冬の雪道は、見た目以上に危険が潜む“災害レベル”の路面です。
防災士として救急搬送が急増する理由を知ると、雪道の歩行は 正しい知識が命を守る行動 だとわかります。
■① 雪道が危険になる3つの要因
雪道で最も多いケガは 転倒による骨折。
- ブラックアイスバーン（見えない氷）
- 凍結＋新雪で滑る二重危険
- 日陰・橋・坂道が“凍結特等席”
特に朝7〜9時、夜19〜23時は救急搬送が急増します。
■② 正しい歩き方の基本 “ペンギン歩き”
滑らない歩き方は、次の姿勢が鉄則。
- 歩幅を小さく
- 足裏全体を地面に着地
- 重心を低く前のめりに
- 手はポケットに入れない（バランスを失う）
ペンギンのように体の真下に足を置くと滑りにくくなります。
■③ 危険地帯を避けるだけで転倒リスクは半減
雪道では場所によって危険度が大きく違います。
- 橋の上（最も凍る）
- トンネル出口（急な冷気）
- 日陰の歩道（午前中も溶けない）
- 車道との境目（轍が氷になる）
- 店舗前の傾斜
「白く見える＝安全」「黒く見える＝濡れているだけ」は誤解。
黒い場所こそ氷です。
■④ 夜の雪道は“昼の3倍危険”
理由は明確です。
- 氷が目視できない
- 路面温度が急降下
- 車のスリップも増えて歩行者に迫る
夜間外出は可能なら避け、
どうしても歩く場合は ライト・反射材・防寒着 を必携に。
■⑤ 転倒しやすい靴・転倒しにくい靴
【転倒しやすい靴】
- 革靴
- ヒール
- スニーカーのすり減ったソール
- 底が硬く平らな靴
【安全な靴】
- 靴底に深い溝があるもの
- ゴムが柔らかい冬用靴
- すべり止めスパイク・アタッチメント
100円ショップの「靴用すべり止め」も効果大。
■⑥ 荷物の持ち方だけで事故率が変わる
- 両手を空ける
- バッグはリュックにする
- 買い物袋は片方に寄せない
- スマホを見ながら歩かない
重心の偏りが転倒に直結します。
■⑦ 転びそうになった時の“防災士のアドバイス”
転倒は防ぎきれないこともあります。
その瞬間、次を守ることが最重要です。
- 手をポケットに入れない（骨折リスク激増）
- 肩や背中から倒れるイメージ
- 顔を守り、あごを引く
- 無理に踏ん張らない（逆に大ケガ）
私は救急隊員として、手首骨折がどれだけ多いか何度も見てきました。
転倒の瞬間は“手を出すより身体を丸める”が正解です。
■⑧ 雪道歩行で持つべき“安全グッズ”
- すべり止めスパイク
- ヘッドライト・懐中電灯
- 反射バンド
- あったかインナー
- カイロ
- スマホのモバイルバッテリー
- 手袋（素手は凍傷＋転倒時のケガ増加）
最低限これだけで事故リスクが大幅に下がります。
■まとめ｜雪道の歩行は“災害対応”として考える
雪道は慣れている人ほど油断しやすく、
毎年“ベテランほど転ぶ”のが冬の実態です。
結論：
雪道は災害現場と同じ。歩幅を小さく、早く動かない、靴と荷物を工夫するだけで命を守れる。
防災士として強く言えるのは、
「転倒は防げる」「雪の知識が命を守る」ということです。
今日から実践できるため、ぜひ家族全員で共有してください。
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