2025年冬、全国で インフルエンザが大流行 しています。
その中で国立感染症研究所(JIHS・感染研)が発表したのが——
新たな変異株「サブクレードK」
現在流行しているインフルエンザA(H3型)の検体のうち
96%がこの新変異株に置き換わっている ことが判明しました。
防災士として、災害時の感染症リスク管理の視点も含めて
“いま知るべきポイント”を分かりやすくまとめます。
■① サブクレードKとは?(最も簡単な説明)
インフルエンザウイルスは毎年のように変異します。
その変異の種類を「クレード(系統)」に分類し、
さらに細かく分けたものが サブクレード。
今回の「サブクレードK」は、
H3型の大きな変異グループ「J」から派生した
J2.4.1の略称 です。
名前を簡略化するために「K」に変更されただけで、
今後しばらく世界的流行株になるとみられています。
■② 何が変わった?症状や危険性は?
感染研は次のように発表しています。
✔ 症状の傾向
従来のインフルエンザと大きく変わらない。
高熱・関節痛・全身倦怠感・咳・喉の痛みなどが中心。
✔ 感染しやすさ
J2.2・J2.3よりも 人への広がりが速い とされる。
理由は不明で、以下の複数要因が考えられる。
・ウイルスの変異の仕方
・人の免疫状態
・季節性要因
・流行パターンの乱れ(世界的傾向)
✔ 重症化リスク
従来のH3型と同等と推定。
特に高齢者・乳幼児・妊婦・基礎疾患のある人は要注意。
■③ なぜ今、急激に流行しているのか?
●① 流行サイクルが乱れている
コロナ禍(2020〜2023)はマスク・行動制限が強く
インフルエンザが“ほぼ消滅”していた時期。
そのため
数年ぶりに免疫が弱い状態の人が多い のも原因。
●② 早い時期から感染者増加
感染研の分析では
9〜11月の検体で既に96%がKだった。
→ 「広がりやすい株」が早期から優勢になった
●③ 北半球全体が同時流行
アジア・欧州・北米でも同時にKが急増しており、
世界的な波が日本にも直撃している状態。
■④ どう予防する?(最重要ポイント)
感染研が推奨する対策は 従来と同じ です。
✔ 手洗い
最も効果あり。外出後・食事前・トイレ後。
✔ 咳エチケット
咳・くしゃみが続く人はマスク着用。
✔ 人混みを避ける
特に満員電車・商業施設・学校での集団感染が多い。
✔ 体調不良時は外出しない
広めないことが流行抑制の鍵。
✔ ワクチン接種
イギリスの研究では
重症化率を下げる効果が確認済み。
サブクレードKにも
既存ワクチンが一定の効果を持つとみられています。
■⑤ 災害時にインフルが流行すると何が起きる?
防災士として特に注意するポイントは以下。
✔ 避難所で急激に感染拡大
乾燥・密集・換気不足 → インフルが最も広がりやすい環境。
✔ 医療機関が混雑
冬は救急搬送・外来がすでに逼迫。
インフル流行時はさらに受診困難に。
✔ 高齢者が倒れやすい
災害+インフルは「最悪の組み合わせ」。
・脱水
・高熱
・持病悪化
が頻発。
■⑥ 家庭で今すぐできる備え
✔ 室内の加湿(湿度40〜60%)
乾燥はインフル拡大の最大要因。
✔ 解熱剤・経口補水液・体温計のストック
家族全員分用意。
✔ マスク・ティッシュ・消毒の補充
災害備蓄と兼用できる。
✔ 会社・学校との連絡手段を確認
発熱時の連絡フローを家族で共有。
■⑦ 子ども・高齢者の特別注意ポイント
●子ども
・急な高熱
・食欲低下
・脱水
が起きやすい。
●高齢者
・熱が出ない“隠れインフル”
・肺炎併発
に注意。
早めに受診する判断が重要。
■まとめ|サブクレードKは“広がりやすい”が、怖がりすぎなくて良い
サブクレードKまとめ:
✔ 流行株のほぼ96%を占める
✔ 症状は従来のインフルと同じ
✔ 非常に広がりやすい
✔ 予防策はこれまで通り
✔ ワクチンは重症化予防に有効
結論:
新変異株だから特別に恐れる必要はないが、今年は感染ペースが速い。 防災士として、家庭の備蓄と感染対策の“ダブル備え”を強く推奨します。
冬の災害リスク(停電・寒波)と感染症流行が重なると、
家庭も地域も危機が拡大するため、
今日からできる小さな予防を徹底しましょう。

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