冬は停電が長引きやすく、
冷蔵庫が丸ごと使えなくなるリスクが一気に高まります。
雪害・倒木・電線着雪・強風。
原因はさまざまですが、停電中に冷蔵庫が止まると、
- 食材が傷む
- 調理ができない
- 子どもの食事が確保できない
- 常備薬の保管に影響
- 衛生面の悪化
これらが数時間で発生します。
冬は“寒さ”を味方にできる反面、やり方を誤ると逆効果になるため、
正しい冷蔵庫代用テクニックが大切です。
■① 冬の停電で冷蔵庫が止まった時の最優先行動
- 扉を絶対に開けない（6〜12時間は保冷可能）
- 中身の把握はスマホのライト越しに“最小限”
- 冷凍庫は最後まで温度を保つので手を付けない
- 外気温を確認（0〜10℃なら代替冷蔵庫になる）
まずは「庫内の冷気維持」が最重要。
■② 冬に使える“臨時冷蔵庫”ベスト3
● ① ベランダ・玄関外（気温0〜10℃）
最も手軽で確実。
ただし、以下の点に注意：
- 直射日光が当たらない
- 動物（カラス・猫）対策として 蓋付きの発泡スチロール箱
- 積雪による埋没を防ぐため 高い場所に置く
● ② 発泡スチロール＋保冷剤
保冷剤は冷凍庫の余熱が残りやすいため、
停電開始直後に取り出して 発泡ボックスへ移すと長持ち。
冬なら 12〜24時間 冷蔵温度を維持可能。
● ③ 車の屋根・トランク（外気温0〜5℃）
室内より外の車内は冷えるが、
直射日光が当たらない側（北向き）に置くのがコツ。
■③ 冬でも“外に出してはいけない食材”
寒いからといって、何でも外に置けば良いわけではありません。
❌ NG：凍結すると品質が落ちるもの
- 牛乳・豆乳
- 卵
- 豆腐
- 葉物野菜（レタス・ほうれん草）
- フルーツ
- ビール・炭酸飲料
- 生卵（殻が割れやすい）
これらは 5〜10℃ の箱保管がベスト。
発泡スチロールもしくは室内の寒い場所へ。
■④ 外気を使う場合の“凍結トラブル”に注意
冬は冷やしすぎると
➡ 飲料缶の破裂
➡ 牛乳パックが膨張して漏れる
➡ 野菜が黒く変色して腐る
などの事故が起こります。
目安：外気温が0℃以下なら凍結リスクが高い。
箱の中にタオルを敷いて温度を緩やかにするのがコツ。
■⑤ 調理できない時の“停電用ストック”
冷蔵庫が使えない時に活躍するのは、
- 常温保存できるパン・シリアル
- 常温で長持ちするウインナー・ソーセージ
- レトルト食品（カレー・スープ）
- ロングライフ牛乳
- 水
- 缶詰（魚・果物）
- 補食ゼリー
冬は火も使いづらいため、
“開けてすぐ食べられる食品”が防災力を高めます。
■⑥ 停電が長期化した場合の判断
以下の状態になったら廃棄が基本：
- 生肉・魚が常温で2時間以上
- 乳製品が10℃以上に
- 匂いが変
- パックが膨張
“もったいない”より 食中毒の方が危険。
■⑦ 冬に役立つ冷蔵庫用の事前対策
- ペットボトルを数本凍らせておく
- 発泡スチロール箱を準備
- 調味料類は常温へ移し、冷蔵庫の容量を空けておく
- 停電用の食品ストックを常備
- 冬の停電を想定して 冷蔵庫の中身を減らす習慣
■まとめ｜冬の停電は「冷やす」よりも「凍らせない」が重要
冬は外気を使えるため一見楽に思えますが、
実際には 凍結による食品破損・食中毒リスク が急増します。
結論：
冷蔵庫が使えない冬は「扉を開けない」＋「発泡箱で温度管理」が最強。
防災士としての現場目線でも、
停電時の食材管理は命と健康を守る“冬の最重要スキル”です。
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