【防災士が解説】防災×寝袋の洗濯|冬の災害に備えて“正しくメンテする”ことが命を守る

冬用寝袋は、停電・断水・避難所・車中泊など、冬の災害で命を守る最重要防寒装備。
しかし、誤った洗濯や保管で性能が大きく低下することをご存じでしょうか?

ここでは、防災の視点から「寝袋の正しい洗濯方法」「やってはいけないNG行為」「冬に備えるメンテ術」をわかりやすく解説します。


■① なぜ“寝袋の洗濯”が防災になるのか?

  • 汗・皮脂・湿気で保温力が低下する
  • 冬に使う直前に気づいても遅い
  • 災害時は洗濯できない(断水・停電で不可能)
  • 臭いやカビは健康リスクにもなる

事前にメンテしておかないと、寒い避難所で全く暖かくならない…という事態も。


■② 寝袋は洗濯機で洗える?素材で変わる!

✔化繊(ポリエステル)

自宅の洗濯機でOK(弱モード)
汚れに強く、防災用として最も扱いやすいタイプ。

✔ダウン(羽毛)

できれば手洗い or コインランドリーの大型洗濯機
羽毛が偏ると保温力が落ちるため慎重さが必要。


■③ 正しい洗濯方法(自宅版)

【化繊寝袋】

  1. 寝袋を緩く丸めて洗濯ネットへ
  2. 洗剤は“おしゃれ着洗い”か中性洗剤
  3. 弱水流(手洗い・ドライコース)
  4. すすぎを丁寧に(洗剤残りで臭いの原因)
  5. 脱水は短め(1〜2分)

【ダウン寝袋】

  1. バスタブにぬるま湯+中性洗剤で押し洗い
  2. 羽毛を潰さないように、優しく
  3. しっかりすすいで泡が消えるまで
  4. 押し出すように水を切る(絞らない)

■④ 乾かし方(最重要ポイント)

寝袋の寿命は「乾燥の仕方」で決まると言っても過言ではありません。

✔化繊の場合

  • 日陰干しで完全乾燥
  • 乾燥機は低温なら可
  • 中まで乾いたか“握って確認”

✔ダウンの場合

  • 乾燥機の低温モードが最適
  • テニスボールを2〜3個入れるとふくらみが戻る
  • 半乾きで袋にしまうと臭いやカビの原因

→ ダウンは必ず「完全乾燥」を徹底!


■⑤ 絶対にやってはいけないNG行為

  • 高温乾燥(生地や羽毛が劣化)
  • コインランドリーの強い熱風に直接当てる
  • ストーブの前に広げて乾かす(火災リスク)
  • ギュッと強く絞る(ダウンの破損)
  • 濡れたまま長時間放置

寝袋は“洗い方の失敗”=“保温力の低下”に直結します。


■⑥ 冬の防災に向けたメンテのタイミング

  • 冬前の11〜12月に洗濯・乾燥
  • 災害シーズン前にも点検
  • 実際に広げてニオイ・湿気・破れを確認
  • 圧縮袋から出して“復元させておく”のも重要

特に冬の停電・断水時は
「湿気た寝袋」「匂いがひどい寝袋」
では睡眠も保温も確保できません。


■⑦ 防災士としてのアドバイス

冬の災害では、
“体温を守る=命を守る”
という感覚が必要です。

寝袋は用意して終わりではなく、
“メンテナンスして初めて防災装備として機能する”
と考えてください。

家族分の寝袋も、今のうちに洗濯・乾燥まで済ませておくと安心です。


■まとめ|冬用寝袋は洗い方が命を左右する

  • 冬用寝袋は洗濯で保温力が復活する
  • 化繊は家庭洗濯OK、ダウンは慎重に
  • 乾燥は超重要、完全乾燥が基本
  • 冬前にメンテしておくと災害時に困らない

冬の防災は「事前の準備で差が出る」。
寝袋の洗濯とメンテ、今すぐやっておきましょう。

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