冬は転倒・滑倒・転落が急増し、骨折リスクが1年で最も高まる季節です。
特に寒波・積雪・凍結が重なると、わずかな不注意が大ケガに直結します。
防災士として「冬に骨折が増える理由」と「家庭でできる対策」をまとめました。
■① なぜ冬は骨折が増えるのか?
理由は大きく5つあります。
1. 路面凍結で転倒しやすい
- 黒く見える氷「ブラックアイスバーン」
- 階段・坂道・横断歩道が特に危険
2. 筋肉・靭帯が硬くなる
寒さで身体がこわばり、
踏ん張りが効かない → 骨折に直結。
3. 体の反応が遅くなる
低温で神経伝達速度が落ち、
反射的な受け身が遅れる。
4. 靴が冬仕様ではない
- スニーカーの溝が浅い
- 革靴は特に滑りやすい
- ヒール・ローファーは危険度MAX
5. 高齢者の骨密度低下
冬は運動量も減るため、
転倒 → 太もも・手首・腰椎骨折 が一気に増える。
■② 冬に特に多い骨折TOP5
いずれも“冬の典型的パターン”です。
- 手首の骨折(転倒して手をつく)
- 足首の骨折(ひねって転倒)
- 肋骨骨折(転倒+強打)
- 大腿骨頸部骨折(高齢者が屋外で転倒)
- 腰椎圧迫骨折(滑って背中を打つ)
どれも 放置すると後遺症が残る危険 があります。
■③ 骨折か「捻挫」か見分けるポイント
冬は腫れが出にくく、見分けが難しい。
次の症状があれば、骨折の可能性が高い。
- 体重をかけられない
- 激痛で歩行困難
- 曲がり方が不自然
- 触れるだけで強い痛み
- 急激な腫れ・紫色の変色
- “パキッ”という音を感じた
迷ったらすぐ受診。冬の放置は悪化につながる。
■④ 冬の骨折を防ぐ最強の対策
今日からすぐできる対策を厳選。
●1. 靴底の溝が深い冬靴を使う
- スパイク付き
- 凍結路用ゴムソール
- 簡易滑り止めチェーンも有効
●2. 歩幅を小さくし、ペンギン歩き
- つま先と膝を進行方向へ
- 歩幅は半分
- 荷物は両手を空ける
●3. 朝7〜10時の外出は慎重に
「冷え込み→凍結」が残りやすい危険時間帯。
●4. 階段は特に注意
- 手すりを持つ
- 1段ずつ確認
- マットの凍結にも注意
●5. 車の乗り降りで骨折が多い
- 足を横に出してから立つ
- 凍結地面に足を直接置かない
■⑤ 家庭内でも骨折リスクはある
冬は室内も危険が増える。
- 厚い靴下で階段を滑る
- 布団からの急な起き上がりで転倒
- 寝室→トイレの暗い動線
- 結露で床が滑りやすい
→ 高齢家族がいる家庭は特に注意。
■⑥ 冬に備える「骨折リスク対策セット」
家庭にあるだけで事故防止につながる。
- 滑り止めマット
- 玄関の融雪剤(塩カル)
- 凍結防止スプレー
- LED懐中電灯(夜間動線)
- 手すり、階段用ノンスリップテープ
- 防寒ブーツ(滑り止め付)
■まとめ|冬の骨折は「転倒+硬直+凍結」のトリプルリスク
冬は、同じ転倒でも骨折しやすくなる季節です。
- 路面凍結
- 筋肉の硬直
- 体の反応低下
この3つが重なることで、普段なら軽いケガが
冬は一気に骨折レベルへ悪化。
冬の防災の基本は、
「転ばない」「滑らない」「油断しない」。
あなたと家族の安全のために、
今回のポイントをぜひ今日から取り入れてください。

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