冬は、家の弱点が一気に露わになる季節です。
暖房費の高騰・停電・水道凍結・結露・寒さによる体調悪化…。
災害が起きていなくても “冬そのものが災害” になることがあります。
ここでは防災士として、
「冬に見つかる家の弱点」と対策を8項目でわかりやすく解説します。
■① 玄関からの冷気が家全体を冷やす
玄関は家の中で最も外気温に近い場所。
冷たい空気が入り込み、廊下・リビングを一気に冷やします。
チェックポイント
- ドアの隙間風
- 断熱材が薄い
- 玄関タイルがキンキンに冷たい
- 下駄箱の裏の結露
対策
- すきま風テープ
- 玄関マット+断熱マット
- 冷気ストッパー
- カーテンで玄関を仕切る
■② サッシ・窓が“最大の弱点”
冬の熱の約50〜60%は「窓」から逃げます。
チェックポイント
- 結露がひどい
- 毎朝サッシに水が溜まる
- 冷気が漂ってくる
- カーテンが冷たい
対策
- 断熱フィルム
- 断熱カーテン
- プラダン(断熱ボード)貼り
- 二重窓パネル
- カーテンを床までの長さにする
■③ 床冷えが体温を奪う
床の冷たさは体温低下の大きな原因。
チェックポイント
- 歩くと底冷えする
- 座ると冷える
- 足元だけ異常に寒い
- 朝の床が氷のように冷たい
対策
- カーペット下にアルミ断熱シート
- スリッパの必須化
- ホットカーペット
- 床用断熱ボードの設置
■④ 北側の部屋が極端に寒い
北側は日が当たらず冷えやすい構造。
チェックポイント
- 壁が冷たい
- 結露が出やすい
- 洗面所・トイレが極寒
- 北側の部屋だけ暖まらない
対策
- 壁断熱パネル
- ドア下すきま風ストッパー
- 小型電気ストーブ
- 暖房の循環用サーキュレーター
■⑤ 浴室・脱衣所の温度差が危険域
冬の家の最大の弱点が 浴室の寒さ=ヒートショック要因。
チェックポイント
- 脱衣所が10℃以下
- お湯を貯めても浴室が寒い
- 出た瞬間に震える
- 高齢者がいる家庭
対策
- 脱衣所にセラミックヒーター
- 入浴前に浴室暖め
- 浴槽の蓋を少し開けて室温アップ
- 断熱カーテンや浴室窓の防寒
■⑥ 給湯器・水道管が凍結しやすい
水道の凍結は、家の冬トラブルで最も多い。
チェックポイント
- 北側に給湯器がある
- 配管がむき出し
- 外気温−2〜3℃で凍結経験あり
- 夜中の水が出ない
対策
- 配管カバー
- 発泡スチロール+断熱材
- 外の蛇口は少量出し続ける
- 給湯器の凍結予防運転をON
■⑦ ベランダ・屋外が凍結しやすい
家の外周は見落とされがちな弱点。
チェックポイント
- ベランダ床がつるつるに凍る
- 雨樋が凍る
- 物置の扉が凍結して開かない
- 室外機の周りが雪で埋まる
対策
- 融雪剤(塩カル)
- ベランダ用滑り止めマット
- 雨樋ヒーター
- 室外機周囲の雪かき
■⑧ 暖房費が異常に高い=家の断熱不足
暖房をつけても暖まらない場合、必ず家に弱点があります。
チェックポイント
- エアコン最高温度でも寒い
- 家全体の温度ムラが大きい
- 暖房費が前年より高騰
- 夕方の部屋がひんやりする
対策
- 家中のすきま風調査
- ドアに防寒カーテン
- 窓断熱を最優先で強化
- 湿度40%以上で体感温度UP
■まとめ|家の弱点を知れば“冬災害”に強くなる
冬は災害がなくても危険が多い季節。
家の弱点がそのまま 低体温症・高暖房費・停電トラブル につながります。
結論: 「冬は家の弱点を埋めるだけで、命と健康が守られる」
防災士として強く伝えたいのは、
家の防災は特別なお金をかけず、すきま風・窓・床の三点だけ改善すれば劇的に変わる ということ。
今日からできる小さな対策が、
この冬の安全と快適さを大きく底上げします。

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