日本の冬は年々厳しさを増し、
「平年並みの備え」では命を守れない時代に入っています。
特に厳冬(げんとう)は、
・氷点下の朝の冷え込み
・突然の大雪
・長期停電
・インフラ障害
・交通マヒ
など、災害級の影響を生活に与えます。
ここでは防災士として、
厳冬に備える“家庭の防災力”を最大限に高める方法をわかりやすく解説します。
■① 厳冬が「災害級」といわれる理由
●気温の急下降で体調を崩しやすい
高齢者・子どもは体温調節が苦手で、寒さが命に直結します。
●水道・給湯器が凍結しやすい
朝に「お湯が出ない」「水が出ない」家庭が一気に増加。
●道路・歩道が危険地帯に
ブラックアイスバーンや日陰の凍結で転倒事故・車両事故が倍増します。
●電気への依存が最大化
厳冬期の停電は「暖房」「調理」「給湯」が同時にストップ。
■② 厳冬に必須の“家庭の防災チェック”
✔窓の防寒(断熱シート・プチプチ・カーテン二重)
家の熱の50〜60%が窓から逃げます。
✔玄関・廊下の冷気遮断
カーテンや界壁で簡単に冷気をブロックできます。
✔給湯器の凍結防止
段ボール・毛布で覆う、凍結防止ヒーターを利用。
✔水道管・屋外蛇口の保温
タオル+ビニールで応急処置も可能。
■③ 厳冬で増える3大トラブルと対策
①【低体温症】
夜間・早朝に多発。
・布団にカイロを入れない(低温やけどの危険)
・湯たんぽはカバー必須
・睡眠時の頭・首の保温がポイント
②【暖房費の急上昇】
家の断熱不足が原因。
対策:
・部屋を“区切る”
・カーテンボックスをつける
・足元暖房(電気代が安く効果が高い)
・こたつ+エアコンの併用が最強
③【水回りのトラブル】
・給湯器停止
・水道凍結
・風呂に入れない
→ 家庭のストレスが一気に増す原因に。
対策:
・夜は浴槽に水を張っておく
・屋外配管の保温材
・給湯器の雪囲い
■④ 厳冬×停電は“最悪の組み合わせ”
停電中は次の3つが一度に失われます:
暖房/調理/給湯
家庭が一瞬で“避難所レベルの寒さ”になり危険。
準備として:
✔モバイルバッテリー複数
特に30,000mAh以上を1台。
✔LEDランタン
夜間のトイレ・移動が安全に。
✔カセットコンロ
お湯を作れるだけでも体調維持に大きく貢献。
✔ブランケット・寝袋
停電時の命綱です。
■⑤ 厳冬期の外出は“災害対応レベル”で考える
✔滑りやすい場所を必ず避ける
・橋の上
・坂道
・横断歩道の白線
・日陰の歩道
✔歩行速度は普段の半分
転倒骨折は冬に激増。特に手首・大腿骨が危険。
✔車はスタック対策を
スコップ・牽引ロープ・滑り止め剤は必須。
■⑥ 厳冬に備える“冬の防災セット”
●家用
・ランタン
・カセットコンロ
・毛布・寝袋
・非常食
・給水タンク
・貼るカイロ
・断熱グッズ
●車用
・雪かきスコップ
・毛布
・水と食料
・携帯トイレ
・ブースターケーブル
・チェーンor滑り止め剤
■まとめ|厳冬は「静かな災害」。備えた人だけが守られる
厳冬は目に見える“派手な災害”ではありませんが、
家庭の弱点を確実に突いてくる“静かな災害” です。
・窓の断熱
・暖房費対策
・停電対策
・水道凍結の予防
・外出リスクの軽減
この5つを整えるだけで、冬の安全度は一気に上がります。
今年の冬は、
「寒いからつらい」ではなく、
“備えているから安心して過ごせる冬” に変えていきましょう。

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