【防災士が解説】防災×冬×「ねんざ×凍結」──冬の捻挫は“悪化しやすい”理由と正しい対処法

冬は転倒・スリップが増え、ねんざ(捻挫) が一気に増える季節です。
さらに、雪・氷・寒気が重なると、同じ捻挫でも 通常より重症化しやすい のが特徴です。

今回は、防災士として「冬のねんざ×凍結」に特化した応急処置と注意点を解説します。


■① 冬のねんざが“凍結で悪化しやすい”理由

冬は次の条件が揃い、ねんざが重くなりやすくなります。

  • 路面凍結で足首を滑らせやすい
  • 足指の感覚が鈍り、踏ん張れない
  • 寒さで靭帯が硬くなり、伸びやすい
  • 血流が落ちて腫れが長引く
  • 雪や氷で濡れて体温が奪われる

→ 冬の捻挫は「軽傷のつもりが実は重傷」のケースが多い。


■② 応急処置の基本は「RICE」ただし冬は注意が必要!

冬は“冷やし方”に注意しないと凍傷の危険があります。
ポイント付きで解説します。

🔹1. R:Rest(安静)

  • まず動かさない
  • 無理に歩かない
  • 可能なら座って足の負担を減らす

🔹2. I:Ice(冷却)

ここが冬の最大のポイント!

❌ 氷を直接当てる
❌ 屋外で長時間冷やす
凍傷の危険がある

● 正しい冷却法

  • 氷をタオルでくるむ
  • 10〜15分だけ冷やす
  • 雪を患部に直接当てない
  • 屋外で冷やすのはNG(気温で温度管理できない)

🔹3. C:Compression(圧迫)

  • 包帯やテーピングで軽く圧迫
  • 強く締めすぎない(冬は血流が低下しやすい)

🔹4. E:Elevation(挙上)

  • 足を心臓より高い位置に上げる
  • 枕・荷物・座布団を活用

■③ この症状があれば「骨折の可能性大」

冬は骨折とねんざの見分けがつきにくい。
次の症状がある場合はすぐに病院へ。

  • 立てないほど痛む
  • 歩くと激痛
  • 足首が明らかに変形
  • 触ると強い痛み
  • 腫れが急速に広がる
  • 皮膚の色が紫→黒に変化

→ 冬の転倒は“骨折のほうが多い”ことも珍しくない。


■④ ねんざが悪化しやすい冬のNG行為

  • 温めようとしてカイロを直接当てる
    → 炎症が悪化、低温火傷の危険
  • 屋外の冷たい地面で冷却
    → 凍傷のリスク
  • 痛くても運転・徒歩で帰ろうとする
    → 悪化の原因
  • “軽い捻挫だから大丈夫”と放置
    → 靭帯損傷・慢性化の原因

■⑤ 冬の捻挫に必須の「応急キット」

冬はこれを備えておくと安心。

  • 包帯・テーピング
  • タオル(冷却時の保護)
  • 使い捨てカイロ(患部には当てない)
  • アルミブランケット(体全体の保温)
  • 三角巾 or ストール(固定用)
  • 圧迫バンテージ
  • 滑り止め付き防寒ブーツ

■⑥ 冬の捻挫を予防する方法

  • 靴底の溝が深いものを選ぶ
  • 滑り止めスパイク or 簡易チェーン
  • 歩幅は小さく、ペンギン歩き
  • 夜道・早朝は特に慎重に
  • 手袋で手先の感覚低下を防ぐ
  • 段差は“必ず一段ずつ”確認

■まとめ|冬のねんざは「凍結→悪化→長引く」

冬の捻挫で最も重要なのは、

✔「冷やす方法」と「冷やしすぎない」バランス

  • 冷やす → 炎症を抑える
  • 冷やしすぎ → 凍傷・血流悪化

この違いを理解するだけで、
治りのスピードが大きく変わります。

冬の路面は、思っている以上に“急に滑る”。
今日から足首を守る冬対策をしつつ、
万が一の時は、ここで紹介した応急処置をすぐに実践してください。

防災士として、あなたの冬の安全を全力でサポートします。

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