【防災士が解説】防災×冬×登山装備|“冬山は別次元の危険”を理解し、命を守るための必須知識

冬の登山は、通常の山歩きとはまったく異なる“別世界”。
気温は一気に氷点下、風速10mで体感温度は真冬日以下、視界ゼロのホワイトアウト、滑落・凍傷・低体温症のリスクが急増します。

だからこそ 冬山専用の装備 が命を守るカギ。

防災士として、冬の災害対応の現場経験を踏まえながら、
「これだけは絶対に必要」「あると致命的に差が出る」装備をまとめて解説します。


■① 冬山必須装備|“生死が分かれる”基本セット

冬は装備の不備がそのまま事故につながります。

✅ 冬山用アウター(ハードシェル)

・防風・防水・透湿は必須
・雪、氷、強風から体温を守る最重要レイヤー

✅ 中間着(フリース・ダウン)

・気温に合わせて脱ぎ着する前提
・停滞時はダウン、行動時はフリースが鉄則

✅ ベースレイヤー(速乾アンダー)

・汗冷えを防ぐ “冬山最大の必須装備”
・綿は禁止(凍傷・低体温症リスク)

✅ 冬山用手袋(インナー+アウター)

・手の凍傷は最も多い事故
・スペアも必ず携行する

✅ 厚手のニット帽・バラクラバ

・頭部から体温が逃げる
・強風下で顔面の凍傷を防ぐ


■② 足回り装備|“滑落・凍傷”を防ぐ生命線

✅ 冬山登山靴(保温材入り)

・通常の登山靴では凍傷の危険
・ソール硬度が高く、アイゼン対応のものを選ぶ

✅ アイゼン(10〜12本爪)

・凍結斜面で絶対必要
・歩行訓練必須

✅ スノーシュー・ワカン

・深雪での沈み込みを防ぎ、体力消耗を抑える

✅ ゲイター(スパッツ)

・雪の侵入を防ぎ、靴内の濡れを防止


■③ 安全装備|“冬は天候急変が前提”

✅ 地図・コンパス

・ホワイトアウトではGPSが狂うこともある

✅ ヘッドライト(予備電池)

・冬は日没が早い
・遭難時の発見にも必須

✅ 救急セット

・凍傷・骨折・捻挫に対応できるもの

✅ サバイバルシート

・低体温症対策として常に携帯

✅ 携帯ラジオ

・電波の届かない山で最新情報を確認できる


■④ 防寒・低体温症対策|“生き残るための装備”

✅ 予備の手袋・帽子

・濡れた瞬間に体温低下

✅ 行動食(ナッツ・チョコ・羊羹)

・冬は消費カロリーが1.5〜2倍
・低血糖は判断ミスの原因

✅ 保温ボトル(温かい飲み物)

・冷たい水では体温維持ができない

✅ カイロ

・末端の凍傷予防に


■⑤ 冬山テント泊の追加装備

(必要な人向け)

✔ 冬用シュラフ(–15〜–30℃対応)

✔ マット2枚(凍結地面は想像以上に冷える)

✔ ガスストーブ(寒冷地用OD缶)

✔ 結露対策アイテム(換気は必須)


■⑥ 冬山で起こりやすい事故と防ぎ方

❌ 1位:低体温症

→ 汗冷えを避け、レイヤリングを徹底
→ 小まめに行動食を摂る

❌ 2位:滑落

→ アイゼン歩行技術が必須
→ 斜度がある斜面は慎重に

❌ 3位:道迷い

→ ホワイトアウトは“真っ白で何も見えない”
→ ルートの事前学習とコンパスが必須


■⑦ 防災士からのアドバイス

冬山は、美しい景色と引き換えに、“自宅から一歩出れば災害現場” と同じ危険があります。

だからこそ、
✔ 出発判断
✔ 装備のチェック
✔ 体調管理
✔ 事前

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