冬になると、気温・湿度・風向きの条件が揃い、
電線に雪がまとわりつく「電線着雪」 が急増します。
これは一見小さな現象ですが、
実は 大規模停電・通信障害・火災 につながる非常に危険な災害の一つです。
ここでは、家庭が今すぐできる“電線着雪対策”を防災士としてわかりやすく解説します。
■① 電線着雪とは?
湿り気の多い雪が電線に付着し、
ロープのように太く固まり、最終的には電線を引きちぎる現象 のこと。
特に以下の条件で発生しやすい:
- 気温0〜2℃
- べた雪(湿雪)
- 弱風または無風
- 長時間の降雪
細い電線ほど重みの影響を受けやすく、
張力に耐えられず切断 → 停電 が起きます。
■② 電線着雪が招く3つの重大リスク
✔ 1. 大規模停電
雪の重みで電線が垂れ下がり、
最終的に 切断・ショート・倒木巻き込み に発展することも。
✔ 2. 通信障害
光ファイバーや通信線も同様に着雪 → 切断リスク。
✔ 3. 火災
切れた電線が発火源となるケースもあり、
隣家・物置に延焼する事例が毎年発生。
■③ こんな地域は“電線着雪の危険度が高い”
- 海沿い(湿った雪が降りやすい)
- 山間部(気温が低く、日陰で溶けにくい)
- 谷地形(風の影響が少なく雪が付着しやすい)
- 枝が電線に近い住宅街(倒木と併発しやすい)
福岡県など温暖地域でも、
ドカ雪の日は着雪が一気に進む ため要注意。
■④ 家庭ができる“電線着雪による停電”対策7選
✔ 1. 早めのスマホ充電
ドカ雪が降り始めたら 100%まで充電。
✔ 2. モバイルバッテリー3本体制
停電が長期化することもあるため、防災の基本装備。
✔ 3. ポータブル電源を準備
電線障害は復旧に時間がかかる。
✔ 4. 暖房が止まる前提で“停電防寒セット”を枕元へ
- 毛布
- カイロ
- 充電式カイロ
- ダウン
- 手袋
- 帽子
✔ 5. ガス・給湯器の凍結にも連動警戒
停電中は給湯器の凍結が一気に進む。
✔ 6. 外出しない(特に夜間)
切れた電線は 感電・火災 の危険。
✔ 7. 電線に雪が積もっていたら通報
電力会社の緊急ダイヤルが対応。
■⑤ 「電線着雪・停電」に強い家にするための備え
- 窓の断熱(隙間テープ・プラダン)
- 寝室だけ暖かくできる持続型暖房準備
- 水は1日3リットル×家族分を常備
- 調理不要のパン・缶・レトルトを確保
- 懐中電灯&ヘッドライトは家族人数分
停電は“真冬の夜”に発生すると危険性が跳ね上がるため、
暖を確保する備えが命を守ります。
■まとめ|電線着雪は「冬の隠れ災害」。早めの備えが命を守る
電線着雪は見た目では判断しづらく、
気づいたときには 停電・断水・通信障害 が同時に発生します。
だからこそ、
- 「寒波襲来」とニュースが出たら備える
- 電線を見て“雪の重み”を意識する
- 停電は必ず起きる前提で暮らす
これが冬の防災の基本です。
家族の安全を守るためにも、
今日からできる備えをぜひ整えてください。

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