【防災士が解説】防災×冬|氷点下の家|“家そのものが危険化する”真冬のリスク

冬の中でも最もトラブルが多いのが「氷点下になる日」です。
家のつくりや設備は、普段の冬には耐えられても、−1℃〜−5℃の世界ではまったく別の危険が生まれます。

ここでは、防災士として
「氷点下の家で起きるトラブル」と「命を守るための対策」
をわかりやすくまとめます。


■① 氷点下になると“家が壊れ始める”

氷点下の日は、家のあちこちが急激に冷やされ、普段では考えられないトラブルが一気に発生します。

●よく起きる危険トップ5

  1. 水道管の凍結・破裂
  2. 給湯器が停止(最悪、故障)
  3. 窓・サッシからの冷気で室温低下
  4. トイレ・洗濯機まわりの凍結
  5. ヒートショック(室温差10℃以上)

氷点下は「家が弱点をさらす日」。
特に築10年以上の住宅は要注意です。


■② 氷点下は“室内でも0℃近く”になる

家の中でも…

  • 北側の部屋
  • 廊下
  • 脱衣所
  • 玄関
  • 風呂場

これらは深夜に5℃以下になることがあり、
高齢者・子どもは危険ゾーンに入ります。

●ヒートショックが増える理由

  • 温かいリビング → 冷え切った脱衣所に移動
  • 血圧が急上昇・急下降
  • 心筋梗塞や脳梗塞が起こりやすい

冬の救急搬送が増える最大の理由のひとつです。


■③ 氷点下で壊れやすい設備ベスト5

◎① 水道管

特に外壁・ベランダ・床下・駐車場の蛇口。
+3℃〜0℃でも凍結します。

◎② 給湯器

内部の凍結防止ヒーターが止まると破裂リスク。
電源を切るのは絶対にNG。

◎③ トイレ

タンク内の水が凍り、チェーンや部品が破損することも。

◎④ 洗濯機

給水ホースが凍って朝使えないトラブルが多い。

◎⑤ エアコン

霜取り運転で一時的に止まり、
「暖房が効かない」状態に。


■④ 氷点下の家で必ずしてほしい対策

✔窓の冷気ブロック

  • カーテンを二重にする
  • プチプチ断熱シート
  • サッシに防寒テープ
    → 室温が3〜6℃上がり、光熱費も削減

✔深夜の“凍結予防”

  • 蛇口から細く水を出し続ける
  • 屋外蛇口はタオル+ビニール袋で保温
  • 洗濯機ホースはバケツに入れる
  • トイレはふたを閉め、換気扇を止める
  • 給湯器は“電源だけ絶対に切らない”

✔脱衣所・玄関の暖房

  • 小型セラミックヒーター
  • 断熱カーテン
  • 下に段ボールを敷いて冷気ストップ
    → ヒートショックの予防に直結

✔寝室の対策

  • 湿度40〜60%
  • 加湿器 or 濡れタオルを干す
  • 窓側に厚手のカーテン
    → 冬の“朝の頭痛・喉痛”を防ぐ

■⑤ 氷点下の朝に起きる“最悪のシナリオ”

  • 蛇口が出ない
  • 給湯器がエラー表示
  • 風呂に入れない
  • トイレが流れない
  • 玄関ドアが凍って開かない
  • 車の窓が凍りつく
  • 路面がブラックアイスバーンに

氷点下の朝は、“災害級のトラブル”が一気に押し寄せます。


■⑥ 氷点下の家で命を守る3つの行動

① 夜のうちに家を温める

家全体の温度を上げておくと、深夜の冷え込みが緩和。

② 使わない部屋を閉じて温度を集中

リビング・寝室・脱衣所の“生活動線”を優先。

③ 朝は絶対に急がない

急な動きはヒートショックの引き金。
ゆっくり起き、ゆっくり立ち上がる。


■まとめ|氷点下は“住宅災害の日”

氷点下はただの寒い日ではなく、

水道・給湯器・家・健康すべてが壊れやすい日。
小さな対策をしているだけで、被害はほぼゼロにできます。

今日の一歩が、明日のトラブルを防ぎます。

家族の命を守るために、
氷点下の家のリスクを知り、今日から備えましょう。

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