冬の災害は、
寒さ・暗さ・道路状況の悪化 が重なり、避難判断が大幅に遅れやすい季節です。
特に豪雪・停電・大雨・地震・火災などが重なると、
自宅にとどまるべきか、避難すべきかの判断が非常に難しくなります。
ここでは、防災士として
「冬に自宅から避難すべき状況」 をわかりやすくまとめました。
■① 冬は避難が遅れやすい理由
- 外が暗い（16時台で日没）
- 路面凍結で徒歩避難が危険
- 低体温症リスクが高い
- 車避難も危険（スタック・渋滞・立ち往生）
- 「寒いから出たくない」が心理的ブレーキに
だからこそ “判断の基準” を決めておく必要があります。
■② 自宅に留まってはいけない“明確な避難サイン”
✔ 1. 建物の安全性が損なわれたとき
- 地震で建物が傾く・壁に大きな亀裂
- 火災の煙が屋内へ侵入
- 断水・停電の長期化＋寒波襲来
→ 命に関わるため即避難。
✔ 2. 土砂災害の危険が迫っている
（冬の大雨・融雪・凍土崩壊など）
- 警戒レベル4（避難指示）
- 近所の斜面・擁壁が音を立てる
- 地面がひび割れる・水が湧き出す
→ 夜でも必ず避難。
低体温より 土砂災害の方が死亡リスクが圧倒的に高い です。
✔ 3. 河川・中小河川の氾濫危険水位
冬でも“短時間豪雨”や融雪で水位が急上昇します。
- 氾濫危険水位
- 浸水想定区域に住む場合
→ 「大丈夫」と思った時点で危険。即避難。
✔ 4. 停電＋暖房停止で室温が急低下
冬の停電は命に関わるため、避難すべきケースがあります。
室温が10℃以下で暖房復旧の見通しがない場合は要避難。
特に重要：
- 乳幼児
- 高齢者
- 在宅医療
- 持病のある人（心疾患・呼吸器疾患）
→ 自宅の方が危険になる可能性。
✔ 5. 火災の煙が接近したとき
冬は空気が乾燥し、火災が広がりやすい。
- 近くの建物火災
- 風向きがこちら側
- 煙が1階・2階に入る
→ 煙は数呼吸で意識を失う。即避難。
✔ 6. 雪害で自宅が孤立する恐れがある
- ドカ雪
- 除雪が追いつかない
- 道路封鎖
- 玄関が雪で開かない
→ 高齢者や子どもがいる家庭は、
早めに「安全な親族宅・ホテル」への避難が有効。
■③ 「避難した方が安全」な家庭の特徴
- 木造2階建で築年数が古い
- 斜面・谷沿い・川沿い
- 風が強い地域
- 在宅医療機器を使用
- 断熱性能が低く室温が下がりやすい家
※冬の災害は “寒さで命を落とすリスク” を考える必要がある。
■④ 避難のタイミングは「警戒レベル3」
冬は避難行動が遅れるため、
警戒レベル3（高齢者等避難）で動くのが最適。
理由：
- 暗くなる前に移動できる
- 路面凍結が進む前に行動できる
- 避難所が暖かいうちに入れる
■⑤ 避難する前に必ずやること
- 暖房が切れても困らない装備を持つ
（カイロ・手袋・帽子・ダウン） - 水・食料をリュックに
- スマホ満充電
- モバイルバッテリー2〜3本
- 服は重ね着で（汗冷えを防ぐ）
- 時計・身分証・保険証コピー
- 家族の集合場所ルール
■⑥ 冬の避難で最も危険なこと
それは 「遅れて真夜中に避難すること」。
- 氷点下
- 視界不良
- 路面凍結
- 冷えで歩けなくなる
- 雪で方向を見失う
日中に早めの避難 が命を守ります。
■まとめ｜冬の避難判断は「迷ったら避難」が正解
冬は、迷っているうちに条件が悪くなり、
「避難できなくなる」ケースが非常に多い季節です。
だからこそ——
- ✔ 自宅が危険なら“迷わず避難”
- ✔ 停電・寒波の重なる状況はすぐ行動
- ✔ 夜になる前に避難を終える
- ✔ 在宅医療は早めに“安全地帯”へ
命を守る行動は、早いほどリスクが小さくなります。
あなたとご家族が冬の災害から安全に過ごせますように。
防災士として、今後も冬の防災情報を全力でサポートします。
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