2025年11月26日、香港・新界の大埔区にある高層住宅団地
「宏福苑(Hong Fuk Court)」で大規模火災 が発生しました。
死者150人超とも報じられる、近年世界でも例を見ない甚大被害。
日本の集合住宅に住む私たちにとっても決して“対岸の火事”ではありません。
元消防職員として、この火災から学ぶべき教訓をわかりやすくお伝えします。
■① 何が起きたのか|火の回りが異常に速かった理由
- 発生:2025年11月26日午後
- 場所:新界・大埔区「宏福苑」
- 状況:外壁改修工事中の
竹製足場+防塵ネット+発泡スチロール材 が火元付近で燃焼 - 炎が外壁全体を包み、複数棟に一気に延焼
- 当局は最高レベルの「五級火災」で対応、数百の消防隊を投入
“足場+ネット+断熱材”という組み合わせは、火が外壁を一気に駆け上がる最悪の条件でした。
■② 被害はなぜ拡大したのか(死者150人超)
●死者:128〜150人超
報道更新に伴い増加。行方不明者も多数。
●負傷:79人以上
住民・消防隊員も含む。
●消防隊員1名が殉職
極めて過酷な現場だったことが分かります。
●建物内部は“煙の迷路”に
- 発泡スチロールで窓が塞がれていた
- 防護ネットが煙の通り道を変えた
- 階段や廊下に煙が充満し避難が困難に
高層住宅火災で最も恐ろしいのは“炎”ではなく 煙の一瞬の充満 です。
■③ 延焼・被害拡大の主な要因
●① 竹の足場がよく燃える構造
竹は乾燥すると非常に燃えやすく、外壁を覆う“巨大な燃料”になります。
●② 防護ネットが煙と炎を拡散
火がネットを伝い、外壁を瞬時に炎が包みました。
●③ 発泡スチロールが高温で溶け有毒ガス発生
逃げ遅れの大きな原因になった可能性。
●④ 火災警報器の不具合
警報が作動しなかったとされる報道もあり、避難開始が遅れました。
●⑤ 工事の安全基準違反の疑い
- 不適切な資材
- 工事関係者の汚職疑い
- 過失致死などで逮捕者も発生
“管理不備”が積み重なると、被害は一気に災害規模になります。
■④ 行政対応・その後
- 香港政府は大規模捜索・身元確認(約600人体制)を実施
- 避難所の開設、交通規制、住民支援
- 国を挙げて追悼
- 工事安全性・建物防火管理の総点検へ
- 市民からは強い怒りと不信感が噴出
火災は「建物だけの問題」ではなく、地域全体の安全管理に直結します。
■⑤ この火災から学べる“集合住宅の防災ポイント”
日本のマンション・アパートでも、同じ条件が重なれば同規模の被害が起こり得ます。
●1. 工事中の外壁足場は「火の道」になる
足場+ネットを見るときは
「延焼リスクが高い状態」と認識することが重要。
●2. 共用部の防火扉を絶対に塞がない
- ベビーカー
- 自転車
- ゴミ袋
→ これらがあるだけで煙の流れが変わり、避難が不可能になります。
●3. 家のドア・窓の耐火時間を知っておく
高層住宅は “家の中にとどまる避難” も重要。
扉の耐火性能を確認しておくと、判断がしやすくなります。
●4. 火災報知器は“必ず自分で月1点検”
誤作動・電池切れは最も多い事故の理由です。
●5. 煙に巻かれないために
- 懐中電灯を玄関に置く
- 湿らせたタオルやマスクを手の届く場所に
- 低い姿勢で避難を徹底
煙は“下ではなく上から来る”と思われがちですが、実際は
「通路全体を数十秒で満たす」 のが高層火災です。
■⑥ 冬は火災リスクが急増する季節
冬は湿度が低く、集合住宅の火災は広がりやすい特徴があります。
- 暖房器具の火災
- 配線ショート
- 乾燥で火の粉が燃えやすい
- 換気不良で煙が滞留しやすい
冬のマンション火災は、小さな火→大惨事 に変わるスピードが非常に早いのが特徴です。
■まとめ|“香港の悲劇”を自分ごとに
2025年・香港マンション火災は
工事中の不備・防火管理の甘さ・逃げ遅れを招く構造が重なった最悪の事例 です。
結論:
集合住宅は「工事中が最も危険」。 火災は煙がすべて。 冬は乾燥で火が広がりやすいため常に警戒を。
日本でも十分起こりうるため、
あなたの住むマンション・地域でも今日から確認できることを必ず進めてください。
命を守るのは、日頃の“ひとつの気付き”から変わります。

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