冬は台風が少ないと思われがちですが、実は“暴風リスクが最も高まる季節”でもあります。
寒波・低気圧・爆弾低気圧が重なると、家の破損・窓ガラス割れ・停電・交通麻痺など、大きな被害につながります。
ここでは、防災士として冬に絶対やっておくべき「防風対策」をわかりやすく解説します。
■① 冬の暴風が危険な理由
冬の低気圧は急速に発達しやすく、突風・広範囲の強風を伴うのが特徴です。
特に北日本・西日本は、爆弾低気圧で最大瞬間風速30m/s以上となることもあります。
■② まずやるべき家まわりのチェックポイント
・ベランダの物干し・バケツ・ゴミ箱を室内へ
・植木鉢やプランターを倒れない位置へ移動
・物置の扉やロープの固定
・カーポート・屋根のネジ・亀裂確認
飛来物は“風速20m/s”で凶器になります。
小さな物でもガラスを突き破るので油断は禁物です。
■③ 「窓ガラス割れ」への最優先対策
冬の強風で最も多い被害が“窓の破損”。
対策の優先順位は次の通りです。
- 飛散防止フィルム
- 養生テープ(X貼り+周囲貼り)
- 雨戸・シャッターの施錠
- カーテンを閉めてガラス飛散を防ぐ
特に飛散防止フィルムは“コスパ最強の防災対策”です。
■④ 外出時に絶対にやってはいけない行動
・強風時に傘をさす
・橋や高所を歩く
・自転車で無理に移動する
・側溝・海岸・河川に近づく
・トラック・看板の近くを歩く
冬の突風は「体ごと持っていかれる」ほど強く、転倒や骨折の事故が急増します。
■⑤ 車移動の危険ポイントと対策
・横風が強い区間(橋・海沿い・高所)は要注意
・大型車の横を走行すると風影響を受けやすい
・ハンドルを強めに保持し、急ハンドル禁止
・ワイパーやライトの事前点検
・積雪地帯は“風+吹雪”で視界ゼロに
冬の暴風は「ホワイトアウト」を引き起こし、追突リスクも上昇します。
■⑥ 屋根・外壁のメンテナンスで風害を予防
・屋根瓦のズレ
・雨どいの外れ
・外壁のヒビ
・アンテナの傾き
こうした“小さな劣化”が、冬の強風で一気に破損につながります。
年1回の点検で、被害の8割は防げます。
■⑦ 停電への備えもセットで行う
冬の暴風は停電を伴うケースが多いです。
・モバイルバッテリー満充電
・電池式ランタン
・カセットガスストーブ
・毛布・カイロ
・断水に備えた風呂水確保
停電×寒波は、命に直結します。
■⑧ 子ども・高齢者への事前声かけ
特に冬は転倒・低体温・外出時の事故が増えます。
・強風日に外出を控える
・子どもには「飛んだ物に近づかない」教育
・高齢者には歩行補助具の使用
・家族で天気予報を共有
家族の情報共有こそ最大の防災です。
■まとめ|冬の暴風は“命に関わる災害”
冬の強風は「ただの風」ではありません。
窓割れ・屋根破損・停電・転倒事故など、命に直結する災害です。
事前に家のチェック・窓対策・外出回避・停電対策をしておくだけで、家族の安全は大きく高まります。
結論:
冬の防風対策は“物が飛ばない・窓を守る・外出を控える”の3点が命を守る核心です。
防災士として冬の現場を経験してきましたが、多くの事故は「たった5分の対策」で防げます。
今日できるところから備えてください。

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