【防災士が解説】防災×冬|お湯が出ない時に“絶対にやるべき対策”と危険なNG行動

冬になると多い相談が
「急にお湯が出ない」「給湯器が動かない」 というトラブル。

実はこれ、
停電でも故障でもなく “寒さで給湯器や配管が凍結しただけ” というケースが非常に多いです。

凍結は放置すると破裂につながり、修理代が数万円〜十数万円になることも。
防災士として、家庭の冬のリスクとして見逃せません。

ここでは、冬にお湯が出ない時の原因・対処法・予防策をわかりやすく解説します。


■① 冬にお湯が出ない原因は「凍結」が9割

特に冷え込む朝は、以下の部分が凍りやすくなります。

  • 給湯器周りの水配管
  • 屋外の露出した給水管
  • ベランダの給湯器
  • 給湯器の内部部品

気温が“0℃前後”になると、数時間で凍りつく場合があります。

◎チェックポイント

  • 湯だけ出ない → 凍結の可能性大
  • 水は出るが湯が出ない → 給湯器の凍結 or 熱交換器の停止
  • 全く水が出ない → 給水管の凍結 or 元栓凍結

■② 絶対にやってはいけない危険なNG行動

お湯が出ない時、焦って以下をやると 破損・故障の原因 になります。

❌ 熱湯を直接かける

急激な温度変化で配管が破裂します。

❌ ドライヤーを長時間あてる

樹脂ホースが溶けたり、ショートの危険があります。

❌ 給湯器を叩く・揺らす

内部部品が破損します。

❌ 無理にお湯を出し続ける

給湯器に過負荷がかかり故障します。


■③ 正しい応急処置|安全に溶かす方法

凍結は自然解凍がもっとも安全です。
暖かい布と「ぬるま湯」で少しずつ温めましょう。

▼ ① 給湯器の電源は「入れたまま」でOK

凍結解除後に自動で動き出します。

▼ ② タオルを巻き、ぬるま湯(20〜30℃)をかける

ゆっくり解凍されて破損を防げます。

▼ ③ ヒーター・暖房器具を遠距離で使用

※火気は厳禁
電気ストーブを1〜2m離して風を当て続ける方法は安全。

▼ ④ 室内の蛇口を少し開けておく

水が流れ始めたら、徐々に解凍が進んでいるサインです。


■④ 再発防止のための凍結予防策

冬の防災対策として、給湯器は真っ先に守るべき設備の一つです。

◎ ① 給湯器の「凍結防止ヒーター」をON

多くの機種に標準搭載されています。

◎ ② 給湯器のコンセントは抜かない

電源は凍結防止のため常時必要です。

◎ ③ 露出配管に保温材を巻く

市販のスポンジ・断熱材を巻くだけで凍結率が激減。

◎ ④ 夜間は少量の水を流しておく

気温が氷点下になる予報の時に有効。

◎ ⑤ 給湯器の前に風よけを置く

段ボール・屏風状の板でもOK(排気口は塞がないこと)。


■⑤ 給湯器が壊れている可能性があるパターン

以下の場合は故障が疑われます。

  • 氷点下でないのにお湯が出ない
  • 再起動しても作動しない
  • エラーコードが表示される
  • 配管から水が漏れている

給湯器の 凍結 → 破裂 → 漏水 はよくある事例です。
早めに業者へ連絡を。


■⑥ 家庭の“冬の防災”としての給湯器管理

給湯器が止まると、

  • 手洗い不能
  • 食器洗い困難
  • 風呂不可
  • 衛生状態の悪化

となり、防災生活の質が一気に下がります。

特に冬は体温低下が起きやすいので、
「お湯が使えない」=生活リスクの上昇 に直結します。


■⑦ 冬の停電でも給湯器は使えなくなる

給湯器は電気がないと動きません。

◎ 停電+寒波 → 凍結 → 破裂

最悪のパターンです。

そのため冬は以下の対策も併用が必要。

  • ポータブル電源
  • カセットガス式給湯
  • 水タンク備蓄
  • 代替の暖房・入浴手段

■⑧ 今日からできる冬の給湯器チェックリスト

  • 配管の保温材は巻いている?
  • 給湯器の周囲は風を受けていない?
  • コンセントが抜けていない?
  • 凍結防止ヒーターはON?
  • 氷点下予報の時は水を流している?

■まとめ|冬の「お湯が出ない」は立派な“防災トラブル”

✔ 冬にお湯が出ない原因の9割は凍結
✔ 熱湯・ドライヤーは絶対NG
✔ ぬるま湯+自然解凍が最も安全
✔ 配管保温・風よけ・凍結防止ヒーターが効果的
✔ 停電時は給湯器が使えない
✔ 給湯器管理は冬の災害対策そのもの

結論:
凍結対策は「壊れる前の予防」がすべて。 冬の給湯器は命を守る“生活インフラ”として守るべき設備です。

防災士として、
冬の家庭トラブルは“災害の一種”と捉え、
早めの対策を強くおすすめします。

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