【防災士×ドローン操縦士×元消防職員が解説】災害時にドローンはどう役立つ?現場で求められる理由と今後の可能性

近年、地震・豪雨・台風・土砂災害が全国で増えています。
そのたびにニュースで空撮映像を目にする機会が増えましたが、実は多くが“災害対応ドローン”によるものです。

そして今、現場では
「人間よりドローンの方が早く、正確に動ける」
と言われる場面が本当に増えています。

今回は、防災士・元消防職員・自治体防災担当・二等無人航空機操縦士として、
“災害時のドローン活用が急拡大している理由”をわかりやすく解説します。


■① なぜ災害現場でドローン活用が増えているのか

災害直後は「近づけない」「見えない」「わからない」の3つが課題。

・道路崩落で近づけない
・土砂で埋まり歩行不可能
・倒壊危険で消防も立ち入り困難
・水流が強くて接近できない

でもドローンなら上空から安全に状況把握が可能。
“人が近づけない場所を安全に見る”という能力が、災害の初動判断に欠かせません。


■② 広範囲を“人の何十倍もの速度”で確認できる

災害で一番重要なのは「情報」。

・どこが壊れたか
・どこが孤立しているか
・要救助者はどこにいるか
・道路・橋梁は通れるのか

これらを人が歩いて確認すると数時間。
ドローンなら数分。

災害が広域化するほど、ドローンの情報収集能力は圧倒的な差を生みます。


■③ ドローン映像は“リアルタイムで共有できる”

ドローンの映像はその場で共有できます。

・消防本部
・市役所の災害対策本部
・現場の消防隊

これにより、「どこに救助が必要か」を即判断。
救助のスピードは“生存率そのもの”。
早く情報を届けられるドローンの力は非常に大きいです。


■④ 夜間・雨でも使える機種が登場し救助の質が向上

最新ドローンは性能が大幅アップ。

・暗視カメラ
・赤外線カメラ(熱源探知)
・防水仕様
・長時間飛行

これにより、
・夜の捜索
・雪山での遭難者発見
・瓦礫下の熱源確認
など“人間では不可能な救助”が可能に。


■⑤ 実際の災害でドローンはすでに大活躍している

✔ 熊本地震
→ 倒壊建物を空撮し、救助計画に活用

✔ 西日本豪雨
→ 孤立地域の被害状況を確認し、物資ルート判断に使用

✔ 熱海土石流災害
→ 全国へ速報映像を伝え、現地の状況を可視化

✔ 北海道ブラックアウト
→ 停電地域の被害確認に使用

もはやドローンは“標準装備の防災ツール”です。


■⑥ ドローンができる具体的な災害支援

ドローン1台でここまでできます。

・被害状況の空撮
・河川の増水・氾濫チェック
・土砂崩れの規模測定
・孤立地域の発見
・要救助者の熱源探知
・避難ルートの確認
・倒木・道路損壊の把握
・船やヘリが入れない場所の調査
・小型物資の運搬

“短時間で、正確に、危険なく”情報を届けるのが最大の価値。


■⑦ 今後は「物資輸送・救命品投下」が当たり前になる

すでに実証実験では以下をドローン輸送しています。

・AED
・医薬品
・水
・食料
・通信機器

→ 孤立地域の命をつなぐ手段として期待大。
→ 山間部・離島・高齢化地域ほど需要が増す。

災害物流の主役になる未来はほぼ確定です。


■⑧ 一般家庭でもできる“防災×ドローン”

意外ですが、家庭用ドローンも防災に強い味方。

・屋根の損傷チェック
・川の増水状況の確認
・地域の事前空撮(災害前記録)
・ハザードマップと組み合わせて危険箇所を把握

自治会・自主防災組織と連携すれば、
地域の災害力は一気に高まります。


■まとめ|ドローンは“これからの防災の必須ツール”

・人が入れない場所でも調査できる
・広範囲を短時間で把握できる
・情報共有で救助判断が早い
・夜・雨でも使える機体がある
・物資輸送は近い未来に標準化
・自治体・消防・地域防災で必須の存在

ドローンは、確実に“災害対応を変える技術”です。


結論:
ドローンは災害現場の情報・救助・物流を劇的に変える「未来の防災ツール」です。操縦できる人材は今後さらに価値が高まります。
防災士・元消防職員・二等無人航空機操縦士としての現場経験からも、ドローンは地域防災の戦力として欠かせない存在だと断言できます。

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