っ暗
冬の訓練では必ず…
- 懐中電灯での避難
- スマホライトが使えない想定
- 暗い階段の移動練習
これらを入れると実践的になります。
■③ 冬は“火災訓練”が特に重要
冬は火災が最も多い季節。
暖房器具、電気ストーブ、こたつ、ヒーター、灯油汲み出しなど
火災原因が家中に増えます。
訓練では…
- 初期消火の体験
- 避難経路の確認
- 煙からの逃げ方（避難姿勢）
- ストーブ周りの安全距離の確認
これを必ず行うべきです。
■④ 大雪・凍結による“移動困難”のシミュレーション
冬は避難所まで行くだけでも難しい場合があります。
訓練でやるべきこと：
- 凍結しやすい道を確認
- 近くの迂回ルートの把握
- 車で動けない時の徒歩ルート
- 車がスタックする場所の確認
雪の日は「いつもの道」が使えません。
事前に代替ルートを知るだけで生存率が上がります。
■⑤ 停電・断水を想定した冬の備えチェック
冬の停電は命に直結します。
訓練では、自宅で以下を必ずチェック：
- 毛布・防寒具は何枚あるか
- カイロは家族分あるか
- 冬用非常持ち出し袋の中身点検
- ガス・電気が止まったときの暖の取り方
- 水道凍結対策
「家が寒い中での生活」を想像して準備する訓練も大切です。
■⑥ 避難所の“冬の環境”を理解する訓練
避難所は冬、とても寒いことが多く、
- 暖房が弱い
- 床が冷える
- 乾燥
- 毛布不足
こうした状況を知っておかないと、避難後に体調を崩します。
訓練では…
- 避難所の暖房設備
- 電源の有無
- 物資の量
- トイレの状況
これを確認するのが大切です。
■⑦ 冬の服装で避難できるか、実際に試す
冬は厚着なので、
✔ 走りにくい
✔ 荷物が増える
✔ 子どもの支度に時間がかかる
訓練では必ず 冬の格好で避難の動きを再現 しておくと実用的です。
■⑧ 家族全員で“役割分担”を決める訓練が効果的
特に冬は準備に時間がかかるため、
家族で役割分担を決めると避難が早くなります。
例：
- 父：非常持ち出し袋
- 母：子どもの服装チェック
- 子ども：ライト・靴の準備
- 高齢者：ゆっくり動き始める
冬こそ“全員で動く”訓練が必要です。
■まとめ｜冬の防災訓練は「動き出しの速さ」と「寒さ対策」が命を守る
冬は、ただでさえ逃げにくく、判断も遅れがち。
だからこそ、 冬に特化した訓練 をしておくことで、生存率は確実に上がります。
防災訓練で確認すべきポイント：
- 暗い中の避難
- 大雪・凍結で移動できない想定
- 冬の火災対策
- 停電・断水の備え
- 避難所の寒さ対策
- 家族の役割分担
- 冬の服装での動きの確認
結論：
冬の防災訓練は、普段以上に“実践的にやるほど命を守れる”訓練になる。
防災士として、冬こそ家族全員で訓練をしてほしいと強く思います。
小さな準備が、最悪の時に大きな安心につながります。
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