冬の災害で意外と多いのが 「エアコンが動かなくなる」トラブル。
原因の多くは 雪・氷・寒波の影響 で、放置すると暖房不能になり、命の危険に直結します。
特に寒波・大雪の日は、
・室外機が凍結
・ファンが回らない
・霜取り運転が長引く
などの不具合が急増します。
ここでは、防災士の視点で エアコンの雪害対策 をわかりやすく解説します。
■① エアコンが“冬に止まりやすくなる理由”
冬の暖房は、室外機の熱交換が命。
しかし以下の状況で性能が急激に落ちます。
- 雪で室外機の 吸気口が埋まる
- ファンに 氷が付着
- 霜取り運転が頻発し、部屋が暖まらない
- 外気温が低すぎて熱交換ができない
- 室外機周囲が 強風+積雪 で冷えすぎる
雪国では、暖房停止=低体温症につながる重大なリスクです。
■② 大雪で多いトラブルと危険性
● ① 室外機が雪に埋まり故障
埋没した状態で運転すると過負荷で故障、修理費は高額。
● ② ファンに氷が付き、回らなくなる
回転異音、停止、ブレーカー落ちの原因。
● ③ 冷風しか出ない
霜取り運転が頻繁で暖房が追いつかない。
● ④ 停電後の再始動ができない
雪+寒さで復旧後もエラーが出るケース多数。
■③ 冬・雪の日の“室外機チェックポイント”
以下の3点を確認するだけで故障リスクが大幅に低下します。
- ❄ 室外機が雪で塞がれていないか
- ❄ 吸気口が雪・氷で覆われていないか
- ❄ 室外機の裏側の空間が確保されているか
特に「裏側の空気の流れ」は見落としがちなので注意。
■④ いますぐできるエアコン雪対策
● ① 室外機の“かさ上げ”が最重要
ブロック・専用台で
最低でも地面から30〜40cm 上げるのが安全。
地面に置いたままでは、湿雪で一気に埋まります。
● ② 室外機カバー・囲いを設置
ただし囲いは 風通し確保が必須。
推奨は
- 上部だけ覆う「ルーフ型カバー」
- 前面・背面に空間があるタイプ
全面を覆うタイプはNG。故障の原因になります。
● ③ 室外機周辺の雪かき
大雪時は 1日1回だけでOK
吸気口の確保を最優先に。
● ④ 吹き出し口に氷が付いたら
熱湯は絶対にかけない(故障します)。
→ ぬるま湯をジョウロで少しずつ。
→ 解けない氷は無理に剥がさない。
● ⑤ 暖房は「つけっぱなし」の方が安全
頻繁なオンオフは霜取りを増やし、
エアコンに大きな負担を与えます。
寒波の日は
弱運転のまま24時間稼働 が最も安定します。
■⑤ 停電した場合の暖房確保
エアコンは電気依存なので、停電時は使えません。
● 代替暖房の準備
- カセットガスストーブ(※換気が必要)
- 電気不要の石油ストーブ
- 湯たんぽ
- 毛布・ブランケット
- 防寒テント(室内用)
「エアコン以外の暖房が1つある」ことで命が守られます。
■⑥ 高齢者・子どもがいる家庭の注意
- 温度差に敏感で低体温症リスクが高い
- 停電時に暖を取りにくい
- 夜間の冷え込みで体調を崩しやすい
雪の日は特に 事前に室温を高めに設定 し、
急な停止に備えて必ず毛布類を手元に。
■⑦ 室外機を守る“雪害対策グッズ”
- 室外機ルーフ
- 室外機かさ上げ台
- 防雪フード
- 防雪ネット
- 断熱ジャケット(冷え防止)
- 室外機を囲む簡易フェンス(風よけ)
どれか1つでも効果があります。
■⑧ 大雪・寒波日にやってはいけないこと
- ❌ 室外機に熱湯をかける
- ❌ ドライヤーで無理に溶かす
- ❌ 完全に囲って密閉する
- ❌ 雪に埋まったまま運転する
- ❌ 窓を開けて霜取りを待つ
- ❌ 室外機の上に物を置く
誤った対処は逆に故障を招きます。
■まとめ|雪の日は“エアコン停止が一番危険”
結論:
雪が積もる地域では、室外機の雪対策が命を守る。
エアコン停止=低体温症のリスクが一気に高まります。
今日できる行動は3つ。
- 室外機の周囲を確認
- かさ上げ or カバー設置
- 寒波の日はつけっぱなし運転
防災士として現場を見てきましたが、
冬の暖房トラブルの9割は「雪と室外機」が原因 です。
家族を寒さから守るために、
今のうちにエアコンの雪対策を万全にしておきましょう。

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