冬は、妊婦さんにとって最も危険が増える季節です。
寒さ・乾燥・停電・道路凍結・積雪・感染症…。
これらはすべて「妊婦さんの体調」と「赤ちゃんの安全」に影響します。
防災士として、冬に絶対知っておいてほしい“妊婦向け防災”をまとめます。
■① 妊婦さんは冬に災害リスクが高まる理由
冬は体への負担が増え、災害が起きると次のようなリスクがあります。
- 体温が低下しやすい
- 血圧が上がりやすい
- めまい・立ちくらみによる転倒
- お腹が大きく動きにくい
- 雪道・凍結路が非常に危険
- 感染症に弱い
さらに停電や避難は、
体調急変・早産・ストレス増加につながります。
「妊婦=通常の2倍の防災対策」が必要です。
■② 冬の妊婦さんが最優先で整える“非常持ち出し袋”
妊婦さん専用の持ち出し袋は、通常の防災袋と内容が大きく異なります。
必ず入れておくべきもの:
- 母子手帳(コピーも)
- 保険証・診察券
- 服薬中の薬・健康情報
- ナプキン(大量)
- 大きめバスタオル
- ウェットティッシュ
- 冬用の防寒具(ひざ掛け・靴下)
- 水500ml × 2
- カロリー補給ゼリー
- カイロ(貼らないタイプ)
- ペットボトル用カバー
特に、
“母子手帳”と“薬”は命を守る最重要アイテム。
■③ 冬の避難時に妊婦さんが特に注意するポイント
妊婦さんは避難スピードが落ちます。
そのため、次の対策が必須です。
- 階段は手すりを必ず使用
- 凍結路・雪道は他の人に支えてもらう
- 荷物は持たない(家族に任せる)
- 暗い時間の避難はできるだけ避ける
- 足元は滑らない靴を準備しておく
「ゆっくり進む」ではなく
“安全に進む” を最優先にしてください。
■④ 停電・断水への備えは“妊婦さん仕様”にする
冬の停電で最も危険なのは寒さと不安です。
対策:
- 部屋に毛布を複数常備
- カセットコンロ・非常食
- 充電式ライト
- モバイルバッテリー満充電
- ポータブル電源があれば安心
- 飲み水を多めに確保
寒さを防ぎ、連絡手段を確保すれば不安はかなり軽減します。
■⑤ 妊婦さんは“水分不足”に特に注意
冬はのどの渇きに気づきにくい季節。
しかし妊婦さんは、
- 血流低下
- むくみ
- 頭痛
- 子宮収縮
につながるため、水分不足は危険です。
避難時は、
- 常に水を携帯
- ゼリー飲料でこまめに補給
- カフェインの取りすぎに注意
を徹底してください。
■⑥ 冬の避難所は「寒さ×乾燥」で非常に過酷
避難所では暖房が不十分な場合が多く、
- 体温低下
- 足元の冷え
- 乾燥による咳・感染症リスク
- ストレスによる体調悪化
が起きやすい環境です。
妊婦さんは次を必ず持っていきましょう:
- 湿度対策(濡れタオル・マスク)
- ひざ掛け・毛布
- 温かい飲み物(魔法瓶)
- 座布団またはクッション
- マタニティ用の着替え
体を温め、ストレスを減らす環境づくりが重要です。
■⑦ 産科医療機関との連絡手段を確認しておく
災害時に産科が対応できないケースもあります。
そのため、
- 通っている病院の緊急連絡先
- 近隣の分娩可能な病院
- 夜間救急産院のリスト
- 家族が連絡できるよう共有
この4つを紙とスマホ両方で保存してください。
通信障害に備えて紙での保存は必須。
■⑧ 冬は心のストレスが体調に直結する
寒さと災害ストレスは、妊婦さんの体調に強く影響します。
- 不安による過換気
- 寝不足
- 急激な血圧上昇
- 妊娠高血圧症のリスク増加
周囲の家族は、
- 妊婦さんを優先して避難
- 荷物は全て家族が管理
- 寒い場所に立たせない
- 不安な気持ちを言葉で聞く
これを徹底して支えてください。
■まとめ|冬の妊婦防災は「体温・水分・安心」が最優先
✔ 冬は妊婦さんが災害に最も弱くなる季節
✔ 非常持ち出し袋は妊婦専用の中身が必要
✔ 避難行動はゆっくりではなく“安全第一”
✔ 停電・断水には妊婦仕様の対策が必須
✔ 避難所は寒さと乾燥対策が命を守る
✔ 産科連絡先は紙でも保存
✔ 心のストレスが体調悪化を引き起こす
結論:
妊婦さんの防災は“2人の命を守る備え”。冬こそ最優先に整えてください。
防災士として、妊婦さんの冬の災害対策は特に強く意識してほしい分野です。

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