【防災士が解説】防災×国際支援|JICAがスリランカへ緊急援助隊を派遣した理由と私たちが学ぶべきこと

豪雨による大規模洪水で多数の死者・負傷者が発生しているスリランカ。
日本政府の要請を受け、JICA(国際協力機構)が国際緊急援助隊・医療チームを派遣しました。

災害は国境を越えて被害が広がるため、国同士の支援は命を救う大きな力になります。
今回はこのニュースを防災の視点からわかりやすく解説します。


■① なぜJICAがスリランカに派遣されたのか?

スリランカでは豪雨による洪水で

  • 病院機能の停止
  • 道路・インフラの破壊
  • 救急医療が届かない地域の発生

という深刻な状況に。

そこで日本政府は外務省の命令に基づき、JICAの医療チームを派遣しました。

◎ 派遣の理由

  • 医療体制が崩壊して負傷者が治療できない
  • 洪水後の感染症リスクが急増
  • 重症患者の救命が追いつかない

“国際緊急援助隊”は、まさにこうした「医療空白」を埋めるための日本の即応チームです。


■② 派遣チームの内容と規模

今回派遣されたのは 医師・看護師・調整員など31人
事前調査チームも含め、2週間にわたり現地で活動します。

◎ 活動内容

  • けが人・病人の治療
  • 失われた医療機能の補完
  • 衛生指導・感染予防支援
  • 必要な医療情報を日本政府へ報告

洪水被害は「ケガ」だけでなく、
感染症・脱水・慢性疾患の悪化 など二次被害が多いため、医療支援が最も重要です。


■③ 日本とスリランカの“深い関係”

結団式では、国光副外相が次のエピソードに触れました。

  • スリランカは1956年、日本の国連加盟を後押し
  • 2011年の東日本大震災では、日本の被災者に紅茶を届けて支援

長い友好関係があるからこそ、今回の支援は
「恩返し」でもあり、国際連帯でもある という点が強調されました。

クマーラシンハ駐日大使も
「言葉にできないほどありがたい」と感謝を表明しています。


■④ 広がる被害…死者は1300人超え

インドネシア・スリランカ・タイを中心に
死者は 1300人以上 と甚大。

  • 豪雨
  • 土砂崩れ
  • インフラ崩壊
  • 避難生活の長期化

多くの国が同時に被災しているため、国際支援が不可欠です。

日本はスリランカとタイに
テント・毛布などの緊急援助物資の供与 も決定しています。


■⑤ 日本が“国際支援”を行う防災上の意味

防災士として強く感じるのは、
国際協力は「他国のため」だけではなく、
日本自身の防災力を高めることにもつながる という点です。

◎ 日本が得られるメリット

  • 大規模災害のノウハウを共有できる
  • 災害医療・救助技術の向上
  • 将来の日本の災害に国際支援が返ってくる
  • 国際的な防災ネットワークが強化

特に日本は災害大国なので、
この“相互支援の仕組み”は非常に重要です。


■⑥ 現場での課題(防災士としての視点)

大規模洪水の現場では、以下の課題が必ず出ます。

  • 調整役が不在で支援が分散
  • 医療物資の輸送が困難
  • 避難所の衛生環境が悪化
  • 通信障害で情報共有ができない
  • 住民の持病ケアが止まる

JICAの医療チームは、
治療だけでなく、現場調整と情報共有の“指揮所役割” を担うことも多いです。


■⑦ 私たちが学ぶべき「災害医療の基本」

今回のニュースから学べるポイントは日本でも活かせます。

◎ ① 医療は災害で真っ先に止まる

だから家庭での備え(薬・常備品)が必須。

◎ ② 感染症・脱水は洪水後に急増

避難所での衛生習慣が命を守る。

◎ ③ 国際支援が回り回って日本を救う

“支え合い”は防災の根幹。


■⑧ 今日からできる行動(家庭版)

  • 常備薬・処方薬を多めにストック
  • 家族の医療情報(服薬・アレルギー)を控える
  • 携帯トイレ・水・衛生用品を備蓄
  • 災害時の連絡方法を決める
  • 「緊急援助隊」の存在を家族にも共有する

■まとめ|国際支援は「遠い国の話」ではなく“日本の防災力そのもの”

  • JICAがスリランカに医療隊を派遣
  • 洪水で病院機能が停止、支援は急務
  • スリランカと日本は長い友好関係
  • 国際支援は巡り巡って日本を救う
  • 医療は災害で真っ先に止まるため、家庭備蓄が必須

結論:
国際支援は「助け合いの循環」。 日本が支援することで、日本自身の防災力も強くなる。

防災士として、
日本の技術・知識・支援が世界の命を救い、
その経験がまた日本の災害現場に活かされると実感しています。

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