【防災士が解説】防災×冬×子ども防災|寒い季節こそ“子どもを守る準備”が命を救う

冬は、停電・大雪・火災・感染症など、子どもが巻き込まれやすい災害が増える季節。
さらに、寒さ・暗さ・外出困難が重なることで、大人以上に「子どもの行動が遅れやすい」「危険を避けにくい」状況になります。

防災士として、冬こそ徹底してほしい“子ども防災”をまとめます。


■① 冬は子どもの避難が遅れやすい季節

冬は、

  • 厚着で動きにくい
  • 朝の反応が遅い
  • 暗くて周囲が見えにくい
  • 寒さで行動が鈍くなる

このように、子どもが避難しにくい条件が重なります。

まず大切なのは、
「大人が先に動く」「すぐ声かけする」 の2つ。

避難を促すスピードが命を左右します。


■② 冬の服装で避難できるかをチェックする

いざという時、次のような問題が起きます。

  • コートが重くて走れない
  • 手袋で物が掴めない
  • ブーツが滑りやすい
  • マフラーが邪魔になる

家庭で一度、
“冬のフル装備で玄関から外へ出る”訓練 をしてみてください。

驚くほど動きにくいことが分かります。


■③ 子どものための冬用持ち出し袋を作る

冬の非常持ち出し袋は、大人より内容が変わります。

子ども用に必要なのは:

  • ひざ掛け・ブランケット
  • カイロ(貼る・貼らない両方)
  • 帽子・手袋
  • スリッパ
  • お気に入りのおもちゃ
  • おやつ(不安軽減)
  • ホイッスル
  • 連絡先カード
  • マスク・ウエットティッシュ

寒い中、子どもが落ち着く環境を作ることが防災の第一歩です。


■④ 学校・保育園で災害が起きた時の動きを家族で決める

冬は特に、

  • 送迎トラブル
  • 道路凍結
  • 保育園・学童の閉鎖
  • 大雪で迎えに行けない

といった問題が多発します。

以下を家庭で“事前に言語化”しておくことが必須です。

  • 誰が迎えに行くか
  • 行けない場合の連絡方法
  • 先生への伝達内容
  • 子どもが一人にならないためのルール

決めておくことで、慌てずに行動できます。


■⑤ 冬の停電は子どもにとって命のリスク

特に危険なのが「深夜・早朝の停電」。

  • 室温低下
  • 暗闇で転倒
  • ストーブや暖房使用不可
  • 不安でパニックになる

停電時の子ども対策として、

  • 枕元にライトを置く
  • 寝室に毛布を多めに用意
  • すぐに羽織れる上着を用意
  • モバイルバッテリーは常に満充電

これらを習慣化しておくと安心です。


■⑥ 火災は冬に急増。子どもが巻き込まれやすい

火災の原因として、

  • ストーブ
  • こたつ
  • 加湿器
  • コンセントの埃
  • 暖房器具の近くに衣類

冬は家の中の火気が多くなります。

子どもに最低限教えてほしい3つ:

1.「熱いものに触らない」
2.「煙を見たらしゃがむ」
3.「大声で呼ぶ」

大人の初動が遅れた場面でも、子ども自身が動けるようになります。


■⑦ 夜の避難は“暗さ&寒さ”で子どもが最も不安定

冬の夜の避難では、

  • 泣く
  • 動かない
  • 怖がって固まる

という反応がよくあります。

そのため、

  • 子どもを抱っこする動線の確認
  • 子どもの靴を玄関に並べておく
  • 暗闇での避難練習
  • 逃げる時に使う「合図の言葉」

この4つを決めておくと、避難スピードが格段に上がります。


■⑧ 家の中で低体温症になる危険を理解しておく

冬の災害で多いのが「室内低体温症」。

特に子どもは体温を保つ力が弱く、

  • 室温10℃以下
  • 暖房が使えない
  • 薄着で寝る

これらの条件が重なると危険です。

対策:

  • 寝る前に靴下・上着を追加
  • 掛け布団は2枚重ね
  • ホット飲料を準備
  • カイロは服の上から(直接貼らない)

体を温めてから寝るだけでリスクは大幅に下がります。


■まとめ|冬の“子ども防災”は大人の初動と事前準備がすべて

冬は、子どもが災害で動けなくなりやすい季節。
だからこそ、冬の防災は“子ども目線”で整えることが重要です。

✔ 冬の服装で避難できるか確認
✔ 子ども用持ち出し袋は必須
✔ 学校・保育園との連携ルールを決める
✔ 停電時は寒さ対策が命を守る
✔ 火災のリスクを子どもと共有
✔ 夜・暗闇での避難を想定
✔ 室内低体温症を防ぐ準備をする

結論:
冬の子ども防災は「事前に決めておく」「大人が素早く動く」がすべて。
防災士として、冬こそ“子ども優先の防災”を強くおすすめします。

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