【防災士が解説】防災×育児休暇|赤ちゃんと家庭を守る“災害対策の最適タイミング”

育児休暇(育休)は、家族にとって大切な時間です。
しかし同時に、外出が減り家庭にいることが多い今だからこそ、防災対策を整える絶好のチャンスでもあります。

赤ちゃんがいる家庭は、災害時の弱者になりやすく、
✔ ミルク
✔ おむつ
✔ 離乳食
✔ 防寒
✔ 移動手段
など、大人とは全く違う準備が必要です。

今回は、防災士の視点で「育休中に必ずやっておきたい防災対策」を体系的にまとめます。


■① 育休は“家の防災を整える最適な時期”

育休中は家にいる時間が増え、
家の危険や備えの不足に気づきやすい時期です。

特に必要なのは次の3つ。

  • 家の安全対策(家具固定・落下防止)
  • 赤ちゃん専用の避難セット
  • 家族の避難行動計画(ママ1人でも動けるか?)

育休の間に整えることで、災害に強い“家族基盤”ができます。


■② 赤ちゃんがいる家庭のリスクは大人の数倍

災害時に最も弱い存在は 赤ちゃん です。

  • 長時間の停電に弱い
  • 冬の避難で低体温になりやすい
  • ミルク・水・衛生用品が必須
  • 泣き声でストレスが高まる
  • 集団生活(避難所)が苦手

このため、「通常の非常持ち出し袋」だけでは不十分です。


■③ 育休中に必ず用意したい赤ちゃん用“非常持ち出し袋”

✔ おむつ(10~15枚)
✔ おしりふき
✔ ミルク(スティック or 液体)
✔ 哺乳瓶(使い捨て哺乳瓶も可)
✔ 飲料水(赤ちゃん用:軟水)
✔ ガーゼ・タオル
✔ おくるみ(体温低下防止)
✔ お気に入りのおもちゃ
✔ ビニール袋(使用済みオムツ入れ)
✔ 替えの肌着
✔ 母子手帳のコピー

※母乳育児でも、災害時は水分不足・ストレスで母乳が止まる場合があるため、ミルクの準備は必須


■④ 家の安全対策(地震・停電・火災)

赤ちゃんを守るために、家全体の安全をチェック。

●家具の固定

  • タンス・棚は必ずL字固定
  • 食器棚は耐震ラッチ必須
  • テレビは倒れ防止ワイヤー

●寝室の安全

  • 落下物ゼロ
  • 窓際にベビーベッドを置かない
  • 上から落ちる物は絶対にNG

●停電対策

  • モバイルバッテリー
  • 懐中電灯(置いて使えるタイプ)
  • 冬は防寒グッズ(おくるみ・毛布)

赤ちゃんがいる家庭は、停電が最大の敵になります。


■⑤ 避難計画は「ママ1人で避難できるか?」が基準

育休中は、パパ不在の時間が多いため、
ワンオペでも避難できる動線と荷物量が重要です。

  • 抱っこ紐+リュック
  • エレベーター停止時の階段ルート
  • 避難所までの最短距離
  • 雨・雪・夜間の移動想定

“赤ちゃんを抱いてでも動ける”準備が必要。


■⑥ 在宅避難の準備(寒さ・食事・衛生)

災害時に避難所へ行かず自宅待機のケースもあります。

●暖房停止リスク

冬は低体温症が最大の脅威。

  • カセットガスストーブ
  • 湯たんぽ
  • ブランケット
  • 室内テント(暖気を逃がさない)

●食事

  • レトルト離乳食
  • 赤ちゃん用スープ
  • ラップ・紙皿で洗い物不要化

●衛生

  • 体を拭くシート
  • おむつ多め
  • 排泄用のビニール袋

赤ちゃんは衛生環境が悪いとすぐ体調を崩すため、特に注意。


■⑦ 子どもの成長に合わせて“備えも更新”

赤ちゃんは数ヶ月で体も生活も変化するため、定期的に見直しを。

  • サイズアウトした服
  • ミルク量の変更
  • 離乳食の進行状況
  • おむつのサイズ

1~2ヶ月ごとの更新が理想です。


■⑧ 育休中だからこそできる“家族の防災会議”

  • 避難場所
  • 持ち出し袋の置き場所
  • 在宅避難の判断基準
  • パパ不在時の動き方
  • 連絡手段(停電時)

“赤ちゃんを守る行動”を夫婦で共有することが、一番の防災です。


■まとめ|育休は「赤ちゃんを守る防災力」を育てる時間

育児休暇は、
✔ 家にいる時間が長い
✔ 赤ちゃんのリスクが大きい
✔ 家族の防災基盤を作りやすい

という3つの理由から、防災対策に最適な時期です。

結論:
育休中に防災を整えることは、赤ちゃんの命を守る“未来投資”です。
防災士として、赤ちゃんのいる家庭ほど備えが重要だと強く実感しています。

今日できる小さな準備が、家族の大きな安心につながります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました